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NHKの今後の改革、そして技術力とコンテンツに期待

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NHK職員のインサイダー疑惑で、NHKへの抗議電話は殺到し、批判の嵐にさらされています。報道機関の倫理が今改めて問われようとしています。

 
小さい頃や学生の頃はほとんどNHKを見ることもなく、NHKに触れるのは、父親のニュース番組や大河ドラマ、そして母親の朝のドラマを横からチラッと見るくらいでした。

 
数週間前、大学時代の友人と食事をした際に、たまたまNHKの話が話題になりました。30代半ばになると、他の放送局のニュース番組よりもNHKのニュース番組を見るようなったという話です。30歳にもなると自分自身の知見と判断力もついてきているので、ニュース番組に出ている評論家やコメンテーターの意見を聞くよりも、客観的にニュースを提供してくれるNHKを自然と見るようになったというのが友人との共通の認識でした。

 
それぞれの意見は、ブログやSNS等に様々な立場の人が様々な意見を述べているので、もっと広い視点で個々の出来事を捉えるのであれば、NHKで客観的な情報を見て、インターネットで自分の考えを整理するというのが自分自身のスタイルとなっています。

 
NHK
を見るようになったといっても、インターネットの普及に伴い、好きな時に好きな情報にアクセスできる環境が整い、最近はテレビを見ることが少なくなりました。また、テレビは子どもたちや家内に譲っているというのも見なくなった原因の一つです。テレビが一方的に番組を提供するという流れは、今の時代にはなじまなくなりつつあるように見受けられます。

 
NHK
のインサイダー取引疑惑が発覚した17日の1日前の16日に、NHKは2008年度の収支予算と事業計画を発表しています。放送技術の研究費を79億円(前年度比32.6%増)に増額し、特に現行のハイビジョン映像の16倍の画素数を持つスーパーハイビジョン(SHV)の研究費を18億円(前年度3倍)に拡充しています。そしてワンセグの受信機の開発等にも取り組むようです。

 
そして、地デジ再送信と言われる放送済みの番組の有料インターネット配信事業の強化も盛り込んでいます。地デジ再送信が実現されれば、好きな時に好きなNHKのテレビ番組を見ることができるようになります。

 
このような技術開発や地デジ再送信も、2年連続の受信料回復を見込んでいるのが前提です。今回のインサイダー取引疑惑により、受信料の支払いを拒否する人も増え、収支に大きなマイナスの影響を与えることによって、NHKの事業計画も変更を余儀なくされる可能性は少なからずあるでしょう。

 
通信と放送の融合が時代の潮流になりつつあります。NHKが魅力のあるコンテンツの提供と最先端の技術開発の取り組むことによって、好きなときに好きなNHKのテレビ番組を自宅で見ることができ、外出先でも好きな場所でワンセグ端末を使ってNHKのテレビ番組を見ることも実現できるでしょう。

 
NHKの今回のインサイダー取引疑惑の不祥事は大きなマイナスとなるのは間違いありません。橋本元一会長は、1月4日の職員向けの年等挨拶で「改革が進んでいない、という根拠のない批判には憤りを感じる」などと発言し、改革が進んでいることを強調していましたが、今回でまた逆戻りした感はあります。NHK経営委員会の今後の舵取りも注目です。


バッシングマーケティングという手法もあるように、今回の不祥事に対して誠意をもって対応し信頼回復につとめ、さらなるNHK改革の契機として、社員の倫理意識を高めるとともに、技術開発に取り組み、消費者側にとって魅力のあるコンテンツと魅力あるサービスを提供してほしいと一消費者として期待しています。

 

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