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リサーチのプロとして長いこと歩んできた今泉大輔です。ChatGPT出現以降、Facebookで「ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探って行く勉強会」を立ち上げ、「ビジネスパーソンにとってのAI」の観点で米国情報を収集して来ました。知的アウトプットの質と量を向上させるプロンプトの開発にも取り組んでいます。

国連系のPPP普及啓蒙機関 - UNECE International PPP Centre of Excellence

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前投稿のUNESCAPがアジア太平洋地域をカバーする活動を行っているのに対し、国連で欧州の経済活動を促進するUNECEの中にあるInternational PPP Centre of Excellenceでは世界全域を対象に活動しています。世界全域を対象にする機関が過去の経緯からたまたま欧州のUNECEに置かれたようです。

UNECEでは2007年にPPP Team of Specialistsというチームを設け、加盟国の政府に対してPPPの支援を行い始めました。2009年にPPPの普及啓蒙の出先事務所として、International PPP Centre of Excellenceを世界に複数置くことが決まっています。

ここが行っているのは、
1) PPP政策のベストプラクティスの導入支援
2) PPPが成功を収めるためのノウハウ共有
3) 政府担当者がPPPインフラ案件を組成するための「キャパシティ」づくり
となっています。

すでに、サウジアラビアに上水道および下水道分野を対象にしたPPP Specialist Centre、マレーシアにサステイナビリティを対象にしたPPP Specialist Centreの設置が決まっています。

また、インドでは道路分野、韓国では電力分野、フィリピンではヘルス分野、ギリシャでは港湾分野、トルコでは空港分野のPPP Specialist Centreの設置が検討されているそうです。UNECEではこれ以外にも各国が手を上げて(資金を拠出して)同種のセンターを設けることを奨励していますので、日本も何かのセンターを設けるのはどうでしょうか?

UNECE International PPP Centre of Excellenceが提供している政府関係者用PPPのガイドラインには、"Guidebook on Promoting Good Governance In PPPs"があります。

これは各国政府においてPPPに取り組む際に必ず生じる課題を1つひとつ説明し、解決の方策を述べています。PPPの全体像を理解した上で、制度整備に向けて実際に動き出す際に役に立つ内容のようです。

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