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リサーチのプロとして長いこと歩んできた今泉大輔です。ChatGPT出現以降、Facebookで「ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探って行く勉強会」を立ち上げ、「ビジネスパーソンにとってのAI」の観点で米国情報を収集して来ました。知的アウトプットの質と量を向上させるプロンプトの開発にも取り組んでいます。

ChatGPTは「自分が富裕になるためのパス」を見つけられるAI - 南場智子氏と孫正義氏のケース

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追記:以下で出てくる「共進化」「本源的価値」などの用語は、ChatGPTに聞くと親切に教えてくれます。

ChatGPTと人間の共進化について短く説明した投稿がLinkedInで受けたこと

少し前に以下の投稿をLinkedInに上げたところ、132インプレッションがあり、過去最高でした。あのLinkedInで132!
ChatGPTと人間とが「共進化」しつつあるということを、DeNAの南場智子さんの事例を出して短く説明した投稿です。

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図式としては、ChatGPTは(そしてその他のAIも)、人間を巻き込んだ「共進化」の状況を作り始めていて、共進化の中に入って自分も進化するにはアウトプットを外に出す側に回る必要がある...ということなんだと思います。インプットばかりしていてアウトプットを出さないとAIの凄みは分かりません。
先日DeNAの南場智子さんが「私はAIに『オールイン』しています」と講演されていましたが、ああいう感じで自分のAI活用の具体的なエピソードを外部にアウトプットすることで共進化のサイクルがさらに加速化します。

おそらく彼女のAI活用スタイルは、あの大々的に行われた講演の後で、何かの本質的な変化が見られただろうと思います。DeNAの経営戦略そのものも大きく変化することを体外的にアピールしたので。おそらくおそらくCEOクラスの人が多数彼女との面談を求めただろうと思います
「共進化」は文字通り共進化です。AIの本質がディープラーニングとトランスフォーマー(端的には昇圧です)である以上、人間もディープラーニングとトランスフォーマーする存在に共進化して行きます。そのうちAIがAIを開発する無限連鎖の世界が始まります。その中でもディープラーニングとトランスフォーマーする人間は、おそらく、独自の進化の道筋を発見して、AGIに排除される立場にならない可能性があると睨んでいます。人間には、聖書の神から与えられた「創造性」があるからです。

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この「共進化」は、ChatGPTというLLMの本質が「ディープラーニング」と「トランスフォーマー」(昇圧器)であり、人間も「ディープラーニング」と「トランスフォーマー」によって動き出そうとする時に起こります。(一応LLM初期にはその関連の英語論文を斜め読みしました)
単純にChatGPTから「知識」を引き出すだけでなく(それはググると同じ使い方です)、「アクション」についてもアドバイスをもらい、「アクション」し始めて、その結果をChatGPTに「フィードバック」していくことで、「共進化」のサイクルが回り始めます

自分が富裕になるパスとは?

話が長くなると行けないので、最も本質的なことを述べます。

ChatGPTは、自分が富裕になるためのパスを見つけることができるAIです。
これは以下の投稿で書いた「ChatGPTに自分に最適化された教師になってもらう能力」があることと深く結びついています。

【NISA成長投資枠】ChatGPTに自分専用の投資の教科書を作ってもらい→教えてもらうプロンプト

簡単に言うと、自分が今置かれている職業の状況、資産の保有状況、投資に関する考え方、起業する人生を選ぶのか?企業に勤務し続ける人生を選ぶのか?家族構成はどうか、などなどのインプットをChatGPTに与えた上で、「私が富裕になるためには、どういうパスがありますか?」と聞きます。その回答が気に入ったら、「そうなるための私に最適化された教科書を書いて下さい」とお願いして、その教科書の1節ずつをマンツーマンで教えてもらい、上記の「アクション」を行って、結果を「フィードバック」していくことによって、その「パス」がどんどんはっきりしてきます。アクショナブルなパスです。アクションしないことには単なる知識に留まります。

「企業に勤務し続ける人生」であるならば、NISA成長投資枠を活用して毎月いくらをどのようなアセットに投資すればいいかアドバイスをもらいながら、30年なり投資を続けて行くと、定年退職する時には自分用の年金的な資産が投資元本+株式や投資信託の市場価値+利回り(配当)+複利の効果で数千万円になっているはずです。

実は複利の効果は絶大なるもので、アインシュタインが複利について残した名言に以下のようなものがあります。

"Compound interest is the eighth wonder of the world. He who understands it, earns it ... he who doesn't ... pays it."
「複利は世界の八番目の不思議だ(英語圏に7th Wonderという慣用句がある)。それを理解する者は利益を得るが、理解しない者は支払うことになる。」

「企業に勤務し続ける人生」を選ぶ場合、ChatGPTは、複利を増やし続けることができるパスを教えてくれると思います。簡単に言うとNISAの制度(投資で得たリターンに非課税)を自分にぴったりな形で活用して、利子が利子を生む再投資の方法、具体的にどの投資信託ないし株式銘柄を選べばよいかを教えてくれるはずです。

ChatGPTと対話を続けていくと自分にぴったりなブルーオーシャンが見つかる

「起業する人生」を選ぶ場合には、一言で言うと、自分のためのブルーオーシャンを見出す手伝いをしてくれます。どういうタイプの起業であってもです。先日書いた

イラストレーターのカミさんがChatGPTのDeep Researchをマーケティング調査で使いこなしてデビューすることについて

は、実は、イラストレーターというソフトな道で彼女が起業をする際に、ChatGPTが、Deep Researchも使いましたが、ブルーオーシャンを見つけてくれたという事例です。ブルーオーシャンとは数多の競合と疲弊するだけの競争をすることなく、自分の個性を最大限に発揮できる、ラクな道です。ラクな戦略です。

こういう、その起業家にとってのブルーオーシャンを見つけられる能力は、ChatGPTが「企業価値」、その中でもウォーレン・バフェットが言っている「本源的価値」(Intrinsic Value)で経済が発展してきた米国で学習し続けてきたLLMであることから来ています。

その人の、あるいはその企業の「本源的価値」が何か見抜くのです。そうして最も適切なアドバイスをします。DeNAの南場智子さんの例で言うと、推察ですが、おそらく毎日のようにChatGPTとQ&Aを繰り返して行って、DeNAの本源的価値が「ユニコーンを沢山生むこと」にあると彼女に気づかせます。それをあの伝説的な講演で多数の人々の前でオープンにしたのです。

YouTube動画【AIの未来】DeNA南場智子が語る、AI時代の会社経営と成長戦略

これによって実質的にDeNAは「ユニコーンを沢山生む」ことが宿命となった企業として走り出しました。その道筋は簡単なものではないと思いますが、ChatGPTと対話しながら各社員がAIを活用した新規事業の「本源的価値」に気付かされていくなら、それはいずれ実現すると思います。その具体的なパスがChatGPTには見えているのです。必要なのは操作者がChatGPTからそれを引き出すための適切な質問を繰り返していく能力です。ChatGPTを使いこなすための才能です。

手前味噌になりますが、実はウチのZ世代のカミさんもそうした能力を持っているようで、誰からも教えられないのにDeep Researchを駆使したマーケティングリサーチなどをしながら、最終的にChatGPTから彼女の本源的価値を市場で開花させるためのブルーオーシャン戦略に到達しました。これは単なる知識としての戦略ではなく、アクショナブルな戦略です。

そういうアクショナブルな戦略をスルスルと回答できるのがChatGPTの知恵の深いところです。で、それは、本源的価値を重んじる市場社会であるところの米国で訓練されたLLMであることから来ています。

ChatGPTを株式投資で使った場合に目も覚めるような性能を発揮することも、そうした米国で訓練されたLLMであることから来ています。
株式市場に上場されている個々の企業の本源的価値がどうか分析した上で、現在の株価が割高であるか割安であるかをアドバイスしてくれます。

私が毎日取り組んでいる株式投資支援ツールの精度を見ても、めちゃめちゃ優れた能力であると断言できます。実は彼は米国のビジネススクールで教えられているありとあらゆる投資理論に通じています。
また、株価チャートや需給データを見て株式銘柄の売り買いを判断するテクニカル分析でも、アメリカのプロの株式トレーダーのレベルでアドバイスすることができる強烈なエクスパティーズを持っています。
なので、彼と対話する技術を身につけさえすれば、株式投資で、史上最強の分析能力武装した個人投資家になることができます。

これは株式投資を個人として行う場合の例ですが、どの市場で起業すべきか?どういう商品・サービスを提供する企業として市場に参入すべきか?といった起業家の質問に対しても、その都度Deep Researchでマーケット調査を繰り返しながら、自分が持っている知識資産・技術資産を最大限に活用したブルーオーシャンを見つけてくれます。

推察ですが、早々とOpenAIと提携して米国史上最大のインフラプロジェクト(Stargate)を立ち上げた孫正義氏の壮大な構想も、

【AIデータセンター】史上最大級5,000億ドルのインフラ案件「Stargate」はプロジェクトファイナンスで十分に資金調達可能

彼がChatGPTと日夜対話しながら出てきたパスであると見ています。

いずれにしても、話題にしている事業の本源的価値は、ChatGPTが正確に分析して言語化して操作者に明快に説明することができます。マーケティングリサーチを日立製作所本社の博士号を取得したリサーチ担当者レベルのDeep Researchに何度もやらせれば、ブルーオーシャンがはっきりと見えてきます。

ChatGPTがPythonで組んだアプリをマネタイズするパスもわかる

実はChatGPTは、Pythonで組んだアプリケーションを、PythonアプリケーションWeb化プラットフォームであるStreamlitでデプロイするための1つひとつのステップを、Streamlitで動くようになるまで、指導してくれます。

AIがコーディングを自動で行ってくれることはAI駆動型開発として十分に知られていますが、起業目線で言うと、PythonでChatGPTが組んだアプリケーションをStreamlitで市場に出し、Stripeなどの決済ツールでマネタイズするところまで教えてくれるということは、ほとんど知られていません。
しかもそのマネタイズのパスを、上で述べたブルーオーシャンを見つけてくれるのです。当然集客はどうすればいいか?も教えてくれます。日本ではどのSNSを活用するのがいいのか等。アクショナブルなパスです。単なるコンサルテーションと違います。毎日ステップバイステップで行動して行くことができるパスです。朝でも夜でも相談に乗ってくれます。

一言で言えば、自分が富裕になるためのパスを見つけてくれる。それがChatGPTに眠っている能力です。

どういう個性や才能を持った人であれ、市場に投入して本源的価値が作れる人であるのならば、その本源的価値が実現するまで、毎日対話相手になりながらガイドしてくれます。南場智子氏においても、孫正義氏においても、そのことが起こっていると見ています。

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