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EV(電気自動車)から生まれる新市場

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オルタナティブ・ブログの中でEV(電気自動車)の話題が盛り上がっているので少し便乗させていただきたいと思います。

妹尾さんの「みんな簡単に自動車製造に参入できるように言ってくれるが、それは、自作でPCが組み立てられたらサーバーメーカーになれる、っていうのと同じでは?」、坂本さんが「「電気自動車時代」への転換で期待される「カンブリア爆発」と価値 」、そして小林さんの「EV(電気自動車)の怖さは既存市場が混乱することではなく、新しい市場が生まれること」を大変興味深く読ませていただきました。

EV(自動車)の登場により、産業構造が大きく変化し、業界再編や新しい市場が生まれるということ等が指摘されています。

EVが今後本格的に普及していければ、これまでの垂直統合モデルから水平分業型モデルに一部置き換わっていくことになることが推測されます。その中で、新しい成長産業が生まれることが期待されます。

以前のブログ「スマートグリッド普及期の「電気マネー」の可能性について」や「アップルやグーグルがスマートフォンのようにEV(電気自動車)を売る日」等でも一部書かせていただきましたが、EVのアーキテクチャー(レイヤー)の成長市場について少し整理をしてみたいと思います。日経コミュニケーションの記事も参考にさせていただいています。

コンテンツ/アプリケーションレイヤ

EVの場合、走行距離が短いため、充電スタンドがこれまでのガソリンスタンドよりも多く町で見かけるようになるでしょう。そのために、電気スタンドの場所をナビゲーションをする機能の充実が求められるようになるでしょう。また、車の経路ログ(カーログ)も取得し、お勧めの経路やお勧めの店等のリコメンド機能等Webとの連携が強化されていくことになるのではないでしょうか。

課金プラットフォーム

ガソリンスタンドから充電スタンドに置き換わるようになれば、充電は従業員に頼らず、多くの人が一人称で充電ができるようになるでしょう。この場合、課金システムが大きく変わることが考えられます。自宅で太陽光発電をし、売電をする自宅も増え、電気を中心にお金の流れが大きく変化し、新しい課金プラットフォームが生まれることになるかもしれません。また、Googleのような企業が参入すれば、EV内に常時広告を表示するサイネージのような仕組みも用意され、広告収入で電気代を補うといったこともできるようになるかもしれません。

通信ネットワーク

電力ネットワークに加えて、スマートグリッド等で話題となっていますが、先ほどのナビゲーションやWeb連携も含めて、通信ネットワークが重要となっていくのではないでしょうか。

車本体

これは、多くの方が指摘していますが、パソコンのように参入企業が乱立する可能性が考えられます。

販売チャネル

これまでの、系列の自動車販売店から販売するというモデルだけでなく、非系列のチャネル、例えば家電量販店等でもEV販売することも出てくるかもしれません。保険や補償サービスも家電量販店と同等に扱うことも出てくるかもしれません。そして「0円」携帯の通信料で収益を得るといったように電気代で収益を得るモデルも登場する可能性もあるでしょう。

以上のように、CO2削減の目標が後押しし、EVの本格的普及によって、新しい成長市場が生まれることが予想されます。そして、スマートグリッドといった電力版インターネットといったように経済全体の構造変化にもインパクトを与える可能性を秘めています。そういった意味で、これからのEVから生まれる新市場は大いに注目をしているところです。

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