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2014年クラウド展望(14)インダストリー分野の活用(B to C編)

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クラウドサービスの普及に伴い、特にIaaSレイヤのサービスはコモディティ化し、競争の主戦場やPaaSレイヤの上位サービスや、各インダストリーを想定したサービス提供に軸足が移りつつあります。

クラウドサービスの利用は、これまでは開発用の基盤やWebサイトやECサイトなどでの活用が中心でしたが、ここ1,2年で活用の対象範囲にも広がりを見せています。

ゲームにおけるクラウド活用

ゲーム業界では、gumiなどに代表されるようにソーシャルゲームの基盤としてクラウドサービスが活用されています。ソーシャルゲームは最初の立ち上げ時や時間帯や時期、人気の度合いによって、利用頻度が激しく、また大量のアクセスにも耐えられるための柔軟性の高い基盤として、クラウドの活用が進んでいます。

クラウドサービスを活用した運用自動化の動きも進んでいます。エクシード社は2013年9月25日、バンダイナムコスタジオ社のゲーム基盤に、クラウド導入から運用までトータルにサポートするマルチクラウドマネージドサービスが採用されたことを発表しました(ニュースリリース)。

今回のゲーム基盤では、運用自動化ツール「Chef」をベースとしたシステム運用自動化フレームワーク「cloudrop」と、NTTコミュニケーションズのクラウドサービス「Bizホスティング Cloudⁿ」を採用しています。「cloudrop」の利用により、クラウドサービス上で動作するシステムに対する可視化・効率化を進め、システムの品質向上とともに、サービスの水平展開などが可能になります。

最近ではクラウド事業者とゲーム会社との提携も進んでいます。IDCフロンティアは2013年12月にグルーヴノーツとKLabとの提携を発表しています(グルーヴノーツとの提携リリース)(KLabとの提携リリース

ゲーム業界では、アプリケーションの高機能化に伴い、データベースやストレージ、高速I/O、ビッグデータ活用基盤、レイテンシを軽減するサービス(構成)など、さらなる広がりを見せるでしょう。

また、マイクロソフトやソニーがクラウドゲーム戦略を発表しているように、ゲーム自体のクラウドゲーミング・プラットフォームとしてサービスが提供される流れが加速すると考えらます。ソニーのplayStation用のプライベートクラウド環境にOpenStackを採用したという記事もあるように、この流れは加速することが予想され、デバイスを含む業界構造も大きく変わって来る可能性あるでしょう。

デジタルマーケティングのクラウド活用

企業のマーケティング戦略の重要なアプローチとしてWebサイトの設計があります。商品販売時期、キャンペーン、テレビでの放送など、イベントやアクセスに応じて柔軟にリソースを変更していく必要があり、これらに対応するシステム環境としてクラウドの活用が重要視されています。さらに、ビッグデータ分析によるマーケティングの機会も増えており、データ分析などに膨大なリソースを必要とする場合があります。こういった場合においてもクラウド活用のニーズは高まっていくでしょう。

IOT、M2Mでのクラウド活用

IOT(Internet of Things)やM2Mに代表されるように、様々なデバイスがインターネットにつながり、膨大なセンサーデータなどを蓄積します。これらのデータを蓄積・分析、処理などを行い、サービスとして提供していくための基盤が必要となり、IOTやM2Mの進展に伴いクラウドのニーズは増加していくでしょう。

さらに、ウェアラブルデバイスや自動運転車、ロボットなど、マシン自体がインテリジェンス化されることで、クラウドとつながり、サービスを提供する機会も増えていくでしょう。

 

以上、ゲーム、デジタルマーケティング、IOTなどを中心にB to C市場におけるクラウドニーズについてまとめてみましたが、ソーシャルやモバイル、動画コンテンツや電子書籍など、様々なデジタル化の動きに伴い、クラウドを活用する機会は益々加速化していくことになるでしょう。


 

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