【2008年】テレビ2.0を振り返る
12月31日は、NHKの紅白歌合戦があります。視聴率も年々低下傾向にありますが、視聴者のスタイルが大きく変化しているのも理由の一つに考えられるでしょう。
この1年間書いてきた「テレビ2.0」を中心に少し整理をしていきたいと思います。
1月9日に、「松下のYouTube対応TVで進む放送・通信の融合、そして放送メディアとCGMの歩み寄り」を書かせていただきました。テレビでYouTube対応をさせるようになったのは一つの変化だったと言えるでしょう。また、1月16日に書いた「放送とソーシャルネットワークの融合」では、ワンセグとSNSの融合等、放送とソーシャルネットワークの融合が進んでいることを紹介させていただきました。3月12日に、「ソーシャルテレビの可能性」を書かせていただきましたが、テレビの双方向性は今後さらに進んでいくことになるでしょう。
1月20日に、「NHKの今後の改革、そして技術力とコンテンツに期待」を書かせていただきましたが、NHKのインサイダー取引でバッシングを浴びた時期でもありました。NHKはこの時期に事業計画を発表しています。NHKの技術力とこれまでのコンテンツの蓄積は他社の放送局を圧倒しているため、NHKの改革の方向性が注目されるところです。
2月26日に紹介させていただいた「未来予測は集合知で・・ テレビドラマ視聴率予測編」では、“集合知”の力は、未来予想においても“案外正しいらしい”ようで、ブログの投稿の傾向から視聴率を判断する技術が開発されています。
3月22日に、「メモ:NHKスペシャル 放送記念日特集「新動画時代 メディアが変わる」」を書かせていただきましたが、NHKが3月21日、放送記念日特集にNHKスペシャル「新動画時代 メディアが変わる」を放送しました。YouTube等の動画投稿共有サイトが広がり、情報の発信者と受信者が混在する中で放送事業者としてのあり方を考えていく内容のものでした。NHKが自ら放送し、提言することで反響がかなり多かったと思います。
この時期に、テレビに関する本も読んでみました。「IPTV革命」や「テレビ進化論 ~映像ビジネス覇権のゆくえ~」の2冊は大変興味深い内容で、将来のテレビの方向性を理解するには大変勉強になった本でした。
5月20日には、「2015までに実用化されるテレビとは?」を書かせていただきました。これまでパソコンや携帯電話の進化が著しく、テレビは液晶等の薄型が進み、ネットワークとの融合に遅れが目立ちましたが、2015年までには、検索することが当たり前のようになる等、より双方向性の高いテレビへと進化していくことになるでしょう。
ただ、8月6日の「テレビの存在感」でも書かせていただきましたが、テレビの存在感がパソコンや携帯電話と比べて薄れてきているのは否めません。
11月29日に、「テレビの映像も検索できる時代になるで書かせていただきましたが、NTTぷららとデータスタジアムとマイクロソフトは、NTTぷららのIPTVサービス「ひかりTV」のサイト上で、マイクロソフトの「Silverlight2」を使い、RIA(Rich Interactive Application)サービスを構築し提供することを発表しています。具体的なサービス内容は、トライアル段階ですが、サッカーの試合の映像から見たいシーンをすぐに呼び出せる検索サービス「ひかりTV Play on search for soccer」を開始しています。
これまで放送した中から見たいシーンだけ検索できるといったことが当たり前のようになっていくかもしれません。
2008年は、テレビが変化しようと様々な試みを始めた年だったと言えるでしょう。2009年は、テレビが本格的にネットワークと接続し、よりインタラクティブな次世代テレビへの進化していく年になるのではないでしょうか。