お題:「仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?」
ブログのネタというのは、なんとなく四六時中考えていて、前日から頭の中で構想したことを朝書くこともあれば、たった今経験し、心動かされた出来事をすぐ書いてしまうというケースもあります。
今朝は、特に何も思い浮かばなかったので、ふと、Twitterで「ゆるぼ:ブログに書くネタ。お題いただいたら、それについて書いてみる挑戦」とつぶやいてみたら、さっそく、頂きました。
「仕事で挫折したり、嫌になったりした時、どうやって立ち直ったのか知りたい」。
ありがとうございます。んで、「挫折」ってあったかなぁ・・・・と電車に揺られながら考えたのですが、「1億の損失を出した」とか「1年間冷や飯食った」とか壮絶な体験がないので、私の挫折なんて、「挫折」のうちに入らないなぁ、まずまず恵まれた方だなぁ、と思い至りました。
一方で、「嫌になった経験」というのはないわけではないのですが、それも一つ一つはくだらない(というか、その時はものすごく嫌だったけれど、今にして思えば、取るに足らないというか、今だったらそれを”嫌”と思わずうまく処理できたような)出来事だとも思え、はて、お題を頂戴したものの、なかなかうまくまとめられそうもないぞ、とぼんやりしているうちに会社についてしまいました。
そして今、思い出したのは、2004年の出来事です。これは、「あっぱれ上司!」(という連載コラム)にも2回目あたりで書いたのですが、仕事で行き詰っていることがありました。
関係者もまだ周囲にいるので、あまり詳細は書けませんが、とにかく、職場で私の所属部門のメンバには「あれしちゃダメ、これしちゃだめ、これだけやってろ」という方針だったのですね。(当時の経営者がそう打ち出した)
そしたら、手足もがれたような気分になり(同僚でも同じ思いを味わった人は何人もいて)、「自分は何のために仕事をしているんだろう」「こんな風に指示されたことだけを淡々とルーチンワークのようにこなすのが私がここにいる意義なんだろうか」と悶々とし始めました。
そうこうするうちに、ちょっとウツ的な症状が出始め、夜中に過呼吸(と今になっては思う)が起こったり、あれこれよからぬことを妄想するようになったりしました。
あれ?私、ちとココロというか精神がおかしいかも、と思ったものの、こういうことって誰かに相談しづらい。なんせ、すでに40歳を超えていたので。
そんな最中、ふと読んだ本の著者のことが気になり、この人に会ってみたいなぁーと思うようになりました。その年(2004年)は、私の初めての本(『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』)が出たばかりで、自分も本を出しているから、この本を書いた方に会うチャンスはあるのではないか、と考えたのです。
しかし、当時は、TwitterもFacebookもありませんでしたし、人脈も限られていたので、どうやったらその著者の会えるのかわかりませんでした。
ある時、プライベートな関係で年に2-3回飲む仲間の飲み会があり、メンバにJTBの方がいたので、「この本の著者もJTBの方らしいんだけど、面識ないですか?」と尋ねてみました。「ん? あ、オレ、知ってる。というか、同期! しかも、かなり仲いい同期だ」と言うのです。
うわーーーーーーーーーっ、びっくり。
「この著者のお会いしてみたいのだけれど、チャンスないでしょうか?」
「忙しいからどうかなぁ・・・でも話してみる」
それから半年以上経って、もうあきらめかけたある日、「ランチしない?」と誘われました。
「会わせてあげるから、パワーランチ!。会社出てこられる?」と。
その時の上司(今はいない)は、「あれするな、これするな」の人ではあったのですが、人の仕事をよく把握していなかったようで、「ちょっと打ち合わせがあるので外出したい」と言ったら、なぜかOKになりました。
それで12月の平日昼に青山まで出かけ、間に入ってくれたJTBの男性と、本の著者と私と3人でご飯食べたのです。その際、互いの本にサインしあうといったこともしました。
なんせ、本を書く方にお会いするのも、初対面の人にいきなり会うというのも人生初の体験で、がちがちに緊張してしまい、何を食べたか、どんな会話をしたかも覚えていません。
・・・・でも、「会いたい」と思ってみたら「会えるんだ」と実感したことと、このことがきっかけとなり、「社内」に目を向けていては落ち込むばかりであれば、「社外」に目を向けようと意識ががらっと変わったことが私自身を救いました。
その後、意識して(なんせ内弁慶のひきこもり体質)、社外に出るようにし、どこへ行ってもド緊張しつつも、セミナーで知らない方と名刺交換したり、何かの集まりに少しは出るように(パーティみたいなのは、今でも苦手です)したりしているうちに、社外に「ゆるいつながり」ができるようになりました。
それと並行して、うつ的な状態から自然と抜け出ていたのです。(病院にいくこともなく)
この時、いくつか学んだことがあります。
1. 狭い人間関係に目を向けてばかりいると、そこが楽園ならハッピーだけれど、そうでない場合、自分自身をどんどん追い詰めていく。でも、それはそこにいる人が必ずしも悪いわけではなく、そこから抜け出ていこうとしない自分にも問題がある。
2. 会いたいと思うと案外会えるものだ。その後、何人か「会ってみたい」と思っていた人にかなりの人数会えるようになりました。もちろん、こちらも年齢を重ね、キャリアも積んできたからこそというのもあるとは思いますが、それでも、「会いたい」と口に出すことから始めなければ会えるわけはなく。だから、「ダメ元で言ってみるもの」だ、と実感。
3. 社内に師匠が見つけられなくても世の中には何十億という人間がいて、そこには師匠になってくれる人はたくさんいる。そうやって「心の師匠」を見つけていけばよい。
なんてこと・・・。
「弱い紐帯」(よわい・ちゅうたい)という考え方があります。「強い紐帯」(家族や親友のようにすんごく濃い関係)よりも、案外「弱い紐帯」(なんとなく緩やかにつながっている)の方が、キャリア形成には役立つことも多いそうです。
こうやって、社外に出てみたら出来てきた「弱い紐帯」の人間関係は、私のメンタル面を救ってくれただけではなく、仕事への思いや考え方を整理するのにもうんと役立っています。
「嫌になったとき、どう立ち直ったのですか?」という問いに対する答えは、「社外に出てみました」です。
何かお役に立てたでしょうか?
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ちなみに、「この著者に会いたい!」と思った最初の本はこちら。
(Amazonの履歴を見ると、この本を購入したのは2004年7月3日。7月に組織変更があってその後どんぞこの気分を味わったのですが、味わうより先になぜかこんなタイトルの本を買っていたのですね。さらに、大塚さんに会えたのは、2004年12月20日ごろです。正確には覚えていませんが、年末でした)
そして、その時私がその著者である大塚雅樹さんにお渡しできたのが拙著。7刷のロングセラーです(自分で言うな!w)
★「お題頂戴する方式」、初挑戦しましたが、すんごく内省できて、自分のためになりました。「お題頂戴」方式、他のお題でも面白そうなので、これからたまにやってみましょう。Twitterで不定期に「ブログのお題ください」とつぶやきますので、「淳子さんの”これ”を聞きたい”」があれば、お返事くださいませ~。