オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

社内Web2.0導入の大きな壁(6) --超えられない電子メール編

»

電子メールが一般的に普及するようになったのは、インターネットが普及する初期の段階であり、企業のコミュニケーションツールとして利用されるようになってから既に10年以上の月日が経っています。現在も企業の多くは、電子メールを様々な業務に利用しており、コミュニケーションインフラとして欠かせない存在になっています。


電子メール利用の憂鬱

一方、フィッシング等のスパムメールやウイルスメールそして、メルマガから社内の重要な情報等、様々なメールを1日に受信することでしょう。重要なメールもスパムメールフィルタにひっかかったという事例も良く聞きます。夏休み等長期休暇明けに溜まったメールを見るのはかなり憂鬱なものです。また、小林啓倫さんのテーマ「メールシェルター」に“仕事中のメールはストレスのもと”とあるように、電子メールはプレッシャーを感じる存在にもなっているのです。


電子メールに変わるのがWeb2.0

その電子メールの文化を変えるツールとして注目を浴びているのが、Web2.0です。既にコンシューマの世界では、10代、20代を中心にmixi等のSNSを連絡手段としてのコミュニケーションツールとして利用するようになっています。

また、社内に社内SNSやブログそして社内Wiki等を導入することにより、電子メールの数を劇的に削減できたという事例も出てきています。欧米のある企業では、75%のメールを削減することができたようです。また、メールと違って過去に共有した情報も簡単に検索することができます。また電子メールの誤送信によるセキュリティインシデントも多発していますが、そういったことも少なくなるでしょう。

 
創造的破壊が必要かもしれない

10年以上もの長い期間、多くのビジネスパーソンが電子メール文化を経験し、既にコミュニケーションインフラとして定着しています。そのため、電子メールに変わって社内SNSやイントラブログそしてWiki等のツールを利用するということには、現実難しいでしょう。社内にWeb2.0を普及させていくためには、積極的にWeb2.0のツールを導入し活用するとともに、電子メールの利用を意識的に減少させ、情報の長期的な維持と細かな議論ができるような仕組みを創っていくことが必要となるでしょう。

 

■関連サイト

社内Web2.0導入の大きな壁(1) --セキュリティ編 (2007.8.16)

社内Web2.0導入の大きな壁(2) --キャズムの法則編 (2007.8.17)

社内Web2.0導入の大きな壁(3) --世代間のギャップ編 (2007.8.19)

社内Web2.0導入の大きな壁(4) --人事評価編 (2007.8.20)

社内Web2.0導入の大きな壁(5) --提供者と利用者編 (2007.8.21)

社内Web2.0導入の大きな壁(6) --超えられない電子メール編 (2007.8.22)

社内Web2.0導入の大きな壁(7) --Web2.0的トラフィック編 (2007.8.23)

社内Web2.0導入の大きな壁(8) --集中型と分散型の葛藤編 (2007.8.24)

社内Web2.0導入の大きな壁(9) -まとめ編 (2007.8.26)


Comment(4)