アーティスト本人による音楽配信
節操がないのでクラシックもそこそこ聞きます。ジャズピアノを聴いている耳には、グレン・グールドの「ゴールドベルク協奏曲」はじめバッハの各作品がかなり心地よく聴けると思います。個人的にはキース・ジャレットなんかより数倍よいと思う。
フリージャズが好きな耳には、シェーンベルクとかヴェーベルンとかもしっかりと入ってくるはずです。たまに聴くと、隙のないシリアスな構築的な音空間がたまりません。
本日、BGMがわりにポリーニの「ストランビンスキー:ペトルーシュカ、プロコフィエフ:ソナタ第七番、ヴェーベルン:変奏曲…」(グラモフォン)が入っているCDをかけていたら、一番最後に入っているブーレーズのソナタ第二番がものすごくいけるということに気付きました。はんぱでないよさです。
iTuens Music Storeの試聴用ファイルが見つかったので、以下に四楽章分リンクしときます。一、二、三、四。雰囲気がおわかりいただけると思います。
インターネットでつくづく感心するのは、こうしたブーレーズのマイナーなピアノ曲に関して、少し検索してみると、相当な情報が集まるということです。
指揮者ブーレーズはすごく有名ですが、作曲家としてのブーレーズがどこでどんなことをやっていたか、普通は知りません。けれども、少し検索してみると、ブーレーズは作曲家としてスタートしたということ、メシアンの弟子であったこと、かなり本気度の高い現代作曲家であったことなどを説明しているページがいくつもあることがわかります。さすが日本。文化大国。
最近、ブーレーズがお墨付きを出した若い演奏者によるソナタ第一番~第三番のCDが出たというので、折を見て聴いてみたいと思いますが、知って感激だったのは、鈴木貴彦というピアニストが存在しており、彼が、自分のコンサートで弾いた曲をストリーミングで提供しているということ。
音楽配信の形態はまだまだ揺れ動いていくと思いますが、こういう作り手本人による試みほど心躍るものはありません。