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社内Web2.0導入の大きな壁(4) --人事評価編

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社内にWeb2.0を導入すると社員の暗黙知が集合知となり、ビジネスに効果をもたらすとされています。理想はそうなのかもしれませんが、果たしてどの程度実現できているのでしょうか?

 
企業の人事制度

企業の多くでは、人事制度にいて成果主義を導入しています。最近は成果主義偏重が問題視され、プロセス評価やチーム評価等も考慮するようになってきてはいますが、今でも企業の多くは成果主義の人事制度を採用していると考えています。

 
成果主義の利点と問題点

成果主義の利点は、やる気のある社員や成果を出した社員に対しては、高い給与を与えてモチベーションを高めることができるとされています。一方で成果主義の問題点は、成果のために手段を選ばなかったり、チームより個人主義に走ったり、目標設定があいまいになれば、社員のモチベーションの維持が困難になったりすることが考えられます。

 
成果主義中心の企業において、社内にWeb2.0を導入したらどうでしょうか?考え方の一つとして他人に成果を奪われてしまうために、自分の暗黙知を社内にオープンしようとしない社員も出てくるでしょう。また、ライバル部署の社員に知恵やノウハウを共有すると、上司から注意を受けるかもしれません。

 
成果主義中心の企業への導入是非

では、成果主義中心の企業の社内にWeb2.0を導入することは、無理なのでしょうか?考え方の一つとしてWeb2.0を使うことが自己PR(自分の売り込み)に結びつくことができれば、社員も活用していくかもしれません。例えば、社内SNS等を使って自分のKnow Who機能を充実させて、過去の経歴やプロジェクト経験そして自分の得意領域等を掲載し、自己の業務に関することを発信することによって、仕事をとってくるという取り組みです。社内が縦割り組織になっていれば厳しいと思われますが、横断的にかつグローバル規模でプロジェクトを組むことのできる組織体制であれば、Web2.0を使って自分を売り込むことは有効でしょう。

 
チームそして会社への貢献という気持ち

社内のWeb2.0の導入においては、社内の人事制度や企業文化に少なからず影響を与えることになるでしょう。社員一人ひとりの暗黙知をオープンにして、社員の集合知を創り一人ひとりがチームや会社に貢献していこうという気持ちを持ち、そしてその気持ちをサポートする企業の人事制度のあり方が、今の時代には大切であると考えています。

 

■関連サイト

社内Web2.0導入の大きな壁(1) --セキュリティ編 (2007.8.16)

社内Web2.0導入の大きな壁(2) --キャズムの法則編 (2007.8.17)

社内Web2.0導入の大きな壁(3) --世代間のギャップ編 (2007.8.19)

社内Web2.0導入の大きな壁(4) --人事評価編 (2007.8.20)

社内Web2.0導入の大きな壁(5) --提供者と利用者編 (2007.8.21)

社内Web2.0導入の大きな壁(6) --超えられない電子メール編 (2007.8.22)

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社内Web2.0導入の大きな壁(8) --集中型と分散型の葛藤編 (2007.8.24)

社内Web2.0導入の大きな壁(9) -まとめ編 (2007.8.26)


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