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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

日本の電機メーカーに【特需】が発生するイーロン・マスクの1テラワット級宇宙AIデータセンター計画

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以下のセミナーがあるので、イーロン・マスクが計画している宇宙AIデータセンター(軌道上AIデータセンター)の細かい所を色々調べています。

だんだんわかってきたのは、三菱電機などの日本の電機メーカーに途方もない【特需】が発生する可能性があるということです。


NVIDIAの強敵か?イーロン・マスク「宇宙(軌道上)データセンター」と「次世代半導体工場テラファブ」の全体像

日時:2026年 6月 1日(月) 13:30~16:00  
主催:一般社団法人 企業研究会
講師:インフラコモンズ代表 今泉大輔
【開催にあたって】
本セミナーは、「フィジカルAI(物理的な実体を伴うAI)」と「AI Factory」の概念を極限まで推し進めた、イーロン・マスクによる宇宙(軌道上)データセンターおよび次世代半導体工場「テラファブ(TeraFab)」の全貌を解き明かすことを目的としています。

現在、地上のAIインフラは「土地の許認可」「電力網の接続(変圧器不足)」「冷却効率」という深刻な物理的ボトルネックに直面しています 。マスク氏はこれらの制約を、Starshipによる物流革命 、宇宙空間での24時間太陽光発電 、そして垂直統合された自前半導体工場テラファブ を組み合わせることで根本から解決しようとしています。

■本セミナーが提示する核心的トピック:
 ・「規制・電力・冷却」からの完全な脱出: 地上の既存インフラに依存せず、宇宙という「究極の規制フリーゾーン」へAIの脳を移管する論理的必然性を解説します 。
 ・テラファブによる計算資源の独占: 全世界の合計出力を遥かに凌駕する1テラワットの計算能力 を、設計から製造まで一気通貫で行う「垂直統合」の衝撃を明らかにします 。
 ・宇宙専用プロセッサ「D3」の役割: テラファブで生産される計算資源の80%が、なぜ地上(自動運転やロボット)ではなく宇宙軌道へと向けられるのか、その真意を探ります 。
 ・ペタワット時代の到来: テラワットを通過点とし、月面マスドライバー建設 によって実現される、異次元のスケールの未来図を提示します 。


イーロン・マスクは今年の2月上旬に

Stripeの共同創業者ジョン・コリソン(John Collison)、著名ポッドキャスター ドワケシ・パテル(Dwarkesh Patel)と3時間弱ビールを飲みながら彼の宇宙AIデータセンター構想について語り続けた

ことがあって、その動画がドワケシ・パテルのサイトとYouTubeに上がっています。奇特なことにイーロン・マスクが3時間語った全文がトランスクリプトとして公開されています。これがものすごく重要です。彼が計画している宇宙AIデータセンターの細部が余すことなく語られているからです。

テラファブ半導体工場は宇宙データセンターとSpaceXが合体したイーロン・マスクのテラワット級AIインフラ構想の一部(2026/5/10)

イーロン・マスクの3時間インタビューの全文トランスクリプトが掲載されているドワケシ・パテルのページ。

Elon Musk -- "In 36 months, the cheapest place to put AI will be space"

ここにあるトランスクリプト全文をChatGPTなりGeminiにかけて分析してみて下さい。どでかい構想の全体像が目の前に飛び込んできます。

実は今年2月にこのどでかい宇宙AIデータセンター構想について、イーロン・マスクのトランスクリプト全文を得て、ここのブログで発表したのですが、当時はは早すぎたようで埋もれてしまいました。

イーロン・マスクの宇宙AIデータセンター構想はめちゃめちゃ現実的。彼の説明を聞いてみよう(2026/2/13)

  • 地上の電力網は「物理的」に限界を迎えている
  • 「宇宙はいつも晴れ」:軌道上データセンターの経済合理性
  • 年間1テラワットを宇宙へ:月面基地とマスドライバー
  • 「テラ・ファブ」とメモリの危機
  • デジタル・ヒューマンと「無限マネーグリッチ」
  • 我々経営者が読むべきメッセージ

この投稿でかなりの部分はわかるので、興味のある方は読んでみて下さい。

1年間に1万回スターシップを打ち上げて1GWのAIデータセンターを毎年宇宙で具体化する!

さて、本日の投稿の眼目は、日本の電機メーカーなどに発生する【特需】です。

イーロン・マスクは間もなく株式公開されるSpaceX(スペースX)の強力な運搬機能を使って、

SpaceX:日本人が初めて知る圧倒的な打ち上げ回数と低コスト、運搬トン数、Starlinkの衛星数と現金収入、そして1kg当り運搬コストの価格破壊(2026/5/19)

1年間に1万回!スターシップを打ち上げると語っています。ブースターやシップを再回収して使うので、30基あれば年間1万回打ち上げは可能だと豪語しています。上の投稿で明らかになった細部を見ると、彼の豪語はなんとか具現化するでしょう。

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1年間に1万回の打ち上げにより、毎年100GW規模の宇宙AIデータセンターを作ると語っています!

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現在でさえ、地上で計画中建設中のAIデータセンターは合計で25GW程度だそうです。原子力発電所25基分の受電容量です。これだけでもガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電機や大型変圧器などサーバールームの外の受電、変電の分野で特需が発生しており、供給逼迫が起こっています。

サーバールームの中の給電の世界でも、中身のGPUサーバーは別格として、1ラック100kWを超える電力密度を支える給電システム、UPS(無停電電源装置)などの分野で特需が発生しているものと見られます。昨日見たテレ東の番組では、ニデックの岸田社長がAIデータセンターの需要でモーターが飛ぶように売れていると言っていました(液冷システムのポンプ用モーターだと思われます)。

イーロン・マスクの宇宙AIデータセンターでは太陽光パネルを張り巡らして電力を得ます。太陽光発電では発生する電力が直流ですから交流->直流の変換は必要ありませんが、電圧をAI半導体が要求する0.8V等の超低圧まで落とすパワー半導体が必要になります。過酷な宇宙空間で起こる可能性のある瞬停に対応するためのUPSも不可欠です。

等々あり、現在精力的に調査中ですが、今判明しているのは、以下のような電機メーカー等において、このどでかい宇宙AIデータセンター向けの【特需】が発生するという、かなり確実な事実です。日本以外にこの種の電機デバイスを、それも格別に高品質の電機デバイスを安定的に供給できる国はありません。

三菱電機

NEC

古河電工

ルネサスエレクトロニクス

ローム

光通信

古河電工

浜松ホトニクス などなど

私に接触があったアメリカの大手銀行の動きからすると...おそらく、おそらくですが、アメリカにおいてこの関連の投資の準備が進んでいると推察できます。そりゃどえらい宇宙AIデータセンターなので部品等の需要も桁違いで、前もって大きな金額が動くことはほぼ確実でしょう。

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