社内Web2.0導入の大きな壁(5) --提供者と利用者編
“エンタープライズ2.0”に関する特集があちこちで組まれるようになってきており、社内に社内SNSやイントラブログそしてWiki等のWeb2.0のツールを社内に導入しようという動きが始まっています。しかし、提供者側の思惑と利用者の意識にギャップが見られるような気がしています。
先行するコンサル会社やベンダ
「エンタープライズ2.0時代の到来:“2.0”は企業内コラボの特効薬なのか」の記事にも紹介しましたが、コンサル会社や調査会社が社内にWeb2.0を導入することの必要性を説いており、またベンダにおいてもWeb2.0対応の製品を投入してきています。コンサル会社にとっては新たなコンサル機会の獲得、そしてベンダにとっては製品の機能拡大や新製品の販売等で市場の拡大を図ることができる有望な市場とされています。
まだ乗り切らないユーザ側の意識
「(3) --世代間のギャップ編」にもご紹介しましたが、管理職や経営幹部の意識はWeb2.0の導入にそれほど高い数値を示していません。また、「社内SNSやイントラブログは仕事に役立つのか?」にも書いたようにある調査によると“社内SNSやブログは仕事に役にたつのか?”という問いに対して、“まったく思わない”と“あまり思わない”を足すと64%という数値になっています。
以上のことから、提供者側は市場を活性化しようとしていますが、利用者側はまだ盛り上がりに欠けているのが現状かと思われます。
「(2) --キャズムの法則編」でも述べていますが、アーリー・アドプターからアーリー・マジョリティに広がるかどうかというところにキャズム(深い溝)があります。キャズムを乗り越える足がかりを見つけ、そして利用者側と提供者側の需要と供給が一致したとき、社内のWeb2.0の導入の動きが本格的に動きは始めたと言えるのではないでしょうか。
■関連サイト
社内Web2.0導入の大きな壁(1) --セキュリティ編 (2007.8.16)
社内Web2.0導入の大きな壁(2) --キャズムの法則編 (2007.8.17)
社内Web2.0導入の大きな壁(3) --世代間のギャップ編 (2007.8.19)
社内Web2.0導入の大きな壁(4) --人事評価編 (2007.8.20)
社内Web2.0導入の大きな壁(5) --提供者と利用者編 (2007.8.21)
社内Web2.0導入の大きな壁(6) --超えられない電子メール編 (2007.8.22)
社内Web2.0導入の大きな壁(7) --Web2.0的トラフィック編 (2007.8.23)
社内Web2.0導入の大きな壁(8) --集中型と分散型の葛藤編 (2007.8.24)
社内Web2.0導入の大きな壁(9) –-まとめ編 (2007.8.26)