人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタント“つぶやき”をご紹介していきます。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

@ITジョブエージェントでスカウトメールをお送りしますと、意外に多くの方が、
「(お互いの時間の無駄を省くために)お会いする前に案件を
 ご紹介いただけません?」と返信してこられます。
実はこれが非常に困ってしまうんですよ(笑)。

私が案件をご紹介する場合、“社風”などが重要な要素になりますが、
お会いする前ですと、まったくその方に合わない社風の企業をご紹介する
可能性が高くなります。
また、実際にお会いしない限り、コミュニケーション能力などの書面上からは
推測不能な能力については一切把握できません。

要するに、いかに人材コンサルタントといえども、お会いしない限りはプロとして
適切な案件をご紹介することはできない、というのが結論です。
また、案件のご紹介だけではなく、模擬面接の指導なども含めたその後のフォロー
こそが重要ですから、少なくとも2~3回、場合によっては9~10回と求職者の方との
面談を重ねることになります。
従って、最も重要な最初の“会うこと”を省略すると、その後のプロセスがまったく
始まらない、という結果になってしまうのです。

考えてもみてください。
「書類上のスペックがあまりにも素晴らしいから、
 面接は一切省略して内定を出そう!」などという企業があるでしょうか?
仮にあったとしても、そんないいかげんな企業には入るべきではありません。

1時間程度の面接を数回重ねたところで、その方のすべてが企業側に伝わるとは
思いませんが、それでも、そのプロセスを経ることによって、お互いのリスクは
大いに軽減できるはずです。
また、それ故に、企業側もあえて時間とコストをかけて、求職者との
コミュニケーションを重ねるわけです。

求職者対人材コンサルタント、求職者対企業、すべて同じだと思います。
どうか“会うこと”を面倒がらずにご連絡ください。

テクノブレーン 柴田 厚

*****

ずっと前の話ですが、とあるIT系人材派遣会社の営業の方が
ぼやいていたことがありました。

「ITエンジニアの方は、なかなか姿を現さない」

職務経歴書とスキルシートをメールに添付して、
「自分の経歴に希望に合った仕事を、紹介してください」
という方が多いのだとか。
でも、やっぱり会わないと仕事の紹介はできないそうです。
書類の段階で、ある程度は能力的にフィットするプロジェクトを
見つけることはできますが、相性が良い仕事を探すのは難しい
とのこと。

恋愛と一緒。
(昔ならともかく)1度も会ったことがない相手と結婚なんて
考えられないですものね。

                                            “生きざま”番長 鈴木麻紀

*本内容は、「週刊JOB@IT」のメールマガジンに掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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コメント
どんがばちょ 2006/03/15 21:20

ばんちょ~こんにちは
私のお付き合いしている人に、何かを断るときは必ず会いに来る人が居ます。必ずです。来て何を言うかというと『せっかくの話なのにすみませんでした。ぜひ、今後ともよろしくお願いします』と、それだけなのです。それでも訪ねて来られます。どう思われますか。私は、その人の事がとても好きになりました。
何度、デートに誘っても会いに来てくれない意中の人は、どのようにして口説けばよいのでしょうか?おせ~て(苦笑)

maki 2006/03/16 00:51

わー、すばらしい方ですね。
なかなか出来ないことですが、見習いたいと思います。
で、意中の人ですが。考えられるのは、
1. 相手はまだその気がない
2. 本当に時間に余裕がない
3. その両方
でしょうかねー。
会いに来てくれるのを待つよりも、会いに行った方が
良いのでは?


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