AIデータセンター市場拡大で特に売上の伸びが大きいと予想される10社
OpenAIのDeep Researchを、プロのリサーチャーとして毎日色々なリサーチをしていた頃の感覚を思い出しながら、様々な観点で「彼」に調査をやってもらっています。林雅之さんも度々書いておられますが、私も企業クライアントにレポートを書くリサーチャーの立場で、特に日本のデータセンター関連企業の動きに興味を持っています。その中でも、既存の報道メディア・経済誌ではあまり触れられていない、極めて大きな可能性を持った企業を探し出すことができれば素晴らしいと考えています。それをDeep Researchにやらせてみてはどうか?ということで、以下のやりとりをDeep Researchとして、下記の10社を選定してもらいました。
調査のロジック
・日本の株式市場で取引されている企業のうち、特にデータセンター市場の飛躍的拡大によって自社の売上の著しい伸びが予想される企業群を抽出したい。そうして、それらの個々の企業に関する詳細な株式投資レポートをDeep Researchに調査執筆してもらいたい。
・そのためのプロンプト作成をChatGPT o3-miniに依頼する。
・最初に出てきたプロンプト内容では私が着目している企業群がカバーされないので、それらがカバーされるようにチューニング。特に不動産業と建設業がカバーされるようにした。そのプロンプトでプレリサーチを行う。
・プレリサーチで10社を選定。
(・選定された10社の個々について、詳細なリサーチレポートを作成する。←これは今後)
Deep Researchがしつこく反復的に調べた上で選定した10社
(しつこく反復して調べた過程のテキスト=推論の内容は、ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探って行く勉強会で投稿しました。非常に興味深いプロセスでした)
今泉としては、三井不動産が特に興味深いなと思いました。
なお、以下の10社は、あくまでもOpenAIの最新サービスDeep Researchに、私が独自にチューニングをかけたプロンプトで調査を10分程度させて選定した10社であり、内容に間違い(ハルシネーション)を含んでいることがあります。実際に株式投資などの材料にする場合には、それぞれ情報源等にあたって(記述してあるテキストでGoogle検索をかけてもかなりの確認作業ができます)、お調べ下さい。
(赤太字は今泉)
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企業名:フジクラ (5803)
選定理由: 生成AIの普及に伴うデータセンター向け需要が爆発的に増加し、同社の情報通信ケーブル事業が業績を大きく押し上げています。実際、2025年3月期の売上高予想は従来計画比で600億円増の9,400億円(前期比17.5%増)へ上方修正され、業界平均を大きく上回る成長率となっています。データセンター需要増に対応するため業績見通しの上方修正を3度行うなど、卓越した成長を示している点が評価されます。 -
企業名:住友電気工業 (5802)
同社はこうした需要増を取り込むため、横浜製作所内にデータセンター関連製品の研究開発を強化する新研究棟を建設する計画を打ち出しており、dempa-digital.com
選定理由: 生成AI拡大によりデータセンター事業者の投資が増加し、それに伴い光デバイスや高速光配線部材への需要が急増しています。sumitomoelectric.com
データセンター向け事業の将来的な高成長を見据えた積極的な設備投資姿勢が評価できます。 -
企業名:NTTデータ (9613)
選定理由: NTTグループはデータセンター事業を中長期の成長柱と位置付けており、NTTデータは今後5年間でデータセンター事業に1.5兆円超を投資する方針を掲げています。これは国内初のデータセンターREIT参入計画など大規模投資を伴う戦略であり、市場平均を大きく上回るデータセンター関連売上の成長が見込まれます。巨額投資による設備拡充とM&A戦略で世界トップクラスの事業規模を目指しており、その成長期待が選定理由となります。 -
企業名:ソフトバンク (9434)
選定理由: 通信大手である同社もAI時代を見据えたデータセンター事業に本格参入しており、約1,700億円規模の投資を投じて北海道苫小牧市および大阪堺市に大規模なAIデータセンターを建設中です。この「巨大AIデータセンター」構想は2026年度の開業を目標に進められており、同社は生成AI需要の取り込みによる関連売上の急拡大が期待されています。国内通信企業による最大級の設備投資計画である点から、データセンター関連売上の著しい成長が見込まれる企業として選定しました。 -
企業名:さくらインターネット (3778)
選定理由: 国内中堅ながらデータセンターサービスで顕著な成長を遂げており、2025年3月期上期の連結売上高は前年同期比28.3%増の132.7億円、営業利益は同419.4%増と過去最高を更新しています。GPUクラウド等の需要増に応えるため、大容量収容が可能なコンテナ型データセンターを今期中に竣工するなど投資を加速しており、積極的な設備増強によってデータセンター関連売上の高成長が継続すると期待されます。 -
企業名:インターネットイニシアティブ (IIJ, 3774)
(今泉注:同社サイトにある優れた資料→最近よく聞く「データセンター」ってなに? eng-blog.iij.ad.jp)
選定理由: 自社で大規模データセンターを運営するIIJは、需要拡大に備えて千葉県白井市の「白井データセンターキャンパス」において2023年7月に第2棟の運用を開始するなど設備増強を進めています。iij.ad.jp -
企業名:ミライト・ワン (1417)
選定理由: 通信インフラ工事大手のミライト・ワンは、データセンター建設ラッシュの恩恵を受ける周辺企業として注目されています。発電設備や通信設備の設置工事を手掛ける同社は、生成AIの普及によるデータセンター需要拡大で商機が拡大するとみられ、2025年以降も関連案件の増加による売上成長が期待されます。実際、業界誌の分析でもデータセンター需要拡大を捉えた有望株として名前が挙がっており、大規模設備投資案件の増加を背景に成長率が高まる見通しです。 -
企業名:三井不動産 (8801)
選定理由: 日本を代表する不動産ディベロッパーである同社はデータセンター開発に積極参入しています。2024年には国内で新たに8物件の大規模開発を決定し、累計総投資額は約1兆2,000億円規模に拡大しました。特に東京都心型データセンター事業を強化しており、既存3拠点に加えて「日野DC計画」「相模原DC計画」といった新データセンター開発を決定。データセンター用地・施設開発への大型投資により、賃貸収入などデータセンター関連事業の成長率が極めて高くなると見込まれるため選定しています。 -
企業名:大和ハウス工業 (1925)
選定理由: 建設・不動産大手の大和ハウスは、自社ブランド「DPDC(ディープロジェクト・データセンター)」を立ち上げデータセンター開発を事業の柱の一つに据えています。千葉県印西市で東京ドーム約6個分の敷地に14棟・延床33万㎡にも及ぶ日本最大級のデータセンターキャンパス開発(DPDC印西パーク)を2025年までに進めており、この実績を活かしてデータセンター事業をさらに拡大する方針です。政府の地方分散型データセンター整備の動きにも呼応し、大規模な設備投資計画を背景に関連売上の飛躍的成長が期待されます。 -
企業名:シーイーシー (9692)
選定理由: 独立系IT企業のシーイーシーは首都圏や大分県でデータセンターを運営しており、需要拡大に合わせ施設拡張を進めています。2024年2月から千葉県に「ハイブリッドクラウドセンター」、東京都内に「東京第三データセンター」を新設開業する計画で、これにより提供容量が大幅に拡大します。実際、生成AI需要を背景とした長期大型案件の受注が増えつつあり、2024年1月期第2四半期末時点の受注残高は前年同期比14.9%増と高水準です。データセンター関連売上の高成長とそれを支える積極投資が顕著なため選定しました。
参考文献・出典:
- ロイター通信 「フジクラ、通期業績予想と配当を上方修正 今期3回目」(2024年11月10日)
- 株探ニュース 「前日に『買われた株!』総ザライ」(2024年2月11日)
- 住友電工 2024年度中間決算説明会資料(2023年11月)sumitomoelectric.com
- 東洋経済オンライン 「NTT『AI需要爆発』でデータセンターに巨額投資」(2023年6月6日)
- 東洋経済オンライン 「ソフトバンク『巨大AIデータセンター』構想の全貌」(2023年11月13日)
- さくらインターネット 2025年3月期 第2四半期決算説明資料(2023年10月)
- IIJプレスリリース 「IIJ、7月から『白井データセンターキャンパス』2期棟の運用を開始」(2023年6月8日)
- みんかぶ 「新春3大テーマを追う(2)AI・データセンター」(2024年1月4日)
- 三井不動産ニュースリリース 「『三井不動産ロジスティクスパーク』新事業戦略を策定」(2024年7月11日)
- 三井不動産ニュースリリース (上記資料の抜粋)
- 大和ハウス工業 IR資料 「DXの進展を支えるデータセンター事業」(2023年)
- Data Center Café 「シーイーシー、首都圏のデータセンター2拠点を開設」(2023年8月29日)
- 株探ニュース 「生成AIと国策で覇道突き進む、『データセンター』関連株総ざらい」(2023年10月18日)