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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

日本のブロードバンドで儲けているのはいったいぜんたい誰なのか?

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またしても日本のブロードバンドについてお題が下りました。表題の通りです。
米国では「それはGoogleである」と言ってしまえばそれでお終い(厳密にはナローバンドも含むインターネット全般においてということですが、そこは細かく見ない)。誰もが納得する。けれども日本ではいくつかの測定基準を使って複数の企業を比較してみないことには勝者がはっきりしません。世界で一番速くて安いブロードバンド環境が整備されていながら、誰もが納得するわかりやすい勝者がいないというところに、日本の市場の特殊性があります。

OECDのブロードバンドの定義を使うと、下りで256Kbps以上出ればそれは立派なブロードバンドであるということなので、auのWINもDoCoMoのiModeもすでにちゃんとしたブロードバンドです。
従って、固定も携帯も一緒にブロードバンドということにして、誰が一番儲かっているのかを探っていくと、以前ちらと書きましたが、従業員1人当りの営業利益を使うのがもっとも妥当であるということから、広義のコンテンツ分野ではYahoo! Japan、通信サービス分野ではNTT DoCoMoがダントツであるという結論に達します(間をかなり端折りました)。売上高でふるいにかけても、時価総額でふるいにかけても、やはりこの2社です。

日本のブロードバンドで一番儲かっているのはYahoo! JapanとNTT DoCoMoである。これは間違いない。

それでは米国で一番儲かっているGoogleとの違いは何か?

業態の違い、サービス内容の違いなど多々相違点はあるのですが、もっとも大きく異なっている点は、ハードウェア資源の活用に関して先進的なコンピュータサイエンスの知見を応用してきたか否か、だと考えます。これがあるとないとで、単位サービス当り(とは言っても何を計測すれば単位サービスになるのか…。例えば、1ドルの営業利益を上げるために必要な何それとか)の収益率がおそろしく違うことになる、はずですね。スケールを実現していくのに一番カネがかかるのはハードウェアです。(あとはそれに準じるものとして帯域コストがありますが、これもコンピュータサイエンスの適用で劇的にコストを削減することが不可能ではない領域です。例えば地球規模のキャッシングサーバー配置によって)
オープンソースの世界でもすでにLinux Virtual Serverがスケーラビリティ獲得の有用なソリューションとして普及していますが、Googleのなかの人たちはその何年も前から同種のことをお手製のサーバー群でやっていた。スケールを獲得するためのコストがおそろしく安い。たぶん破壊的イノベーションというのに相当する。

こういうサイエンスの知見の適用があるかないかで、シンボリックな勝者の姿がまったく違ってきています。

すると日本はどうすればいいのか。MOTが定着しているかどうかの問題なのか。たぶんそうではない。

提供されているサービスの中身を見れば、日本ほどかゆいところに手が届くサービスが実現されている国は他にはないと思うんですが。携帯電話にしろ、Webで提供されているものにしろ。
この日本固有のサービスの細やかさというものは、スケール(動詞)不能なのか?

そもそも、日本固有のきめ細かなサービスがスケールするとはどういうことか?日本固有のきめ細かなサービスが言語の壁を越えて世界各国に配信されるとはどういうことか?そのへんの定義から始めないといけないわけですね。とやや強引に締めてみました。

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