人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタントの“つぶやき”を紹介していきます。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

転職は、人生の中で数少ない自己を売り込む機会です。

転職プロセスでの自己の売り込み方法は、通常2つの方法しかありません。
「職務経歴書」と「面接」の2つです。
これまで転職コンサルタントとして、多くの求職者と接してきましたが、
その売り込みの際に、売り手の論理にとどまり買い手の論理になっていない方が、
意外に多いように感じました。

特にキャリアが豊富な方が、このケースに陥ってしまうことが多いようです。
それは、「自分にはキャリアがあるから相手が評価してくれるだろう」という
思い込みがあるからではないでしょうか。
突き詰めて言うと、採用の評価で大切なのは、

「自分がどのようなキャリアを持っているか」
ではなく、

「求人企業にとって、自分を採用したらどのようなメリットがあるのか」
なのです。

求人企業の事業内容や方向性、求人ポジションで期待される役割、課題に照らして、
「自分は、このような貢献ができます」
というところまで掘り下げて経歴書に書かれていますか?
面接でアピールできますか?

点検してみてください。


                   アビリット 鍛治 豊顕(かじ とよあき)

*****

おのれを売り込む

やー
恥ずかしいですねぇ
照れちゃいますねぇ

合コンで「あたしって、料理が得意なのぉ(はぁと)」
と作り声でアピールする女をイメージして、しり込みしちゃう。
できることなら そんなこっぱずかしいアピールはしないですませたい。
素のままの自分に、ある日誰かが「好きです」って言ってくれないかしら……

なぁんて、思ってませんか。

大丈夫。そんなこと滅多にないから。
人と人は、お互いにお互いのどこか惹かれあって 恋に落ちる。
自己売り込みとは、「料理が得意なのぉ」の押し売りではなく、
お互いの惹かれる部分を披露しあうことなんだと思います。

企業と社員も一緒。
お互いの何かに惹かれあって、特別な関係(雇用)に至る。
そのためには、お互い適切な自己売り込みが必要なわけですね。

「ぼく、開発が得意なのぉ」だけでは惹かれないなぁ。


                  生きざま番長 鈴木麻紀


※ 本内容は、メールマガジン「週刊JOB@IT」に掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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コメント
ooki 2006/11/20 13:24

ばんちょ~の最後の一行、わかりやすいですね~。
「ぼく、開発が得意なのぉ」には惹かれませんね、確かに。
「これからはJAVAなので・・・」とか言われるのも全然惹かれません。
面接時に、会社情報を初耳のように聴いている人も違うんでしょうね。
好景気になる度に、日経新聞で「SE1,000人採用」とか載る企業は良いのかなぁ、たぶん。。。

ばんちょ~ 2006/11/21 00:56

転職も愛情も友情も、相手が惹かれないものをアピールしても、空回りですわね。
うむ。

とおりすがり 2006/11/21 01:01

このセリフは企業側、特に人事に言いたいものですね。見事なまでに会社の宣伝をしていませんよ。
その企業に雇われることによって、転職者にとって一体どんなメリットがあるのか。それを全くアピールしていない企業がほとんどです。
特に名前の売れた有名企業(有名だからと言って一流でないことは、転職者には既にバレていることが多い。)にこの傾向が強いようです。

ばんちょ~ 2006/11/24 20:42

>とおりすがりさん
確かに、たしかに。
求人“広告”というだけあって、世にある求人雑誌やサイトの情報は、かなり一方的。
求職者が本当に知りたいことは、分からずじまいですよね。
だからこそ「みんなの就職活動」が盛り上がったり、半信半疑ながらも「2ちゃんねる」で情報収集したりするのかもね。


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