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2014年クラウド展望(5)クラウド・ブローカーの選択肢

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クラウドビジネスの進展に伴い、クラウドサービスを提供する事業者の優劣がついていく中で、自社がクラウドサービスを提供するのではなく、クラウドサービス事業者のサービスを仲介し、ユーザに提供する「クラウド・ブローカー」としての役割を展開する事業者も出てきています。

米デルは2013年12月12日、米マイクロソフトのWindows Azure、米グーグルのGoogle Cloud Platformの提供について発表しました(関連記事)。

米デルは、プライベートクラウドについてはOpenStackを採用し、パブリッククラウドでは主要な複数のクラウドサービス事業者と連携し、デルが提供するクラウド管理ツール「Dell Cloud Manager」で複数のクラウドサービスを統合管理できる環境を提供していきます。

デルは、当初、自社によるパブリッククラウドサービスの提供と強化を進めていましたが、複数の他社のクラウドサービスをクラウド・ブローカーとして仲介して再販することで、顧客ニーズに合わせたサービス提供を行うとともに、導入に関わるコンサルティングや、クラウド・インテグレーション、自社の関連製品の販売などに力をいれるようになっています。

日本における取組みもご紹介したいと思います。

NTTデータは2013年10月8日、複数クラウド基盤の統合管理・運用をサポートする「クラウドブローカーサービス」の提供の開始を発表しました。「クラウドブローカーサービス」の「マルチクラウドインフラ提供サービス」では、NTTコミュニケーションズが提供するパブリッククラウド「Bizホスティング Cloudn」に対応した「BizXaaS プラットフォームサービス Flex-C」とAWSに対応した「BizXaaS プラットフォームサービス Flex-A」を提供しています(ニュースリリース)。

【図】
出所:NTT データ ニュースリリース 2013.10.8
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2013/100800.html

NTTデータではクラウド・ブローカー関連ビジネスで2015年度末までに100億円の売上規模を目指しており、顧客のニーズに柔軟に対応可能なサービス展開を強化しています。

SCSKは2014年1月6日、ハイブリッドクラウド対応クラウド制御ソフトウェア「PrimeCloud Controller」が、新たにマイクロソフトが提供するWindows Azureに対応したことを発表しました(ニュースリリース)。SCSKでは、Windows Azureの販売目標をPrimeCloud Controllerを使わないケースを含め3年間で200社の販売を目標としています。

SCSKの「PrimeCloud Controller」は、これまで自社が提供するクラウドサービスのUSiZEを含め、AWS、NIFTY Cloud、VMware、CloudStack、IDCフロンティアクラウドサービス、NTT Com のCloudnに対応しています。

SCSKは、これまでAWSのパートナーとしてAWSのクラウド環境の構築サービスとサポートをメニュー化した「USiZEパブリッククラウドモデル」を提供してきましたが、「PrimeCloud Controller」の機能拡充とクラウドサービスの対応を増やすことで、クラウド・ブローカーとしてハイブリッドクラウド環境の構築支援を行う事業者としても力をいれてきていると考えられます。

今後は、競争力のあるクラウドサービスを複数仲介するクラウド・ブローカーとして、ユーザに対して最適なクラウド環境を提供することで、お客様へのコンサルから周辺ビジネスの展開までをトータルに展開するクラウド・ブローカー関連ビジネスが注目されていく年になるのではと考えています。

 

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