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リサーチのプロとして長いこと歩んできた今泉大輔です。ChatGPT出現以降、Facebookで「ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探って行く勉強会」を立ち上げ、「ビジネスパーソンにとってのAI」の観点で米国情報を収集して来ました。知的アウトプットの質と量を向上させるプロンプトの開発にも取り組んでいます。

【NISA成長投資枠】ChatGPTに自分専用の投資の教科書を作ってもらい→教えてもらうプロンプト

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ChatGPTが自分にピッタリな先生になってくれるということは、あまり知られていません。またもっとスゴいことに、自分にピッタリな教科書を作ってくれることは全く知られていません。自分にピッタリな教科書の目次に沿って、自分にピッタリな先生がつきっきりで教えてくれるのです。これが無料のChatGPTで十分にできます

株式投資や投資信託について、ある程度理解している方が、自分専用の教科書を作ってもらうケースで説明します。

まず雑談から始める

ChatGPTは雑談の相手としては最高です。何かの話題を振るとすぐに的確な答えが返ってきます。くだけた口調のやりとりも得意です。時々はユーモアを含んだ受け答えをすることもあります。
最初からプロンプトを打ち込むことはせずに、しばらく投資に関した雑談や、最近の日経新聞の記事の話題などを話してみることをお勧めします。
というのもChatGPTは、少しの雑談・会話の中から、あなたに関する様々な要素を学んで、だんだんと会話をあなた専用に最適化する能力があるからです。あなたについて何も情報がない状況だとごく一般的な回答をよこしますが、ある程度あなたについて理解した後では、自分にピッタリな回答をするようになります。

投資の先生になってもらう場合でも、投資の教科書を作ってもらう場合でも、ある程度投資や経済に関する雑談をした後で、それ用のプロンプトを打ち込んだ方が、はるかに良い内容の回答をくれます。

あなたにピッタリな投資の教科書を作ってもらうためのプロンプト

以下は、株式投資にある程度理解があり、投資信託も大体知っているという方が、自分にピッタリな投資の教科書を作ってもらうためのプロンプトです。実際に使う時には、自分に合うように内容を変えて打ち込んでください。
ChatGPTを使う時のコツ。何かを提案させる場合は、「これこれの条件を満たす提案を3つ作成して下さい」というような、複数の提案をさせるプロンプトにすると、非常に興味深い提案が上がってきます。

[プロンプト]

私は株式投資については大まかな知識はあります。また、投資信託についても大体はわかります。私が新NISAを使って私にピッタリな株の銘柄や投資信託を選ぶことができるようになるために、私専用の投資の教科書を作ってもらえますか?
アプローチが異なる3つの教科書の目次を提案してください。

無料のChatGPTに上を打ち込んだところ、以下の3つの教科書の目次が出来上がってきました。1つひとつ見ていきましょう。

ファンダメンタルズ重視の教科書

アプローチ1:ファンダメンタルズ重視(企業価値と市場分析)アプローチ
はじめに:新NISAの全体像と魅力

1. 新NISA制度の概要とメリット
投資の基本概念と目的設定
投資環境の理解:株式市場と投資信託の基礎知識

2. 株式と投資信託の違い・特徴
市場のサイクルとマクロ経済の影響
企業分析の基本:財務諸表と業績評価

3. 財務諸表の読み方と主要指標
企業価値評価の基本モデル
業界・セクター分析:成長性とリスクの見極め

4. 各業界の特性と今後の展望
投資先選定のためのセクター比較
投資信託の評価方法と選定基準

5. 運用成績、手数料、リスク指標の比較
ファンドマネージャーの評価ポイント
ポートフォリオ構築の戦略

6. 分散投資とリスク管理
バランスの取れた資産配分法
実践編:ケーススタディと銘柄選定シナリオ

7. 実際の企業・ファンド分析事例
シナリオ別の投資戦略の立案
長期投資とポートフォリオのモニタリング

8. 定期見直しとリバランスの方法
市場変化に応じた戦略調整
まとめと今後の学習ステップ

9. 自身の投資哲学の確立
さらなる知識・情報収集の方法

↑これは、かなり硬い感じがする教科書です。正統派中の正統派と言うことができるでしょう。硬いアプローチが合っている人にはこれがいいと思います。最終的に自分の投資哲学を確立するまで面倒を見てくれます。なお、この部分をもうちょっとこうして欲しいという要望を伝えて、教科書の内容にチューニングをかけることも十分にできます。自分が持っていない知識の部分を集中的に学ぶといったことができます。
これでどうやって日々の学習をしていくかについては後述します。

ハンズオンで面倒を見てくれる教科書

アプローチ2:実践&ハンズオン・アプローチ
新NISA入門:制度の理解と活用メリット

1. 新NISAの仕組みと活用ポイント
自身の投資目的・目標設定
投資戦略の基礎:リスク許容度と目標リターンの設定

2. 自己分析と投資スタイルの確立
短期・中期・長期戦略の比較
株式選定の実践手法

3. スクリーニングツールと情報源の活用法
テクニカル分析とファンダメンタル分析の融合
投資信託選びのポイント

3. 過去実績、運用手法、コスト構造のチェック
インデックスファンド vs. アクティブファンドの選び方
ポートフォリオ構築と資産配分の実践

4. 初心者向けから中級者向けまでの実例
分散投資の実践テクニック
取引プラットフォームとツールの使い方

5. 各種証券会社の特徴と選び方
オンラインツールで効率的な資産管理
リスク管理と損切り・利益確定のルール設定

6. メンタルマネジメントと資金管理の方法
シミュレーションを通じたリスク対策
税金と法規制:新NISAにおける税制優遇の活かし方

7. 税制上のポイントと注意事項
確定申告の基礎知識
実践ケーススタディとワークショップ

8. 模擬ポートフォリオの作成
成功事例と失敗事例から学ぶ
次のステップ:継続的学習と市場変化への対応

9. 投資戦略のアップデート方法
市場情報の収集と自己評価の仕組み

↑これは投資対象の選定のテクニックを重視した教科書になっています。これも非常に興味深いです。以下のやり方で、日々マンツーマンで教えてもらうと、実践的なテクニックが身につくと思います。

投資の心理に着目した教科書

アプローチ3:行動経済学&心理面を重視した長期投資アプローチ
投資心理学入門:なぜ人は投資で迷うのか

1. 行動経済学の基礎
投資家の心理バイアスとその影響
新NISAを使った長期投資戦略の構築

2. 新NISAの税制優遇と長期保有のメリット
投資目的の明確化とライフプランとの整合
自己認識と投資スタイルの確立

3. 自分のリスク許容度と性格の分析
感情に左右されない投資判断のコツ
市場のノイズを排除する方法

4. 情報過多時代の信頼できる情報源の見極め方
市場心理の動向と冷静な判断
行動経済学を活かす投資手法

5. バリュエーションと群衆心理の関係
逆張り投資とモメンタム投資の心理的側面
実践!ストレスフリーなポートフォリオ管理

6. 定期見直しと感情コントロールのテクニック
自己モニタリングと投資記録の活用
成功事例と失敗事例から学ぶ投資心理

7. 有名投資家の実例分析
自身の投資体験からのフィードバック方法
長期的視点での資産形成とライフプラン

8. 投資と生活設計の統合
老後資金・子供の教育資金計画との連携
新NISAで実現する未来のための投資

9. 税制優遇を最大限に活かす方法
市場変動に強いポートフォリオの設計
まとめ:心と知識で築く持続可能な投資ライフ

10. 成功への心構えと今後の自己成長戦略
継続的学習と市場適応のためのリソース紹介

↑これは比較的新しい行動経済学および投資心理学をベースにした教科書です。心理面から色々と解説してくれるソフトなアプローチの教科書になっています。情報源の見極め方なども入っているので、日々の情報収集活動にも役立つでしょう。

教科書の目次に沿って日々勉強するやり方

ここでは、
アプローチ3:行動経済学&心理面を重視した長期投資アプローチ
投資心理学入門:なぜ人は投資で迷うのか
の目次に沿って、毎日の空き時間の中で(例えば通勤の電車の中で)学んでいくこととします。

テストケースということで、
4. 情報過多時代の信頼できる情報源の見極め方
市場心理の動向と冷静な判断
について学ぶことにします。
次のようなプロンプトを入れます。
ChatGPTが目次構成の文脈に沿って教えられるように、目次全体をコピペして、「今日はここの項目を学びたい」と明確に指示することがポイントです。毎回そのようにします。

以下の目次は、私がNISAを活用した投資について勉強するために、あなたが作った教科書の目次です。
===
アプローチ3:行動経済学&心理面を重視した長期投資アプローチ
投資心理学入門:なぜ人は投資で迷うのか

1. 行動経済学の基礎
投資家の心理バイアスとその影響
新NISAを使った長期投資戦略の構築

2. 新NISAの税制優遇と長期保有のメリット
投資目的の明確化とライフプランとの整合
自己認識と投資スタイルの確立

3. 自分のリスク許容度と性格の分析
感情に左右されない投資判断のコツ
市場のノイズを排除する方法

4. 情報過多時代の信頼できる情報源の見極め方
市場心理の動向と冷静な判断
行動経済学を活かす投資手法

5. バリュエーションと群衆心理の関係
逆張り投資とモメンタム投資の心理的側面
実践!ストレスフリーなポートフォリオ管理

6. 定期見直しと感情コントロールのテクニック
自己モニタリングと投資記録の活用
成功事例と失敗事例から学ぶ投資心理

7. 有名投資家の実例分析
自身の投資体験からのフィードバック方法
長期的視点での資産形成とライフプラン

8. 投資と生活設計の統合
老後資金・子供の教育資金計画との連携
新NISAで実現する未来のための投資

9. 税制優遇を最大限に活かす方法
市場変動に強いポートフォリオの設計
まとめ:心と知識で築く持続可能な投資ライフ

10. 成功への心構えと今後の自己成長戦略
継続的学習と市場適応のためのリソース紹介
===
それでは、今日は
4. 情報過多時代の信頼できる情報源の見極め方
市場心理の動向と冷静な判断
について勉強したいと思います。
あなたが先生となって、必要なことを教えて下さい。

プロンプトに目次構成をフルに入れるのは、ChatGPTがこの目次構成を常に記憶しているとは限らないからです。長いスレッドになってしまった時、冒頭で話した内容に注意が行かない時があります。また、スレッドを変えた時には、新スレッドでこの目次構成をフルに入れることが不可欠です。

日々この教科書の目次構成に沿った内容を教えてもらうために、都度この目次構成をフルに入れたプロンプトにすることが必要です。

以上のプロンプトを入れた結果、次のような学びの内容が出てきました。中身はなかなかソツがなく、完璧であるように思えます。


4. 情報過多時代における情報源の見極め方
① なぜ見極めが必要か
現代はインターネットやSNSの普及により、膨大な情報が瞬時に流れてきます。しかし、その中には誤った情報やセンセーショナルな表現で不必要に不安をあおるものも多く存在します。正確で信頼性の高い情報を選ぶことが、投資判断や資産運用の基盤となります。

② 信頼できる情報源の特徴
一次情報を重視する
企業の決算短信、有価証券報告書、政府や公的機関の公式発表など、裏付けのある情報は信頼性が高いです。参考資料

複数の情報源でクロスチェックする
一つのメディアだけに頼らず、新聞、専門誌、アナリストレポート、さらには公式サイトなどを複数確認することで、情報の偏りを防ぎます。

発信者の背景や実績を確認する
誰が、どのような立場で情報を発信しているのかを調べ、過去の実績や専門性も考慮します。

ファクトチェックの習慣化
たとえ信頼性が高いと思われる情報でも、疑問点があれば自分で複数のデータや専門家の意見を照らし合わせる習慣をつけることが重要です。参考資料

③ 情報収集のコツ
定期的に情報を整理する
氾濫する情報をただ追いかけるのではなく、重要な情報や自分に必要なテーマに絞り込んで収集する。
SNSなどの速報性と、伝統的なメディアの信頼性をバランス良く利用する
速報性が魅力のSNSも、裏付けが不十分な場合があるため、必ず一次情報や複数の信頼できるソースで確認する。
2. 市場心理の動向と冷静な判断
① 市場心理とは
市場は数多くの投資家が集まる場所で、情報や噂、さらには感情に大きく左右されやすいです。ここで大切なのは、以下のような心理的バイアスを理解することです。

確証バイアス
自分の考えに合う情報だけを集め、反対意見を無視してしまう傾向。
アンカリング効果
初めに得た情報に固執し、その後の判断がそれに影響される。
群衆行動
多くの人が行動していると、無意識にその流れに乗ってしまう。
これらの心理バイアスは、投資判断において「短期的な騒動」に流され、冷静な判断を妨げる要因となります。

② 冷静な判断を保つための具体策
長期的視点を持つ
短期的な値動きや市場のノイズに左右されず、企業の本質や長期成長性を重視する姿勢が大切です。
事前にルールを設定する
利益確定や損切りのラインをあらかじめ決め、感情に任せた判断を防ぎます。
投資日記をつける
自分の判断やその背景、感じた感情を記録し、後から客観的に見直すことで、次回以降の改善につなげる。
定期的なポートフォリオ見直し
分散投資を徹底し、どの資産にどれだけリスクがあるかを定期的にチェックします。
これらの方法により、マーケットの一時的なパニックや楽観論に影響されず、論理的かつ客観的な投資判断を維持することが可能です。

③ 注意すべき点
情報過多に陥らない
多すぎる情報は混乱の元です。自分の投資戦略や目的に沿った情報だけに絞り、不要な情報は無視する勇気を持ちましょう。
心理状態のセルフモニタリング
自分が「焦っている」「流されている」と感じたら、一旦立ち止まり、冷静さを取り戻す時間を作ることが重要です。
まとめ
情報過多の現代では、信頼できる情報を見極めるスキルと、それに基づいて市場心理の動向に惑わされず冷静な判断を下す能力が、投資の成功において極めて重要です。

情報源の見極めでは、一次情報を重視し、複数の情報源で裏付けを取ること、そして発信者の背景や実績を確認する習慣を持ちましょう。
市場心理への対策では、感情バイアス(確証バイアス、アンカリング効果、群衆行動など)に注意し、長期的な視点、事前設定したルール、投資日記やポートフォリオの定期的な見直しを実践しましょう。
これらを習慣化することで、ノイズに惑わされず、より堅実な資産形成が可能になります。今後も冷静かつ客観的な姿勢を保ち、情報と心理のバランスをとることが、持続可能な投資成功への鍵となります。

何か疑問があれば、いつでも質問してください。これからも一緒に、より深い理解と実践に向けて学んでいきましょう。

>多すぎる情報は混乱の元です。自分の投資戦略や目的に沿った情報だけに絞り、不要な情報は無視する勇気を持ちましょう。
という指摘はなかなか的確です。そのほかにも、もっとも!と思わせるポイントが多々あります。

わからない用語が出てきたら、どんどん「○○○○○は何ですか?」「○○○○はどういう意味?」と質問しましょう。的確な回答が返ってきます。

このようにして、1章から10章まで順繰りに学んで行きます。場合によっては自分に必要と思われる章だけ学んでも良いでしょう。それであれば、アプローチ1の目次の内容もアプローチ2の目次の内容も、つまみ喰い的にカバーできます。

そのようにしてChatGPTを先生として、自分にピッタリのやり方で、NISAを活用した投資について学んでいくことができます。

私がこの手法に気づいたのは、プログラミング言語のPythonを学びたいと思ってChatGPTとやりとりしていて、最終的に私に最適化された教科書の目次構成ができあがった...という経験からです。

そうか!ChatGPTは何でも深く知っているから、何に関してでも教科書の目次構成を作って、1章ずつ教えてくれることができるんだ!この発見はめちゃめちゃうれしかったです。

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