IPTV革命
2008年3月31日にNTTのNGNの商用サービスが始まりました。NGNと同時にNTTぷららの次世代型のインターネットテレビ(IPTV)の新サービスとして「ひかりTV」の提供も開始となりました。
先日「IPTV革命(日経BP社」が発売されました。IPTVは「放送のデジタル化」、「放送と通信の連携(融合)」における目玉サービスであり、新たな産業革命と読んでもおかしくなくインパクトがあるとしています。
そのインパクトとは、
- NOD(NHKオンデマンド)が始まる
- 民放放送事業者の本格的な再編が始まる
- 地上デジタル放送のIP再送信がスタート
を主にあげています。
NODを提供する場合、これまでの受信料との棲み分けの検討は必要ですが、全国あまねく提供していることもあり、民放放送事業者と比べて、「見逃し番組」の提供のハードルは低いとしています。
そして、ポイントとなるのは地上デジタル放送のIP再送信(以下IP再送信)です。「条件不利地域」へのIP再送信については、文化庁、通信事業者、そして放送事業者の間で、重視するポイントや考え方が異なっており、今後制度面等においてさらなる整理が必要になってくるでしょう。
そして、IPTV普及のポイントは、サーバの負荷や日本のブロードバンド環境から、(著作権処理は難しいが)ダウンロードサービスが鍵となるとしています。
そして、コンテンツの二次利用以降の配分の整理、そしてIPTVの標準化を進めていくことです。そして、何よりも大切なのがユーザ視点のコンテンツの魅力です。本の中では、地上放送事業者がつくった番組を使うことばかりを考えずに、また、テレビ番組の枠にとどまらず、通信事業者自身が「IPならでは」のコンテンツ政策に挑戦していくことが必要であると何度か強調をしています。
IPTVの普及にあたっては、再送信の方法や著作権管理、そして事業者間との調整、制度面の整理など、まだまだ整理すべき事項は多くありますが、2008年はIPTVが離陸する年であることは間違いないでしょう。これまでパソコンや携帯電話と比べて大幅に遅れをとっていたテレビですが、IPTVの本格的な離陸により、テレビの新しい進化が見られることになるのかもしれません。
※訂正
地上派デジタル放送のIP送信も夏以降に始まりそうです。という内容の記事を書いていましたが、5月9日に既に開始しております。訂正いたします。