皆さまこんばんは。
秋の夜長はどこへやら、23時にはぐっすり睡眠、中村有紀です。
最近の楽しみは通勤時に電車から眺める二子玉川の景色です。
そんなある日のできごと。


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帰り道、先は長い。急行に乗り換えるため、二子玉川で下車した。
ホームの端から真ん中へ鈍行の発車に合わせて移動する。
最後尾の車両が私を追い抜くと、視界がぱっと開けて多摩川の夜景が
目の前いっぱいに広がった。

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ふと横を見ると、いかにも重そうなビジネスバッグを左手に持ち、
ホームからの夜景を眺めているおじさまがいた。
その背中は、とても疲れていて、なのに背筋真っ直ぐな背中。
「悲哀」という言葉がしっくりときた。
そのおじさまを見て、ふと遠い京都のおじを思い出した。

秋だからだろうか、その姿は私を感傷的にさせ、
おじに電話をしようとしかけた瞬間、急行がホームに到着した。

そして現実はそんなに美しくない。
間もなくやってきたその「急行」という名の
乗車率150%(中村感度による)に乗ったその瞬間から、感傷は戦闘へと変化。
立っているのも精一杯、息を吸うのもままならない。
さっきまでの感傷に浸っていたひと時はどこへやら……。
そんな秋もはじめの帰宅ラッシュでの1コマ。
中村 有紀

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