人生の重大な転機の1つ「転職」。
毎週月曜日は、人材紹介会社でエンジニアの「転職」と向き合っている
キャリアコンサルタント“つぶやき”をご紹介していきます。
さてさて、本日の“つぶやき”は……

*****

先日、20代のSEの方が転職相談にみえて、「結婚のために転職したい」という話に
なりました。実は彼女のお父さんが「不安定な会社に勤めている男に娘はやれない」
と結婚を反対しているというのです。実際彼の勤め先は赤字が続いている状態で、
   『家長=安心できる男=安定企業に勤めている人』

という図式があるお父さんを説得するためには、もう転職するしかないと。

安定企業=大手企業と単純に考えた彼の当初の希望は、名の通っている大手企業に
転職することでした。もちろんそれが実現できればことは解決するわけですが、
当然競争率が高く、残念ながらプロマネ経験がない彼は、いますぐ超大手へ転職
するのが難しい状況。

そこで広いポジションで採用を行っている“大手の系列企業”を目指してみては
どうか、と提案したのです。転職に成功すれば「あの○○と△△の出資によって
設立された戦略企業で働いている」といえ、彼女のお父さんに安心してもらえます。
一歩上流の仕事に携われるようにもなり、SEとしてのキャリアアップにもつなが
ります。

結局、シンクタンクとコンピューターメーカー大手の戦略子会社に内定が決まった
彼は、予想どおり彼女のお父さんを満足させることができました。会社自体はもち
ろん、年収が100万円近くアップしたこともお父さんが思い描く“家長”に合致した
ということでしょう。入社時の保証人に、その厳格なお父さんがなってくれたとい
うのが、何よりの証拠です(笑)。

親や配偶者の反対で、内定獲得後に転職を辞退するケースもあるのですが、逆に彼
のように周りを説得するために転職するというケースも意外とあるのですよ。彼ら
の次なる問題は、新しい会社への入社が先か、結婚式が先かということ。
ただそれに関してはお二人で解決されたようです。相談ではなく
「無事結婚式を挙げました。ありがとうございました」
とのうれしいメールが届きましたので(笑)。

リクルートエージェント 江川 理絵

*****

転職と結婚の両方を手に入れたエンジニアくん。
思い切って行動した結果が 吉と出た例ですね。
“愛”は人を動かすのか……遠い目

                                                                      “生きざま”ガイド 鈴木麻紀

*本内容は、「週刊JOB@IT」のメールマガジンに掲載された「エージェント ウラ日記」に加筆修正したものです。

鈴木 麻紀

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コメント
Emie Kayama 2005/11/22 12:16

法律的には戸主制度は姿を消したのですけど、親の世代の意識には深く根付いているようですね。それでも世帯主としての気概を得て義父との関係が良好になったなら、それはそれでよかですたい。
私の父は私の彼が同業他社と知ったとき、明らかにうろたえておりました。後から「社員寮はやめなさい」とか(笑

maki 2005/11/22 12:47

うむ。
ワタシの経験値では、気にするのはお嫁さんのご両親。
契約社員や派遣社員、フリーという働き方に、普段は「雇用形態なんて気にするな」なぁんて
理解あるおじさまが、いざ娘の婿となると
「そんなフリーターみたいなやつにうちの娘はやれん!」となったり。
(お父さんの頭んなかでは、正社員以外はみーんなフリーター)
しかし、オトコノコに「結婚したいから、退職したい」って言われたら、会社も引き止められませんにゃぁ。

就職活動 2006/07/30 21:32

「君のためなら何でもする」というような台詞をドラマで聞きますが、転職までするとは驚きです。

生きざま番長 2006/08/01 01:32

「君のために」はきっかけかもしれないですね。
結果的に「僕達のために」にできれば、転職も成功かと思います。


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