生きざま番長 鈴木麻紀です。
連休の中日、@IT自分戦略研究所の人気連載「転職。決断のとき」の取材に同席しました。
「転職。決断のとき」は、@ITジョブエージェントを通じて転職したITエンジニアに取材
をして、彼らの転職までの経緯や後日談、どんなことに悩み、喜び、そして何が「転職」
という決断をさせたのか、といった軌跡を追うものです。

今回取材したのは、落ち着いた雰囲気が魅力的なITコンサルタントのPさん。
学生時代から転職に至るまで、根掘り葉掘り聞いちゃいました。
その中で印象的だったエピソードをひとつ。

前職で一時期「火消し隊」のような仕事をしていたPさん。
数々の火を沈下させてきた彼に「火消し」のコツを尋ねると

“プロジェクトがたどる道に空いている穴ぼこを見つけ、
 火が小さいうちに穴をふさぐことです”

とのこと。プロジェクトが大きくなったり、メンバーの経験値がそれに追いついていないと
往々にして、見落としや計算違いが起こりがちだけど、早い段階で対処すれば、ボヤですむ
ことが多いのだとか。
では、穴ぼこをあけないようにするためには、どんなことに気をつけたらよいのでしょう?
との問いにはキッパリと

“あたり前のことを、あたり前にやることです”

うむ。深い。
気を抜かず、楽をしようとせず、正しいことを正しくしなさい。
と番長には聞こえました。Pさん! あなたの誠実さ、受け止めたぜ!

帰宅途中、友人から借りた「プロフェッショナル 仕事の流儀1」を読む。
ここでも「あたり前」にこだわる、ひとりの仕事人と遭遇。
その仕事人はパティシエの杉野英実さん。いわく、

「あたり前のことが一番難しい」
「あたり前のことをきっちり守っていけば、そのお菓子の本当の味が出せるのに、
 つくり手が少し気を抜いただけで、本来の味とはまったく違ったものになってしまう」
「あたり前を積み重ねると特別になる」

プロの定義にはいろいろあるけれど、
「あたり前のことをする」、「あたり前のことをできる」
そして、「あたり前のことをやり続けられる」
をプロの条件にいれてもいいかもなぁ、と思ったノンプロ番長でした。

鈴木 麻紀

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コメント
デコ 2006/10/10 21:08

こんばんは。番長さん。どんな仕事でもそうありたいですね。
逆に「あたりまえのことが、あたりまえのようにできなくなってしまっている」。そんな状況に自分で気がついて、再チャレンジできる人も少なくないと思います。
先週、NHKのプロフェッショナルの流儀の再放送で出演していたロボット技術者の方も、あるきっかけで30代過ぎから、猛烈に再チャレンジされていました。
ところが、どうもそうではない人もたくさんいるような気がします。そんな時、まわりの人がそっときっかけを与えることができればよいですね。
(僕はそこまで懐が深くなくて・・)

貧乏神 2006/10/12 05:52

プロにとっては「当たり前」でも、素人にとっては「前代未聞」なことってよくありますよ。だから素人が束になっても「当たり前なこと」を積み重ねていくことができません。

ばんちょ~ 2006/10/12 21:15

デコさん。こんばん・ぱー!
「あたりまえのことが、あたりまえのようにできなくなってしまっている」
↑人生の午後(40歳以降)は、仕事だけでなく健康面やなんかでもこれに直面する機会が増えて、自分の今後を見つめなおすことが多いそうですよ。
ばんちょ~も懐アサコですが、誰かの何かのきっかけになれるのなら、頑張っちゃうなぁ。

貧乏神さん
そうですね。
「スペシャルなことをあたり前のようにできる」ことも、プロのプロたるところかもしれませんね。
そういう部分と、「1つ1つは何でもないことを手を抜かずに日々行う」ことが、ひいてはスペシャルになるのも事実だと思います。

パティシエの杉野英実さんは、パリで憧れのお菓子職人の弟子になったときに、その美味しさの秘密が特別なレシピや手順にはなかったことにビックリしたそうです。
他店と同じ材料を使っていても、その工程の1つ1つに神経を集中させ丁寧に行うこと。この積み重ねがスペシャルに美味しいお菓子になるんですって。

田中 晃 2006/10/19 20:26

>鈴木さん

「あたり前のことをする」、「あたり前のことをできる」
そして、「あたり前のことをやり続けられる」これは簡単そうに見えて難しいことですよね。参考になります!

ばんちょ~(鈴木) 2006/10/19 21:12

はじめまして、田中さん。
たぶん。一番難しくて、一番大切なのは「やり続ける」ことなのでしょうね。
田中さんの書かれた「『与える』ことの大切さ」のテーマ「信頼」も、一朝一夕に築けるものではなく、日々の「やり続ける」の結果生まれるものですものねぇ。

『与える』ことの大切さ
http://blogs.itmedia.co.jp/akilat/2006/10/post_a9de.html


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