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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

Twitter起業エコノミー(1) - 最初の顧客はどう生まれるのか?

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昨年12月後半から、Twitterでユニークな活動をなさっている方々多数と出会いました。忘新年会だったり勉強会だったりイベントだったり…。それによってTwitterを核にした集客の定番パターンが見えてきたように思います。また、遅ればせながら以下のTwitter本5冊に最近目を通しました。その内容も参考にしながら、Twitterによって可能になりつつある新しいタイプの起業について、少し時間をかけながらまとめてみます。

■Twitterで潜在顧客の「買うリスク」を軽減できる

まず大前提として確認しておきたいこと → 商売は顧客がいなければ売上はゼロだということです。起業を考える人は、大きな事業であれ小さな事業であれ、すばらしい前途を思い描くものですが、そのイメージが成るも成らないも、すべては顧客の存在いかんに関わっています。
起業する時は、誰もが顧客ゼロの状態から始まります。ゼロが10になり、10が100になっていくには、未だ顧客ではない人たち(以下、潜在顧客)の1人ひとりに商品・サービスの価値がきちんと伝わり、お財布を開いてもらうことが必要。しかし、これがなかなか簡単ではないです。

リスクは潜在顧客の側にあります。潜在顧客の方々は、お財布を開くのに先立って、「まだほとんど買った人がいないモノ・サービスを自分が人柱になって評価しなければならない」というリスクを冒すことになります。このリスクを乗り越えてもらうことが、なかなか至難の業。

そこで起業家側では、潜在顧客が向き合うリスクをなるべく軽減してあげる必要があります。すなわち、開業当初からそこそこお客さんがいるようにして、潜在顧客がその商品・サービスを買うにあたって「誰も仲間がいない状態」ではないようにしてあげる必要がある…。
しかし、これは考えてみれば大きな矛盾をはらみます。開業当初だからお客さんがいないのは当たり前。けれども、潜在顧客のためには「すでにお客さんがいる」ようにしてあげなければならない。このジレンマをどう切り抜けるか?

一般的に資本力のある企業の場合はこのジレンマを広告宣伝費の投入で乗り切ります。テレビを見ても駅のポスターを見ても「xxxx、新発売!」という情報が躍っていれば、認知も進み、実際にコンビニなどで手にした場合にお財布を開くのは、あまりリスキーな行為ではありません。その企業がすでにブランドを確立した企業であればなおさら。

小資本の起業の場合は、ここでTwitterが大きくものを言います。
起業家はTwitterを活用することによって、前もってブランドを作るまではいかないにせよ、最初に顧客になる可能性のある人たちに「その商品・サービスを買うがリスキーではない」と思ってもらえるような、心理的なつながりを構築することができます。

■@yut403さんのリアルショップで起こっていたこと

Twitterで顧客との良好な関係を取り結んでいる実例に、ジャズを中心にフィンランド音楽のCDを販売している@yut403さんがいます。

@yut403さんはo-moroというネットCDショップを2008年10月から運営しています。私も北欧のジャズが好きなので、たまたま@yut403さんの北欧ジャズ系コメントを見つけて、それからフォローするようになりました。
その後、o-moroが提供しているユニークなサービス、o-moro SANOMAT(何が届くか分からない?フィンランド音楽ニュースレター!)に加入し、毎月1枚@yut403さんがセレクトするCDを送ってもらっています。1月には好みの渋いピアノ(Samuli Mikkonen)がいただけたので大満足です。

今年1月の週末に渋谷区東でフィンランド政府観光局に関係したイベント「フィンランドカフェ」が開催されました。ここに@yut403さんはCDショップのブースを持ち、ふだんはネット通販でだけ販売しているCDを出品しました。彼にとっては初めての試みです。

このリアルショップにお客さんが続々とおしかけたのです。数で言えば数百数千という具合には行きませんが、それでもフィンランドカフェが開催される週末の都度、Twitter経由で知った彼のフォロワーを中心に三々五々、彼のブースを訪れ、実際にCDを買った人もたくさん出たとのことでした。
私も行き、たまたまかかっていたフリー系のジャズを1枚予約しましたw。

ここにある要素を、やや無味乾燥になりますが分解してみると以下になります。

  1. @yut403さんをフォローしている人たちは、彼がフィンランド音楽専門のネットCDショップを運営していることを知っている。
  2. 一部のフォロワーはそのCDショップからすでにCDを買っている。
  3. 大多数のフォロワーは@yut403さんがフィンランドカフェでリアルなCD販売を行うことを知った。
  4. 週末に時間の余裕があり、@yut403さんに会って見たいと思う人たちが彼のショップを訪れた(一種の軽いオフ会状態)。
  5. そこにリアルな@yut403さんがいた。
  6. たくさんのフィンランド系CDが並んでいるのを見た。それらのCDやそのショップに対する心理的な障壁はまったくない状態。
  7. @yut403さんと「何がいいんですかねー」的な会話を交わす。
  8. 自然とお財布が開く。

こういうことが起こっていたわけです。

@yut403さんのリアルCDショップでCDを買った人たちは、@yut403さんにとって初めてのリアル店舗顧客であったにもかかわらず、さも自然なことのようにCDを買って行きました。こういう喜ばしい事態がなぜ起こったのか、よく吟味してみる必要があります。

以下続く。

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