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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

日経サイトのDSの広告企画がおもしろかった

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日経のサイトに掲出されているニンテンドーDSの広告企画「ビジネスパーソンの通勤スタイルを発見-調査で見るDS利用の実態」がおもしろいです。

業界筋で使われている手法や制作の内側などを意図的に広告に”滲出”させて、それによってターゲットを”内側の意識”に引きずり込むというアプローチは、珍しくはありません。けれども今回の企画は、日経新聞のサイトという、あまり実験的な広告手法が似つかわしくない媒体において、日経テイストを尊重しつつ制作されているところがおもしろいと思います。

いくつかのコンテンツの柱が立っていますが、読者が一番引き付けられるのは「実態レポート 電車内でDSユーザーを捜せ」でしょうね。銀座線、東西線、半蔵門線、千代田線などの地下鉄でDSユーザーのウォッチングを行い、そのレポートという形式でまとめてあります。

-Quote-
男性(50代前半):上野-上野広小路間で発見。グレーのスーツのビジネスマンが、着席してDSを使用。大きなカバンを持ち、両手で支えて、十字ボタンでDSを操作。アクション系ゲームソフトを使用中と思われる。ホールド感を高めるためか、小指にストラップをからめて 、うつむき気味で真剣にゲームに取り組んでいた。
【本体色:クリムゾンブラック(DS Lite)】
-Unquote-

これによって、地下鉄車内のDSユーザーの年齢の幅は意外と広く、50代後半などの方も普通に使っていると印象付けるのが狙いなのでしょう。成功していると思います。

この、利用者を第三者としてじーっと観察して記述する手法。文化人類学から来ているフィールドワークの手法ですよね?

読者の気持ちになってみると、どうしたって、自分と同じ年代の人がどう使っているのか気になって読むと思うのです。モノはニンテンドーDSですから。日経なので50代の方も60代の方もいらっしゃるはず。そうした人たちに対して、へー、DSをみんな使っているんだという意識を持たせることができれば大成功ですよね。

企画・制作が日本経済新聞デジタルメディアということで、そうかなぁんだ、自分たちの手の内の制作方法で仕上げているわけか、と腑に落ちました。でも好感が持てます。

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