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たくさん寄り道してください!さつき会奨学金授与式でのご挨拶

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東大女子卒業生の会である「さつき会」は東大の多様性を高めるべく、地方在住の女子学生に予約型で給付型の奨学金を提供している。今年も駒場キャンパスで授与式を行った。

**************授与式でのご挨拶***************

学生の皆さん、東京大学へのご入学、そして、さつき会奨学金の受給、誠におめでとうございます。

さつき会奨学金委員長の大里です。

毎年、この場で皆さんのお顔を拝見していると、「あ、この人たちは、自分の勝ちパターンをちゃんと持ってきた人たちだな」と感じます。

「私はコツコツ型です」
「直前に爆発力を出すタイプです」
「数学は朝やると調子がいいです」
「恋愛は苦手です」......いや、それはまだわからないですね笑

でも、東大に入った皆さんに、今日はあえてお願いしたいのです。ぜひこの4年間で、その"自分の勝ちパターン"を、一回ぐちゃぐちゃにしてください。東大って、そういう場所なんです。

周りを見ると、自分より頭のいい人が普通にいます。
しかも、「なんでそんなことに人生を賭けてるの?」みたいな人も大量にいます。

古代ギリシャ語を愛しすぎている人。
昆虫の話をすると止まらない人。
突然インドに行く人。
なぜか起業している人。
そして、なぜか留年しているのに、妙に楽しそうな人笑

そういう人たちに囲まれていると、ある日ふと、思う瞬間が来ます。
「あれ、私って思ってたよりずっと平々凡々かも」

でも、それ、すごく良いことなんです。人生で本当に成長する瞬間って、「自分は完成していない」と気づいた瞬間だからです。

だからぜひ、「まさか自分がそんなことするなんて」という選択をしてみてください。

文化系だった人が運動部に入る。
バックパック一つで一人旅をするとか。

そして時には、盛大に失敗してください。

大丈夫です。東大生の失敗って、意外と誰も覚えていません笑。

むしろ後から振り返ると、「あの黒歴史があったから今の自分がある」みたいなこと、結構あります。

あと、これは個人的な意見ですが、大学時代は多少、寄り道した方がいいです。
効率だけを求めるなら、人生ってかなり味気ないんですよね。
「これ、何の役に立つんだろう?」みたいなことほど、後から人生を豊かにしたりします。

私の例を伝えると、私は超方向音痴です。転校するたびに、学校から家まで帰れなくて迷子になるほどです。にも関わらず、大学4年生の時に、どうしてもインカレでリレーを組みたいと知人に頼まれて、安請け合いでオリエンテーリングを始めました。最初のレースがインカレでした。結果は・・・聞かないでください笑 

そして、それが最初で最後のレースになるはずでした。しかしながら卒業して10年後、再びオリエンテーリングと縁ができ、気づいたら、今や(公社)日本オリエンテーリング協会の副会長など務めています。

ねっ、人生って面白いでしょう?そんな安請け合いがきっかけで、大事なポジションをいただいていたりするものなんです。

つまり、我々さつき会は、皆さんに「最短距離で優秀に卒業してください」と言いたくて、この奨学金をお渡ししているわけではありません。
むしろ逆です。

「ちょっと無謀だけどやってみたい」「役に立つかわからないけど面白そう」そんな挑戦をするときの、そんな寄り道をするときの"挑戦のインフラ"として、この奨学金を使ってほしいと思っています。

大学4年間は、自分という人間を大胆に作り変えられる、人生でも数少ない時間です。

いや、4年で終わらなくてもいいです。
留年も降年も、まあ、人生のスパイスです。ただし、さつき会奨学金の支給は4年間ですので、その点だけはご了承ください笑。

ぜひたくさん挑戦して、たくさん失敗して、たくさん寄り道してください。
そして4年後、「入学時とは全然違う、でもなんだか面白い自分」になっていてください。

さつき会一同、皆さんの大冒険を、これからずっと応援しています。本日は、本当におめでとうございます。

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毎年、受給生の1分間の挨拶があるのだが、そのご挨拶こそ秀逸。もっともっとこんな素晴らしい奨学生を増やさねばと思うのである。

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