名編集後記調
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料理通信の編集部のブログを時々こっそりのぞいています。
3月24日付の「販売放浪記 新橋編~『男って…』」に、往年の名編集後記調を感じてしまったのは私だけでしょうか。
-Quote-
思わず吉成さんに尋ねそうになるが、初対面なのでぐっとこらえる。
-Unquote-
自分は出版モノを「活字」と読んでしまう世代です。もっとも実際には活版は経験せずにすべて写植でしたが。
「XXXが活字になった」と言えば、「誰かの文章が雑誌などに載っかって不特定多数の読者の目に触れる状況になった」=「出世した」という意味があり、「活字にならなかった」と言えば、「がっくし」ということなのです。
出版はそもそも刊行物の誌面が限られていることで価値がつくられていた側面があり、その限られた誌面を争って、多数の書き物の挑戦がなされたのであります。
編集後記も200字とか120字とかの限られた字数で、いかに含蓄深く味わい深い文章を書くかにしのぎを削るのが普通であって、「プロなら編集後記から読む」というのがわりと常識でした。編集後記を読むとその雑誌に携わる人たちの力量がわかるということなのですね。
今では字数に制限のないパブリッシングがどこでもできるので、120字程度の短文をじーっと見て「すげぇ」と思うことも少なくなってきたわけですが、上掲のブログではすこしはっとした次第。
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