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リサーチのプロとして長いこと歩んできた今泉大輔です。ChatGPT出現以降、Facebookで「ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探って行く勉強会」を立ち上げ、「ビジネスパーソンにとってのAI」の観点で米国情報を収集して来ました。知的アウトプットの質と量を向上させるプロンプトの開発にも取り組んでいます。

【時短ChatGPT投資】NVIDIAのAIデータセンター向け製品をサクッと知る方法

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NVIDIAは世界最大の半導体会社とは言え、その辺の商店で製品を売っている訳ではないので、どういう凄い製品があって、どういう風に売れているのか?ということは、普通は皆目わかりません。
しかし今はChatGPTがあります!プロンプトを工夫すれば、NVIDIAの主要製品をサクッと知ることができます。特に現在の稼ぎ頭であるAIデータセンター向けの製品や次世代の製品を知ることが、簡単にできます。

NVIDIAのAI関連製品を知るためのプロンプト

以下のプロンプトを無料版のChatGPTに入れてみて下さい。NVIDIAのAIデータセンター向けのGPU Blackwellから次世代GPUの名称、AI関連の新市場である産業用デジタルツインのプラットフォームOmniverseやPhysics AI(物理AI)の概要を知ることができます。

プロンプト:
あなたは米国株(特にNVIDIA)に関心がある日本の個人投資家向けのアシスタントです。

次の手順で作業してください。

1. 2025年現在のNVIDIAのAIデータセンター向け製品を調べてください。
- GPU製品(Blackwell世代、および次世代Rubinアーキテクチャを含む)
- AI向けCPU(Grace、Veraなど)
- AIプラットフォーム(Omniverse、NeMo、DGXシリーズなど)
- その他、Physics AIのような最新の技術や製品情報も追加してください。

2. 各製品カテゴリごとに以下の形式で整理し、日本語で簡潔にまとめてください。

【製品カテゴリー名】
- 製品名(世代名や型番)
- 特徴や用途:
- 提供開始時期(または計画):
- 投資家視点での重要性や注目ポイント:

投資家が正しく理解できるよう、専門用語はできるだけ分かりやすく補足してください。

サクッと出てきた回答(長いです)

以下が回答です。長いので一部掲載に留めます。興味のある方はご自分のChatGPTでお試し下さい。出てきた用語でわらかないものがあれば、どんどんChatGPTに質問して下さい。親切に教えてくれます。なお、本ちゃんの回答にはリンクが付いていて、情報源に飛べます。

【GPU製品】
Blackwell世代(B100、B200)
特徴や用途:
B100:2つのGB100ダイを1つのパッケージに統合し、NV-HBI(NVLink 5.0プロトコルに基づく)で接続。これにより、キャッシュコヒーレンシーを維持しつつ、大規模なAIモデルのトレーニングと推論に最適な高性能を実現。
B200:HGX B200ボードやNVL72ラックスケールシステムなどの製品に組み込まれ、AIワークロードの効率的な処理をサポート。
提供開始時期:
B100およびB200:2024年3月に正式発表され、同年内に提供開始。
投資家視点での重要性や注目ポイント:
高い需要により、2025年の生産分が既に完売していることから、NVIDIAの市場支配力と収益性の向上が期待される。

次世代Rubinアーキテクチャ
特徴や用途:
次世代のGPUアーキテクチャとして、Blackwellの後継となる予定。詳細な仕様や特徴は未発表だが、性能向上と新機能の追加が期待される。
提供開始時期:
公式な発表や提供開始時期は未定。
投資家視点での重要性や注目ポイント:
NVIDIAの技術革新と市場競争力を維持するための重要な製品として、今後の発表に注目が集まる。

中略

【AIプラットフォーム】
Omniverse
特徴や用途:
物理的な環境やオブジェクトのデジタルツインを作成し、シミュレーションやコラボレーションを可能にするプラットフォーム。製造業やエンターテインメント業界などでの活用が進んでいる。
提供開始時期:
2021年に初期バージョンがリリースされ、その後継続的にアップデートが提供されている。
投資家視点での重要性や注目ポイント:
デジタルトランスフォーメーションの推進に寄与し、新たな収益源として期待される。

中略

【その他の最新技術】
Physics AI(物理AI)
特徴や用途:
Cosmos World Foundation Model (WFM):物理空間を理解し、動作するAIの開発を加速するための基盤モデル。テキスト、画像、ビデオなどの入力と、ロボットのセンサーや動作データを組み合わせて、物理ベースの仮想環境を生成することが可能です。これにより、倉庫や工場などの産業環境や、さまざまな道路状況を含む運転環境の高品質なシミュレーションが可能となります。 また、デジタルツインプラットフォームのOmniverseを用い、Apple Vision Proで可視化されたデジタルツイン空間で、人間が動作することにより、その動作をロボットに学習させることができるようになります。
提供開始時期:
2025年1月のCESで発表され、同年内に提供開始予定です。
投資家視点での重要性や注目ポイント:
物理空間でのAIの活用は、ロボット工学や自動運転車などの分野で新たな市場を創出する可能性があります。NVIDIAの物理AIへの取り組みは、これらの分野でのリーダーシップを強化し、長期的な成長を支える要素として注目されます。

Physics AI(物理AI)のポテンシャルは計り知れない

特に今後注目されるのは、産業用デジタルツインのプラットフォームであるOmniverseと、ヒューマノイドやその他のAI搭載ロボットの開発に使われるPhysics AI(物理AI)です。
産業用デジタルツインとは、現実の工場や製造設備、プロセスなどの「物理的な現場」を、コンピュータ上の仮想空間に正確に再現する技術。具体的には、IoTセンサーや各種デバイスで現場のデータ(温度、振動、稼働状況など)をリアルタイムに収集し、その情報をもとに仮想モデル上で現状のシミュレーションや分析を行います。

これを用いると、工場の突発的な不具合に瞬時に備えることができるほか、定期的なメンテナンスの効率が向上します。悪くなっている所がデジタルツインの中で特定できるからです。

また、Physics AI(物理AI)は現実世界で安全に動作する自動運転車のようなロボット、複雑な産業タスクを実行するマニピュレーター、そして人間と協調して作業するヒューマノイドロボットに代表される、物理的な作業を自動化するAIであり、そうした物理的な自動車やロボットを開発するための包括的な環境です。これがあることで、自動運転車、ヒューマノイドなどの開発が加速化します。AIが消費者の周辺や工場の中などを動くようになるのです。

2025年正月に行われたCESの基調講演でNVIDIAのCEOジェンセン・フアンがトヨタとの提携について言及しました。それはこのPhysics AIを使ってトヨタが自動運転車を開発するということです。これによりトヨタが自前で開発するよりは、はるかに速い自動運転車の開発を行うことができるようになります。

またイーロン・マスクのTesla社が開発販売予定のヒューマノイドOptimusの競合にあたるヒューマノイドを多数の会社が開発していますが、同じくNVIDIAのPhysics AIを使って開発することにより、開発が加速化します。(リンク先はCES2025におけるジェンセン・フアンのヒューマノイド関連の発表場面の動画)

Physics AIのコンセプトを解説した短い公式動画がYouTubeにあります。この技術に興味がある人は必見です。

また、NVIDIAの産業用製品やソリューションのニュースは、同社の公式ブログにまとめられています。

こうした新手の市場を攻める新製品複数を持っているため、NVIDIAの今後の成長は堅いと思います。AIデータセンターにおけるBlackwellや次世代Rubinの成長性もおそらく物凄いと思われるのですが、AIがコンピューティングの領域から抜け出して、自動車やロボットに搭載される時代になると、NVIDIAの突出した成長性はさらに多くの売上や利益を生むものになると思われます。

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