オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

社内Web2.0導入の大きな壁(3) --世代間のギャップ編

»

社内で上司に「社内にWeb2.0を導入したいと」と伝えたときに上司はどのような反応をするのでしょうか?

 
管理者と経営陣の意識

インターネット白書2007」によると、「企業におけるWeb2.0の重要性を認識しているものの、半数以上が具体的な利用計画に至らず」という結果が報告されています。管理職の59%が「会社の収益を増やす機会である」とWeb2.0の重要性を認識しているものの、経営者層の54.1%は「会社の収益に影響はない、または分からない」と答えています。つまり、管理職は必要であると認識していても、経営者層の理解を得るのにハードルが高く導入まで至らないというケースが多いようです。

 
一方、マッキンゼー(McKinsey & Co.)が世界各地の企業経営幹部対象に行ったWeb2.0の意識調査の結果によると、もう一度やり直すことができるとしたら、過去5年間にWeb2.0にもっと投資していたと答えた人は42%、もっと早くから投資していたと答えた人は24%に上っています。

 
日本と世界の意識に若干の違いこそあれ、経営幹部のWeb2.0への導入可否の判断が市場のスピードと比べて遅いということを読み取ることができます。

 

20代が中心のmixi世代

また、若手の意識はどうでしょうか?mixiを少し例にあげてみたいと思います。mixiユーザは既に1,000万ユーザを超えており、2007331日時点でのmixiのユーザ属性は、PC においての年齢層は、1819歳:9.7%、2024歳:33.8%、2529歳:24.7%、3034歳:16.4%、3539歳:8.1%、4044歳:3.7%、4549歳:1.9%、50代以上 1.6%と、20代の合計が半数を超えています。つまり、若手社員の多くは、mixiの利用経験があるということになり、社内SNSを導入したとしても違和感はあまりないでしょう。むしろ積極的に社内でもつながりを重視する世代と考えることができるでしょう。

また、大学においても「日米の大学教育現場におけるWeb2.0の活用事例から見えること」でも記事を書きましたが、大学の教育現場ではSNSWikiYouTubeSecond Life等のWeb2.0の活用が始まっており、もちろんデジタル新世代(ネイティブ)と言われるようにプライベートでの活用頻度も高い状況です。その学生がやがて社会人となっていきます。

 

以上のことから、若手社員と経営幹部との間に意識のギャップと利用経験においてのギャップがあるということがわかります。若い社員は今の企業の電子メール文化に違和感を覚えるケースも出てくるでしょう。20代社員もやがて30代そして40代と企業の中心的な立場となったとき、少数派から多数派となり社内Web2.0の流れは加速し、新たなワークスタイルの形を創っているのかもしれません。

 

■関連サイト

社内Web2.0導入の大きな壁(1) --セキュリティ編 (2007.8.16)

社内Web2.0導入の大きな壁(2) --キャズムの法則編 (2007.8.17)

社内Web2.0導入の大きな壁(3) --世代間のギャップ編 (2007.8.19)

社内Web2.0導入の大きな壁(4) --人事評価編 (2007.8.20)

社内Web2.0導入の大きな壁(5) --提供者と利用者編 (2007.8.21)

社内Web2.0導入の大きな壁(6) --超えられない電子メール編 (2007.8.22)

社内Web2.0導入の大きな壁(7) --Web2.0的トラフィック編 (2007.8.23)

社内Web2.0導入の大きな壁(8) --集中型と分散型の葛藤編 (2007.8.24)

社内Web2.0導入の大きな壁(9) -まとめ編 (2007.8.26)


Comment(0)