MBA

2006/09/14 Book Review

こんにちは
転職サーチ担当の平岡です。

「見たモノ」
「聞いたコト」
「感じたトコロ」
をお伝えできればと思っております。よろしくお願いします。

先日読んだ本のご紹介

「MBAが会社を滅ぼす」ヘンリー・ミンツバーグ著 日経BP社

「MBA幻想」にだまされるな!! というテーマで経営学の権威であるミンツバーグ氏が、人材・マネジャー育成の方法を書いている本。

私にとってはとても難しい本で、本質はつかめていないかもしれないが、

MBA(ビジネススクール)の歴史や現状を解説しながら
・MBA教育は、時代遅れと言い切ってしまっている
・持論(新たな教育プログラムの構築をすべき)と提案している

このあたりがとても興味深かった。

…と、今日はこの本を宣伝したいわけではなく、この本を読みながら思い出した、以前在籍していた会社での話を。

今から5年前。当時は欧米MBAの人気が全盛で、転職支援の仕事をしていた私は、転職希望者から「MBA」という言葉を毎日のように聞いていた。

そのわりにMBAに関しての知識は、有名校の名前や費用、教わる内容ぐらいしか知らず、本来の目的や存在意義に関して深く考えたことは無かった。

そんなある日、コンサルティング会社出身の顧問に「2年という時間と900万円ぐらい※の大金を使ってもMBAの方が有益なんですかね?」と軽い気持ちで質問をした。
※当時の私の認識です。正確かどうかはわかりません。

顧問はこう答えました。

「完全に否定するわけではないけど、僕はMBAの方が有益とは思わない」

「どうしてですか?」と聞き返したら

「たくさんのポケット(基礎知識)は手に入るけど、そのために時間と大金を投じるのはオススメできない」と顧問。

「でもポケットは手に入るんですよね?」と聞くと

「確かに。でも中身のないポケットはそのままでは何の意味も持たない。時には害にもなる。知識や経験を溜め込むことができるのも事実だが、残念なことに2年間では中身までは詰め込めない」

「なるほど~」

…という会話をしたのですが、本当の意味で私は理解していなかったようでした。
今回この本を読んでそれを理解した気がします。

そんな私はMBA擁護派(なんじゃそりゃ)でして、簿記や自動車免許といった資格と考えれば非常に有効かな?と。

ただし過剰な信頼は禁物で、たとえるなら自動車免許を取得すればF1レーサーのような運転技術が身につくわけではない、簿記を持っているけど経理実務がない人に会社の経理全部を任せるのは危険、ということを知っておけば、MBAはとても有効に活かせると思っています。

みなさんはMBAに関してどう思われますか?

平岡 健

Special

- PR -
コメント
堀内 2006/09/15 15:38

> みなさんはMBAに関してどう思われますか?
月並みですが、何を期待するかによると思います。
海外のMBA紹介事業の方から聞いた話では、MBAの途中で悩み相談に来られる方がひとりならずおられるとか。お金と時間と苦労を掛けてMBAを取る意味を見失い、不安になる方もあるそうです。

平岡 2006/09/15 20:49

>お金と時間と苦労を掛けてMBAを取る意味を見失い、不安になる方もあるそうです。

初めて聞きました。
MBA取得の意味を見失うとは、いったいどういう心境の変化があるんでしょう?

きょこ 2006/09/15 23:10

青学の大学院に行っていたとき、MBAの講義も履修できたので、MBA取得の方とたくさんお友達になりました。日本のMBAなので、上記で言及されているものとは違うと思いますが、その人次第という感じがしました。その後の進路を見ても、会社の幹部として活躍されている方、ベンチャーキャピタルで活躍されている方、コンサルタントとして活躍されている方などもいれば、代わり映えのしない方も。

MBA取得といいながら、ブレストのときに、「その意見はずれてる!」と叫んで会議を中断させた人も知っています。ブレストなんで、ずれてる意見もOKという手法のはずなんですが・・・

ちなみにある意地悪なネットのビジネス用語集には
MBA=会社にいる、理屈屋を預かってくれる幼稚園と書いてあるそうです、ひ、ひどい・・・

平岡 2006/09/19 14:45

>MBA=会社にいる、理屈屋を預かってくれる幼稚園と書いてあるそうです

これは暴言ですね。ただそういう認識をされてしまうところが現状のMBAが抱える課題なのかもしれませんね。

個人的に日本MBAの取得者がもっともっと活躍して欲しいと思っています。

日本語に慣れ親しんでいる人が、日本のMBAを取得することは、とても自然ですし、当然内容を理解しやすく、身につきやすいと思うからです。


コメントを投稿する
メールアドレス(必須):
URL:
コメント:
トラックバック

http://app.blogs.itmedia.co.jp/t/trackback/77444/6529600

トラックバック・ポリシー


» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

鈴木麻紀と丸の内ファイブ

鈴木麻紀と丸の内ファイブ

アイティメディアで、スキル/キャリア関連サービスを企画・運営しているチーム。

詳しいプロフィール

カレンダー
2012年6月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ikizama
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
最近のトラックバック
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ