毎週月曜日にお送りしている、キャリアコンサルタントの“つぶやき”。
今日は、この1年の「エンジニア転職事情」を振り返ってもらいました。
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あっという間に年の瀬。
この1年、エンジニアの方にとって転職市場はどういうものであったかを
振り返ってみました。
今年はまさに「エンジニア売り手市場」の年であったと思います。
ITバブルがはじけて一時は落ち込んだかと思われたIT業界の採用マーケット
でしたが、世間の景気回復と歩調を合わせるようにIT業界も好景気となり、
人不足が加速してきました。
その結果、大手企業の大量採用がスタートしてマーケットに大きなインパクト
を与え、今年の転職市場においては給与の高騰に拍車がかかってきました。
特に、業界でいえばシステムインテグレータ、職種としてはWeb系の開発エン
ジニアのニーズが多くありました。
今年ほどJavaのエンジニアの市場価値が高騰したことはありませんが、来年も
同じようなトレンドになるのではないかと思っています。
大手企業が積極採用をしたということは、成長著しいベンチャー企業にとって
は厳しい採用状況の年であったということです。
しかし、日本の産業構造を考えたとき、オンリー・ワン的な技術を持っている
のは意外とベンチャー・中小零細企業ということが多くあります。
私は、世界に誇れる技術やノウハウのある企業が大きくなっていくと良いなあ、
と思っていますので、今後のIT業界を考えると成長著しいベンチャー企業に
エンジニアが流れにくくなったことに、一抹の不安を覚えます。
また、給与の高騰に拍車がかかったことにより、今年、転職された方の多くは
給与が良くなったのではないかと思います。
そして、入社後 早期に退職されるケースも増えたような気がします。
早期退職の理由としては、転職時に高給与に引かれたはいいけれども、入社前
のイメージと入社後の現実にかなり開きがある、といったものが多かったのが
印象的でした。
ITエンジニアは、年収だけではなく、やはり自分が積めるキャリアにも強いこ
だわりや興味をお持ちなんだなとあらためて感じました。
数年後エンジニアの需要が落ち着いたときに、本当のキャリアを持っている人
が生き残るのではないかと思います。
今後のキャリアの積み方はしっかりイメージしていくべきだと思います。
われわれのビジネスは企業と人材を結びつける「縁結び」のお手伝いをしてい
るわけですが、そこで重要なのは正確な情報です。
今後もノウハウ構築などを積極的に推進していきながら、現在のような
「エンジニア売り手市場」の中で、エンジニアの方が、待遇面でもキャリア面
でもプラスになる転職を1人でも多くサポートできればと願っています。
皆さんも良いお年を!
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今年は、近年まれに見る「転職ブーム」。
電車の広告にも、転職がらみのものを多く見かけましたね。
このブームにのってステップアップできるのか、ブームに利用されて
後々ツブシが効かなくなる選択をしてしまうのか。
それは、転職を含めたキャリアを考える個人個人が、いかにキチンと
自分の意思を持って自分の運命を選択していくかにかかっていると
思います。
不肖鈴木、いちキャリアカンセラーとして、働く全ての人が、自立的に
自らの運命を切り開いていくのを、微力ながら応援していきたいと願っ
ています。
みなさん、よいお年をお迎えくださいませ。
“生きざま”ガイド 鈴木麻紀
*本内容は、「週刊JOB@IT」のメールマガジンに掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。
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