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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

Twitter上の影響力を数値化するKlout Scoreの全容を解明してみた

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Twitterのフォロワーは多い方がいいのか、そうでもないのか。議論が続いてますね。先日も書きましたが、フォロワーが1万人以上いる方は「量は質に転化する」ということをおっしゃいます。一方で「フォロワーがたくさんいたって、影響力がなければ意味ないじゃん」みたいなことを言う方もいます。「影響力」…誤解を受けやすい言葉ですが、後々明らかにしていくことにしましょう。

今日初めてPC用TwitterクライアントHootSuiteを使ってみたところ、自分がリスト化している人のリスト表示の右端に、以下のような妙なマークと数字があるのに気づきました(なおこの画像はサンプル用に臨時リストを作成してキャプチャしたものです。リストに入れさせていただいた方々、どうもありがとうございます)。

Klout2


ヘンなマークはやはり「K」なんですね。マウスオーバーすると「Klout Score」の簡単な説明が出て詳細ページにリンクしています。詳細説明をよく読んでみました。

Klout Scoreとは、一言で言うと「Twitter上においてある人の影響が及ぶ範囲の大きさを数値化したもの」(a numerical representation of the size of a person's sphere of influence on Twitter)。0~100の指数として表現します。まぁ影響力指標ですね。どういう影響かはまた下で述べます。

これに類似したものは他にもいくつかあるようですが、詳細説明を読む限りでは非常にしっかりとしており、他の追随を許さない指標である可能性が高いです。何と25項目のデータをTwitterのAPIから得て、総合的に計算して0-100スケールの数字に落とし込んでいるのです。すごいとしか言い様がないです。以下でざっと彼らの算出ロジックを要約してみましょう(彼らの説明を今泉が抄訳的に意訳したもの)。

●基本ロジック
まず、ある人の影響の及ぶ範囲の大きさ(size of sphere)を、確実なリーチ(true reach)の計測によって得る。確実なリーチとは、関係ができているフォロワーの数からスパム、ボット、休止アカウントなどを除いたもの。
続いて、影響力の大きさ(strength of influence)をその人のソーシャルグラフにおいて発生しているインタラクティブなやりとりを追跡し、相手が耳を傾けている可能性、特定のメッセージに反応する可能性を勘案することによって得る(今泉注:実際には下記の「増幅を促す能力(amplification ability)」と「ネットワークスコア(Network Score)」とを使う)。

影響力とは「人に行動を促す能力」。この場合「行動」とは、リプライ、RT、ツイートに含まれるリンクのクリックの3つ。例えば、平均的なクリックスルー率は、その人のKlout Scoreと強い相関を持つことが明らかになっている。

算出式はこちらのリンクにあるもの。

Klout Scoreを算出することにより、1人のTwitterユーザーがフォロワーとどれだけ緊密な関係を取り結べているか、そしてそのフォロワーたちが他のTwitterユーザーたちにどれだけインパクトのあるメッセージを送り届けているかを明らかにすることができる。
(今泉注:特定のTwitterユーザーが持っているネットワーク=フォロワーを含めた影響範囲に関する指標だということ。フォロワーのフォロワーまでは計算範囲に入っている)

以下はKlout Score算出公式で使われる3つの要素(今泉注:なお、Standard Scoreが何を指すかはまったく説明がなく不明)。

●要素1:確実なリーチ(true reach)
確実なリーチは、ユーザーAのフォロワー数からスパムなどの無効なアカウントを除いたものがベースとなる。また算出にあたっては、ユーザーAのフォロワー数から、ユーザーAがほとんど影響を持っていないフォロワーをも勘案する。
例えば、ユーザーAが膨大なフォロワーを持っているユーザーBからフォローされているとしても、ユーザーAとユーザーBの間に何のやりとりもない、ユーザーAとユーザーBの間に共通のユーザーがいない、1つの話題に対してユーザーAとユーザーBが一緒にコメントしたりRTしたりすることがない、といった関係にあるユーザーBは、ユーザーAの真のフォロワーとは言えないため、差し引く対象となる。なぜなら、ユーザーAのツイートはユーザーBによって読まれておらず、ユーザーAはユーザーBにほとんど影響力を持っていないことが明らかであるから。

逆に、ユーザーCがユーザーAをリストに入れている場合には、ユーザーAのツイートがユーザーCによく読まれていることを意味し、ユーザーCおよびユーザーCのフォロワーに影響力を持っていることになる。これも確実なリーチの算出に加味する。
 詳細は上のリンクを参照(以下同)。

●要素2:増幅を促す能力(amplification ability)
増幅を促す能力とは、ユーザーAのメッセージがRTや会話の連鎖を生む可能性のこと。
他の人が何らかの反応を起こすツイートを作れる能力であり、ユーザーAのフォロワーを超えてツイートが広がる際のスピードを速めることができる能力でもある。
@付きコメントを多様なグループからもらっているかどうか、どれだけRTが多いか、ツイートが多すぎないか、あるいは少なすぎないか、などを勘案して算出する。

●要素3:ネットワークスコア(Network Score)
ネットワークスコアとは、ユーザーAのツイートをRTする人、@付きコメントをよこす人、リストに入れてくれた人、フォローしている人が、どれだけ影響力のある人かを示す数値。誰かがこれらの行動を起こした場合には、その人がユーザーAを信頼している、あるいはユーザーAのツイートが価値あるものだと認めていることになる。
フォロワーがより多くRT、@付きコメント、リスト化、フォローしてくれれば、ネットワークスコアは高くなる。言い換えれば、フォロワーとの間でインタラクティブなやりとりがより多く発生すれば、ネットワークスコアは高くなる。

これらの要素によってKlout Scoreが算出されます。上述のように25のデータ項目を使うそうです。すごいですね。またロジック的にも非常にまともというか、他にもっとよいロジックがあるのかと思わせるほどです。

上の画像を見ると、鳩山由紀夫首相はKlout Scoreが77K。もっと高いのは孫正義社長ですね、86K。浜田幸一氏も高い、84Kありますね。勝間和代氏はやや下がって76K。個人的に知っている方もご参考までに含めてみました。
坂田誠さんが58K。いわゆる著名人でない方でこの水準を出すのは至難の技だと思います。坂田氏はリアル/オンラインの双方で相当にアクティブに活動されています。ひらまつたかおさんが53K。ひらまつさんもかなりの活動派です。手前味噌ですが今泉が51K。その他の知っている方々と較べると今泉の方が高かったりするので、非常に謎です(^^;。

冒頭のフォロワーは多い方がいいのか、そうでもないのかという議論に戻ると、Klout Scoreを尺度に使う限りは、フォロワーが多ければ多いほどよい、ということにはならないようです。フォロワーが多い方でもKlout Scoreはさほど高くないというケースもあります。逆にフォロワーが1,000台前半でもKlout Scoreがかなり高い方もいらっしゃいます。

ここから言えることは、フォロワー数の多さがすべてではない、ということではないでしょうか。むしろ、自分の好きな人をフォローしたり、そういう人からフォローされるように工夫する。自分なりのツイートを楽しむ。楽しんでRTする。自分に好意を持っている人から自然にRTが発生する。@付きコメントの流れに乗っかって遊ぶ。そんなことをしているうちに、自然とKlout Scoreのような多面的な指標の数字は高くなると思います。影響力があるとは、自分が好きな人たちとゆるくつながっている状態だと思うのです。

追記。

以前、坂田さんが、フォロワーは500人ぐらいまではフォローミー関連のハッシュタグなどを使って増やし、そこから先は、色んな形でツイート内容を工夫し、自然にフォロワーが増えるように持って行ったほうがいい、ということを書いていました。私も同感です。適度におもしろいツイートを書き、RTしたりされたりしているちに、自然と1,000人にはなりますし、あとは、リアルイベントに出席してわいわいやっていると、すぐに2,000人にはなります。それぐらいでいいのかも知れません。

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