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イーロン・マスク Twitter買収 の「本当の狙い」なぜ彼は6兆円でTwitterを買ったか その理由を解説

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Twitterが10月末にイーロン・マスクに買収されてから約2週間が過ぎた。

CEOになったイーロン・マスク、早速幹部全員を首にし、11月4日には全従業員の7500人の半数を対象にしたリストラを敢行した。

もちろん、日本法人も例外ではなく、広報チームはチーム毎クビになったという話もある。

それだけの人間をクビにして会社が、サービスが回らなくなるのではないか?という心配を他所にTwitterのタイムラインは今日も以前と変わらずに流れている。

変わったところで気付いたところといえば、Twitterの検索タブにあったキュレーションコンテンツの更新が止まり、ここ数日でとうとう表示されなくなり、機械的に掲載できるトレンドキーワードやランキングのみの表示になったところや、シャドウバンのようなユーザーに見え難いペナルティが鳴りを潜めたことだ。

Twitter上では、クビになった人たちは本当に要らない人たちだったのではないか?むしろ偏ったキュレーションによるトレンド操作や、個人の主観に基づく恣意的な規制が無くなってむしろTwitter民にとってはそういった人たちが一掃されたことは歓迎すべきという意見も出てきている。

実はTwitterのようなタイムラインSNSを作るのはそんなに難しくはない。

最低限の機能であれば、Ruby on RailsでTwitterのようなものは10分くらいで作ることができる。

参考:Ruby on Railsで10分で作るTwitterもどき

難しいのはスケーラビリティやユーザーにストレスを与えない高速化、セキュリティ、そして、各ユーザーのタイムラインに表示するTweetなどをどう選ぶかのアルゴリズムだ。

優秀なTwitterのエンジニアがこの15年ほどかけて構築してきたそれらの仕組みやブラックボックス化されたアルゴリズムは、コードを書いたエンジニアが首になったとしてもサーバー上で動き続ける。

たとえば、膨大な費用と技術を使って建設した原子力発電所や送電網だって、もし人間が全て居なくなってしまった世界でも暫くは自動運転で電力を供給するだろう。

ただ、それは何もトラブルが起きないことが前提だ。

外的な要因、例えば地震や津波、第三国からの攻撃や破壊工作などでイレギュラーな事象が起きたときには自動停止はするかもしれないが、復旧は人手が無いと不可能だ。

Twitterもそれと同じで、通常のTweetを捌いているだけなら良いが、現在のシステムの諸元を超えるようなトラフィック過多やネットワークトラブルが起きたとき、アルゴリズムの穴を突いたような工作活動が行われたときには、調査や対応のために優秀なエンジニアの手が必要になる。今回の人員整理で、そういったエンジニアや要員までクビになっているということは無いとは思うが、逆にそういった優秀なエンジニアは働き難くなったTwitter社を自分から脱出してしまうのではないかという懸念もある。

まあ、そんなことは優秀なエンジニアでもない、一介のサラリーマンが心配しても仕方がないことだ。

さて、タイトルに書いた、イーロン・マスク氏がTwitterを買収した「本当のねらい」についての話題に移ろう。

なぜ彼は6兆円を超える私財を投じてTwitterを我が物にしたのか?

皆さんは、今年の2月頃にニュースになった彼のことを覚えているだろうか?

当時19歳だったフロリダ州在住のジャック・スイーニー氏。彼はマスク氏のプライベートジェットのフライトを追跡する仕組みを構築し、最新のフライト情報を自動的にbotでTweetする「@ElonJet」というユーザー名のアカウントを運営し、当時既に15万人を超えるフォロワーを集めていた。

「機体追跡アカウント削除して」、マスク氏が19歳に57万円の支払い提案

記事の見出しにもある通り、そのbotが気に入らなかったマスク氏が、5000ドル、当時の為替レートで57万円払うからそのアカウントを消してくれと彼にメッセージしたのだ。

彼の返答は提示額の10倍の50000ドルくれたら削除するというものだったが、それに対してマスク氏はお金で解決するのはやっぱり止めたということで、その後も「@ElonJet」はマスク氏のプライベートジェットの情報を投稿し続けており、現在では50万フォロワーに迫る勢いである。

私はこの事件がマスク氏がTwitterの買収を考えた一つの理由なのではないかと考えている。

しかも、結構大きな位置を占めるのではないかと。

小さな国の国家予算を優に超える資産を持ち、お金で解決できることはほぼ不可能ではないだろうマスク氏、19歳の若造にTwitterというソーシャルネットワーク上でコケにされたことがよほど悔しかったのではないだろうか?

マスク氏とスイーニー氏のやり取りが途絶えたのが2022年の1月19日、Twitterの筆頭株主になったのが4月、同月14日にTwitterに買収提案をしている。そして、その半年後に当初見込みよりも6000億円も高い費用がかかったものの買収は完了し、Twitterはマスク氏のモノになった。

そして、11月12日、次のようなTweetが...


お墓の絵文字に、ボットの絵文字を並べてある。そして、Soonというステータス。

これは「@ElonJet」のようなボットアカウントを全て抹殺してやるというメッセージではないか。

その5日前の7日に、以下のようにTweetしてTwitter上の言論の自由に対して寛容な態度であると、わざわざ「@ElonJet」を例にあげてツイートしてたマスク氏。このおちょくりぶり、粘着ぶりを見る限り、やはりマスク氏の中でスイーニー氏とのやり取りはよほど腹立たしいことであったに違いない。

有識者の皆さんは、マスク氏のTwitterの狙いについて、テスラの自動運転車とのシナジーとか、トランプ氏も絡んだ政治的な意向が強いとか、いろいろ考えられていますが、

もしかすると、

個人的にむかついたんで、botという仕組みごとアカウントを潰してやんよ、という超私怨からの超ド級の無駄使いだったのかもしれません。。

約600万円払えば解決したものを、プライドが許さないでその100万倍以上のお金を使ってTwitterを買収してまで復讐をやり遂げたマスク氏、意外とモチベーションが下がってしまってすぐにTwitterを手放してしまうかもしれませんねw

なお、日本時間2022年11月14日時点では「@ElonJet」のアカウントが削除されたり、更新などが止まっていたりすることはありませんでしたが、WEB版ではついている公式マークが、iOSアプリで見るとついていなかったりと、やや不審な挙動が見られます。

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