Google CodeMenderの全体像:AIによるハッキングにはAIで対処:ソフトウェア製品の脆弱性対処をAI化
Googleが新しいサイバーセキュリティ対応AIを発表したそうです。その名は"CodeMender"。GoogleのAI技術開発専門集団であるDeepMindが開発しました。2025/10/6に発表されており、まだ湯気が立っている状態です。その技術的な全体像を下半分でお読みいただけます。
今や世界最高のサイバーセキュリティ専門家としての認知が進むChatGPT 5で最新情報を精査した上で解説させたところ、ソフトウェア製品を顧客に販売している製品ベンダーが新たな脆弱性に遭遇した場合、いち早くCodeMenderがそれを検知し、製品全体にわたって脆弱性を潰す書き換えを行う...それもAIであるCodeMenderが自動的に書き換えるのはなく、人間の承認を得て書き換えるという、AIによって脆弱性に対処する技術です。
ハッキング関連の情報を最近よく見ていますが、ハッキング攻撃がAI化しています。従って、人間の専門家の対処では対処しきれないケースが増えつつある現実があります。これに対処するため、AIによるハッキングにはAIで対処すると言うのがGoogleのCodeMenderのコンセプト。
USのオープンソースコミュニティではCodeMenderをいち早く自分の所のOSSで使用してみて効果を確かめる気風があるようで、すでに数十件の実績があるとGoogleが公表しています。日本では考えられない展開です。
以下ChatGPT 5に技術的な解説をさせます。
1. 何が新しいのか(30秒で把握)
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CodeMender = "検出+修正+再発防止" を自動化する防御エージェント。Gemini系(Deep Think)をベースに、静的解析・ファジング・差分テストなどを組み合わせ、根本原因を特定→パッチを自動生成→リグレッションを抑える設計。単なるスキャナではなく「安全側へコードを書き換える」点がコアの差別化です。 Google DeepMind+1
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実績:開発6か月で72件のセキュリティ修正をOSSへ上流反映。巨大コードベースにも適用したと明言。 The Hacker News+1
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プロアクティブ対応:既知脆弱性の修復に留まらず、脆弱性クラスそのものを潰す再書き換え(例:libwebpに境界安全アノテーションを付与しバッファ安全性を高める、などのケース記載)。 TechRadar
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人間の審査前提:自動提案→人間のレビューで確定という運用思想(「人を置き換える」ではなく工数圧縮)。 TechRadar
公式発表・技術ブログ:DeepMindのプロダクト解説/Googleの安全保障戦略記事にもCodeMenderが位置づけられています。 Google DeepMind+1
2. 技術スタックの要点
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基盤モデル:Gemini "Deep Think" 系(高推論モデル)。脆弱性記述→原因特定→修正案→検証のエージェント・ループを回す。 Google DeepMind
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プログラム解析ツール群:静的解析 / ファジング / 差分テストを併用し、修正の副作用と再発を抑える。既存SAST/DAST/IASTの自動化延長線というより統合オーケストレーション寄り。 TechRadar
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ワークフロー:
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兆候発見(スキャナ・CI・外部報告)
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CodeMenderが根因推定とパッチ候補生成
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自己検証(差分テスト/リグレッション抑制)
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人間レビュー→上流コミット/PR化
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適用後もクラス撲滅の再書き換えモードで面の安全性向上を図る
(「Reactive: 即時パッチ」「Proactive: クラス潰し」二層) The Hacker News
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Google側の安全施策連動:Secure AI Framework(SAIF)のアップデートや**AI関連のVRP(脆弱性報奨制度)**刷新と同時に語られる位置づけ。企業への水平展開を想定。 blog.google+1
3. 既存ツールとの違い(Copilotや一般SASTとどう違う?)
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Copilot系は主に「開発生産性」軸(補完・説明・一部修正提案)。CodeMenderは"安全側への自動リファクタリング"に力点。面での安全性(クラス潰し)を狙う点が大きい。 The Hacker News
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SAST/DASTは検出中心。CodeMenderは修正→検証→上流化までを一気通貫。特に大規模OSSへの実打ち込み(72件)が差別化の実績。 The Hacker News
4. リスクと限界("自動パッチ"の落とし穴)
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誤修正/過剰修正:性能劣化や互換性崩れのリスク。ロールバックと段階ロールアウト設計が要る。
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由来と責任:誰が書いたコードか? SBOM/署名(SLSA)/由来証跡とセットで運用しないとサプライチェーン・コンプライアンスで詰む。 blog.google
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維持負債:クラス潰しの再書き換えは広範囲の差分になりやすい。レビューと回帰試験コスト配賦の再設計が必要。
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攻撃者の対抗進化:攻撃側もAIで自動エクスプロイト生成を強化。**"検出→修正→回避"**の短サイクル競争になる。Google側も「攻撃側のAI化」を明言し、防御AIの必要性を強調。 TechRadar
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OSSコミュニティ運用:自動PRは歓迎と反発が割れる。CLA/ライセンス整合・レビュー帯域・メンテナの意思決定プロセス設計が必須。 (この点はGoogleの発表でも**「人間レビュー前提」**を強調) TechRadar