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テレビ進化論 ~映像ビジネス覇権のゆくえ~

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パソコンでYouTubeやニコニコ動画等、消費者の動画投稿共有が当たり前の時代になりました。

「放送と通信の融合(連携)」という議論も数年前から議論されていますが、Web2.0の流れが加速し、家電の進化やNGNによる通信の進化が見られる一方で、放送と通信の融合や連携においてはあまり進展か見られないのが現状です。

「テレビ進化論」ではテレビ番組の利用法には、

  1. コンテンツそのものは変わらず、ただ視聴方法が変わる変化
  2. コンテンツそのものが私たちの創造力によって変化

二つの次元があるとし、映像コンテンツ視聴方法の変化が生む新しいテレビシステムを「次のテレビ」と呼び、その方向性について考察しています。

そして、放送と通信の融合が進展していない理由として、

家電メーカー、通信事業者、地上派デジタルテレビ放送局がそれぞれ重視するポイントや思惑に差異が生じることがあげられています。また、テレビ産業界特有の“ギョーカイ”の体質や著作権の問題等も指摘しています。

この“ギョーカイ”の体質改善には、

  1. ギョーカイ外のとの関係性の確立(つまり、オープンな環境)
  2. 著作権の処理と流通のコンテンツ流通の仕組みの確立
  3. 人材基盤の確立

の3つがあげられており、特に2番目の著作権はきちんと処理し、「次のテレビ」で流通可能なコンテンツをつくる慣行を確立すること、つまり、著作権を集中管理・分配型の仕組みをつくることが重要であるとしています。そして、そのことで、コンテンツプールを生み出す前提であり、ロングテールビジネスを可能にする前提であり、ひいては「次のテレビ」がシステムとして立ち上がる前提でもあるとしています。

そして、「次のテレビ」が利用者の消費行動を分析するメカニズムをきちんと備えていることが重要で、個人の視聴情報などをもとに視聴者がほしがるチャネルを編み出すエンジンがあり、ネット上にある多くのコンテンツを使って「マイ・チャネル」を生み出していく検索・マッチング技術の重要性も述べられています。

そして、「次のテレビ」は「テレビの次」を含む「総合情報センターテイメント産業」へ、また、「個人情報活用型プロモーション産業」へと脱皮する可能性を秘めているようです。

そのためにはルール(制度)の確立が必要であり、

  1. 新しい視聴率の定義の明確化
  2. 個人情報の流通範囲の拡張
  3. コンテンツ産業の国際化

の3つの政策の視点が必要であるとしています。

最後にテレビ産業界、つまりギョーカイが対応するよりも早く、グーグル・ユーチューブ連合のようなネット上のプラットフォーム事業者が先ほど述べた二つの次元を同時に解決するような連携策を講じてくるかもしれないとし、そのときには家電メーカーやテレビ局の収益構造は解体されるかもしれないと述べられています。

家庭の中のリビング端末として欠かせないテレビが今後どのような進化を遂げていくのかこれからが注目です。

※訂正
地上派デジタル放送のIP送信も夏以降に始まります。という内容の記事を書いていましたが、5月9日に既に開始しております。訂正いたします。

 

 

 

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