日本版ネオクラウドを推進可能なNTT, 清水建設, 日立, パナソニック, NEC, ソフトバンク、関西電力の役割分担に関するレポート(イントロ)
追記:
2026/5/25付のソフトバンクによる以下のプレスリリースが見つかりましたので、ソフトバンクの役割について詳細版レポートの末尾に加えて更新しました。
ソフトバンク:ネオクラウド事業として、「Infrinia AI Cloud OS」を搭載した「AIデータセンター GPUクラウド」を2026年10月に提供開始(2026/5/25)
NECが日本版ネオクラウドのリーダーとして展開する戦略の打ち手に関するレポート(2026/5/26)
この投稿↑で紹介した「日本版ネオクラウド」は、SSKの以下の2つのセミナーを組み立てていた際に、「おお、これはパッケージにしてアジアなどに輸出できる!」と確信したAIデータセンターを具体化する際の「モデル」です。
【世界のAI特需が生むビジネス機会】
AIデータセンター時代の電力インフラ戦略
~世界の事例から学ぶ発電・送電・電力供給の最新動向~
【10兆円規模の巨大市場】
国内AIデータセンター事業参入の構造と勝ち筋
〜国内ブラウンフィールドの見つけ方とNTT IOWNの衝撃〜
セミナーの中である電力会社系のエネルギーサービス子会社の方から質問を受けました。「当社が動く際には『座組み』はどうすればいいですか?」と。
この質問には一言で答えられる訳もなく、本来であればデロイトなどDCにノウハウのあるコンサルティング会社に依頼して、1,000万円なりの予算をかけて調査してもらわないと回答は得られませんよ...と答えました。
AIデータセンターには、NTTデータのようなSIerから、三井不動産のような不動産会社、関西電力のような電力会社、オンサイト発電が組み込まれるためには三菱重工などのガスタービンコンバインドサイクル発電機(GTCC)の提供者などなど複数の企業が必要です。アメリカのAmazon、Google (Alphabet)、Microsoftなどのハイパースケーラーはその巨大な存在感でもって、1社で全部を取り仕切ってやっている訳ですが、日本にはいかんせんハイパースケーラーは存在しません。そこで「誰が主導し、誰と組むか?」座組みの問題になる訳です。
私が2011年から2017年までインフラ投資ジャーナリストをやってた時代には、海外インフラ輸出案件として大型発電所等のプロジェクトの座組みに関して調査し、自分でも走り回ってできる所をやらせてもらおうと海外にも沢山行き、日本の用地なども歩いていました。つまるところ、海外インフラ輸出案件では、関係する企業は複数あるものの、仕切り役は総合商社です。日揮、東洋エンジニアリング、千代田化工などのプラント会社が主たる具現化プレイヤーですが、仕切りは商社になります。商社は長年海外で数々の案件を手がけており、肥料工場から空港まで、多岐にわたるインフラ案件の経験値があります。
さて。AIデータセンターではどうか?乱暴な議論になるのを承知の上で申せば、総合商社がAIデータセンター案件を仕切れるようには思いません。必要とされるノウハウが全く異なります。(詳細は省きます。セミナーではお分かりいただけるように説明できます)
むしろインドなどでAIデータセンター海外進出を始めているNTTデータが、従来型データセンターの海外進出に伴う諸々について経験値がすでにあり、"仕切り役の候補"にはなると思います。
しかししかし。AIデータセンターは電力供給の複合的なインフラ施設です。オンサイト発電を含む電力供給周りを特別高圧からサーバールーム所内の低圧給電まで垂直統合的に手がけられる人がいないと、現実問題、前に進まないと思います。これに熱の取り回し、冷却の取り回しも絡んできます。
私は
日立製作所だけが対応できた。次世代Rubinは熱過ぎるのでAIデータセンターはNVIDIAのデジタルツインでないと設計できない(2026/5/20)
の投稿で明らかにした、日立製作所だけが日本企業の中でNVIDIA Omniverse(デジタルツインのOSの役割を果たす。この中でAIデータセンターの内部を精密に組み上げることができ、かつ電力、熱、冷却などを総合的にシミュレーションして最適化することができる)を使ったAIデータセンター設計に真正面から取り組んでいるという事実があるため、またAIデータセンターの具現化にはNVIDIA Omniverseデジタルツインが不可欠である以上、日立製作所が全体を仕切る、それがベストなのではないかと考えています。
そういう日本版ネオクラウドに関する技術的な細々としたことを論じているのが以下のレポートです。
日本版ネオクラウドを推進可能なNTT, 清水建設, 日立, パナソニック, NEC, ソフトバンク, 関西電力の役割分担に関するレポート:詳細版
日本版「ネオクラウド」の事業化戦略
〜日本でAI特化型データセンターを成立させる電源戦略・建設手法・座組みの実務〜
【本セミナーの最大の差別化点】
米国で先行する「GPUクラウド」の波が日本へ。高密度・高排熱なAI専用設計を、日本の厳しい電源・用地環境下でいかに実現するか。フィジカルAI時代の根幹となるデータセンター事業化の最短ルートを実務者の視点で詳解します。
世界的なAIインフラ投資が加速する中、勝機は「電源の確保」と「効率的な実装」にあります。建設コストの最適化から、アライアンス構築、フィジカルAIを見据えた投資判断まで、明日から使える戦略を提示。
A4 50ページ以上の詳細な配布資料が付きます。
講師:今泉 大輔(株式会社インフラコモンズ 代表)
主催:SSK 新社会システム総合研究所