人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタントの“つぶやき”をご紹介していきます。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

以前、ソフトウェア業界未経験の方から「プログラマとして働きたいのですが」
という相談を受けたことがあります。彼と話をしてみると、ソフトウェア業界に
ついてまったくご存じでなかったので、まずは業界イメージについて質問してみ
ました。

すると彼から「おしゃれで、格好良くて、時間が自由なイメージです」という
回答が返ってきました。
「これはまずいな……。まずは現実を知ってもらわなければ」と考え、私は彼の
イメージと現実との溝を埋めていくことから始めました。

・体力的にも精神的にも消耗するハードな業界である。
・比較的残業時間が多い(終電時刻が基準になることも多い)。
・会社に泊まりこむことも、問題が起これば夜中に呼び出されることもある。
・日々進歩する技術を習得するため、常に勉強が必要な厳しさがある。

などといった、業界の厳しさを説明し、逆にやりがいの面については

・開発工程が厳しいからこそ、乗り切った時に達成感があり、爽快である。
・開発したシステムが社会貢献していることにやりがいを感じられる。
・スキルさえあれば、どこでもやっていける実力の世界である。

といった内容の話をしました。
彼は私の話を聞き終えて、少しの沈黙の後に次のような前向きな発言をしてくれ
ました。

「自分が業界についてまったく知らなかったということを認識できました。想像
 以上の厳しい現実を知ることができて良かったです。ただそれを聞いて、より
 強くプログラマとして働きたいと思いました」

その後、彼は転職活動を始め、今月いよいよソフトウェアエンジニアとしてデビ
ューすることになりました。

転職後すぐ退職する理由の1つとして、理想と現実のギャップが挙げられます。
そのギャップを転職前に少しでも埋めることのできた彼は、きっとくじけること
のないエンジニアとして、今後ご活躍されることと思います。
私たちキャリアコンサルタントは、転職希望者の理想と現実の溝を埋めるのも仕
事の1つです。転職をするときはイメージだけで判断せずに、私たちからの情報や
ご自身で調べた情報など、事前にいろいろな情報を集め、それを「自らの意思で
判断すること」が重要だと私は思います。

アデコ 関西支社 辻 貴由

*****

おしゃれで格好いいと思っていたIT業界が、実はとてもハードな業界だったり、
華奢で可憐なあの娘が、カツどんペロリの大食い女だったり、
ジミで根暗に見えた彼が、テニスの達人だったり……

ギャップは何にでもつきもの。
そのギャップを楽しめるようになったら、人生ワンランク楽しくなるかもね。

                                                                   生きざま番長 鈴木麻紀

*本内容は、「週刊JOB@IT」のメールマガジンに掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

Special

- PR -
コメント

コメントを投稿する
メールアドレス(必須):
URL:
コメント:
トラックバック

http://app.blogs.itmedia.co.jp/t/trackback/77444/3170984

トラックバック・ポリシー


» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

鈴木麻紀と丸の内ファイブ

鈴木麻紀と丸の内ファイブ

アイティメディアで、スキル/キャリア関連サービスを企画・運営しているチーム。

詳しいプロフィール

カレンダー
2012年6月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ikizama
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
最近のトラックバック
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ