人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタントの“つぶやき”を紹介していきます。
今週は、IT業界に詳しいキャリアコンサルタントの
2007年転職市場予測をお送りします。

*****

みなさん、新年おめでとうございます。

今回のテーマは「2007年の転職市場予測」。
これだけ「景気回復からIT投資が活発、ITエンジニアは売り手市場!」などと
煽られれば、転職希望者にとって本当におめでたい年になるような気がしますね。

だからこそ、間違った転職や転職リスクをヘッジするために、私たちエージェント、
コンサルタントは転職を煽るのでではなく、真のキャリア相談をすべきだと、
固い決意でおります(年初ですから)。

では、2007年はどのようなスキルを持った人材が求められているのでしょうか?
ちまたに飛び交っているキーワードから整理してみたいと思います。


●2007年問題でベテランエンジニアがいなくなる
  団塊世代の一斉退職でレガシーシステムがブラックボックス化する懸念が
  あるため、マイグレーション知識を持ったITエンジニアが注目されるでしょう。
  また、BPR(Business Process Reengineering)が絡むため業務知識も必要と
  なるでしょう。

●金融業界の再生により、金融向け案件の増加
  システム開発案件が途絶えない金融業界におけるコンサルタント、SE不足は
  続きます。スクラッチだけでなくパッケージ導入も注目です。

●大手企業が学歴不問、経験重視
  大手システムインテグレータは、一貫したインダストリーやテクニカルスキル、
  マネジメント力など、経験に基づく高い専門性を求めてベテラン層にも
  オファーを出しています。

●内部統制、J-SOX、法改正対応のIT再構築
  ITベンダが投資を期待する内部統制では、ユーザー側・ベンダ側問わず会計
  周りの知識や、ネットワーク、セキュリティ対策、IT監査、リスクマネジメント
  が重要です。これらのスキル保有者のニーズが高まると思います。

●M&A、子会社統合、バラバラなITシステムたちをまとめるガバナンス
  M&A案件が急増している中、今後はコントロールやITガバナンスの確立など、
  仕組み作りに必要なスキルを持った人材が必要とされるでしょう。膨大なDB管理
  やソフトウェアベンダが気合を入れるビジネスインテリジェンスニーズに対応
  できるスキルにも注目です。

●ECのさらなる普及、Web 2.0とモバイルテクノロジ
  J2EEや.NETによるミッションクリティカルな分野への進出以外にも、オープン系
  やWeb系の開発において、先端技術を持つ(関心を持つ)ITエンジニアは相変わ
  らず求められるはずです。


2007年の予測を書きましたが、ITエンジニアの皆さんには、
市場の売り手/買い手のトレンドに関係なく、
どんな時代にも必要とされる人材でいてほしい
 と願っております。
日進月歩、秒針分歩のテクノロジを武器に、急な変化に柔軟に対応しながら、
顧客の問題解決、価値の創造・提供を楽しめる人間性。
そんな人たちは2007年も活躍されるでしょうし、さらに良いご縁やハイキャリアを
目指すことができるでしょう。

ねえ、番長?



                          テクノブレーン  神戸 崇


*****

はい! 神戸さん!

ワタシもそう思います。
テクノロジは武器、それを使う「あなた」が主役。
武器を使うだけのオペレーターではなく、それを使って価値を創りあげる
クリエーターに、そしてその“創造”を楽しめる粋人こそ、いつの時代も
不動のモテモテさんなんだね。


                     生きざま番長 鈴木麻紀


※ 本内容は、メールマガジン「週刊JOB@IT」に掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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コメント
吉田 賢治郎 2007/01/16 00:04

 いつも、他の方と違う視点の投稿を見て楽しんでいます。 私も年に2、3回転職の声をかけていただきます。 職種や年齢によってことなるかもしれませんが、これだけ技術者が不足しているにも関わらず、「新しく日本に進出する会社のDirector」とか、「伸び盛りのベンチャーの国内営業部門長」のような話が多いように思います。
 私は技術者ではありませんが、これだけ技術者が不足しているのに、沢山のすばらしい技術者が、組織の中に埋もれていると感じます。本当に能力のある技術者がもっと流通、転職していく時代になるといいと思っています。彼らにいいチャンスを与えてあげてください。

ばんちょ~ 2007/01/16 20:59

>吉田さん
はじめまして! ワタシも「けんじろうさんと何とかしてコラボれないものか」と、虎視眈々とねらいつつ拝見しておりました。
転職を推奨するわけではありませんが、1つの場所にいるがために、自らの可能性を小さくしてしまっている人もおられるかと思います。最終的にどんな進路を選択するかは本人の判断としても、小さな世界に閉じこもらず周囲の世界にも目をむけるのは良いことだと思います。仕事も恋愛も。


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