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「電気自動車時代」への転換で期待される「カンブリア爆発」と価値

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妹尾さんのタイトルで言い尽くされている良記事。でも、私は実際にDOS/Vブームのころに多くのベンダー・資本が、PCとかサーバーメーカーに参入してきた1994年ごろ、さらには「カンブリア爆発」のような、多様な試行錯誤が「電気自動車」になされて、新たな型ができるまで大いに変動があるのじゃないかと予想しています。
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2009/11/pc-6a90.html

みんな簡単に自動車製造に参入できるように言ってくれるが、それは、自作でPCが組み立てられたらサーバーメーカーになれる、っていうのと同じでは?:抱き込め!ユーザー、巻き込め... via kwout

妹尾さんは、書かれています。

でも、自動車製造って、動力部分だけが勝負なんですかね?

・衝突安全基準を満たすボディーは?

・地面との接地面から含め、運転者がきちんと操舵できる機能は?

・ボディーのプレスや動力部分以外の組み付け、塗装等を行う生産設備に対する投資やそれを効率に行うための生産技術は?

・モーターも内製するの?生産効率は?

・(日本だけかもしれませんが)型式認定・指定類別番号を取るための認証は?

・アフターサービスは?

・・・。

そう、既存の「自動車」の目から見て、電気自動車に参入が容易だろうけど、本当にみんなが生き残れるわけが無いとお感じなのだと思います。私もそうですが、電気自動車時代になって、自動車の定義が少し変わり、従来の価値観とは違う自動車が普及する可能性を感じています。

たとえば、「時速50Km程度が限界の街乗り専用で航続距離も短い 自動車」が広がって、移動の道具として単価30万円くらいの自動車が売れ筋になるとかです。

電気の供給の仕方でも、日産リーフのようなバッテリー取替えリース方式の試み、100V電源での充電が重要なのか?200V電源が普及するきっかけになるのか? プラグインハイブリッドの時代が続くのか? とかとかあるし、バッテリーのタイプとか、人と荷物の配置の仕方、素材はエンジニアリングプラスチック(エンプラ)に代わるのか?とかとか。ディーラー網もあり方が変わって、メーカー系列店より、多様なメーカーの製品をそろえる今の自転車屋さんのような方式に変わるとかも考えれます。もっといえば、カーシェアリングやカーリースの利用率が上がるとかも。

どの程度バラエティーのある方式が出てくるのかは分かりませんが、いずれにしろ、日本の戦後混乱期にバイクメーカーが乱立したぐらいのメーカーの乱立と多様な方式の提案があると期待しています。そういえば、戦後の一時期に電気自動車も試みられたとか聞きます。

そして結局は、落ち着くところに落ち着きメーカーの寡占化が進んでいくとは予想しますが、部品メーカーだけでなく完成車メーカーについてもこれだけ環境が変わるならば景色が変わると見たほうがいいのではと思います。

自動車は、一般道路や高速道路、という変えにくいインフラがあって、こその存在です。結局のところ、タイヤが4つで人が1人から8人くらい乗れて、ドアからドアまでいける便利な乗り物 というあり方は変わらないでしょうけど、その価値の実現の仕方とか、ステータス性、保有の形態とかはかなり変わるのではないかとわくわくしています。

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