属人化は悪? 「属人化をなくすべき」と考える理由
こんにちは、穂苅(@tomoyanhokarin)です。
組織やチームについて考えるとき、私がかなり強く意識していることがあります。
それは「属人化」です。
結論から言うと、私は属人化は悪だと思っています。(例外を除き)
もちろん、芸術家やトップアスリート、研究者のように、個人の才能そのものが価値になる世界はあります。
しかし、一般企業においては話が別です。
むしろ管理職や経営層は、どれだけ属人性を排除できるかを真剣に考えることがとても重要だと思っています。
なぜなら、属人化は会社だけでなく、そこで働く人の人生にも大きな影響を与えるからです。

属人化は静かに進行する
属人化が怖いのは、問題として認識されにくいことです。
例えば、
- 「今までそうやってきたから」
- 「この人しか分からないけど、今までうまくいっていたから」
- 「新しいやり方が成功するイメージが湧かないから」
こうした理由で問題が放置されることがあります。
しかし、周囲から見ればそれは既に顕在化した問題です。
- 本人しかできない業務
- 本人しか知らない顧客情報
- 本人しか更新できないシステム
- 本人しか進められないプロジェクト などなど
これらはすべて組織にとってのリスクです。
たまたま今は問題になっていないだけです。
本当に怖いのは「人への依存」
たまにあるのが、
「自分が辞めたら会社は困る」
という状態になっている状態です。私には違和感があります。
本人からすると、オンリーワンだと考えているように思います。
確かに本人の貢献は素晴らしいでしょう。
しかし組織として見ると、それは危険信号です。
「仮に」です、
- もしその人が病気になったらどうでしょう
- 家族の事情で休職したらどうでしょう
- 転職したらどうでしょう
その瞬間に売上が大きく落ちたり、サービス品質が下がったりするのであれば、その組織は健全とは言えません。
むしろ組織としては、それが健在化されたということでポジティブに捉えてもいいかもしれません。
組織は本来、「誰か一人の頑張り」で成り立つものではなく、「仕組み」で成り立つべきだと思っています。
属人化のしわ寄せは必ず人に来る
属人化が続くと、最終的なしわ寄せは人に向かいます。
- 特定の人にタスクや問い合わせが集中する
- 人が簡単に休めない
- 業務が引き継げない
- 夜や休日にも連絡が来る
結果として疲弊し、モチベーションが下がり、最悪の場合は病気や退職につながります。
私はこれこそが属人化の最も大きな問題だと思っています。
経営課題であると同時に、人の、人生の問題でもあるからです。
最近は特に、AIの活用が進んでいますが、AIによって属人化はむしろ目立つようになるかもしれません。
AIが定型業務を処理するようになると、「その人しか知らない知識」や「その人しか判断できない業務」がより浮き彫りになるからです。
AI時代に求められるのは、個人の能力だけではなく、知識を組織全体で活用できる仕組みだと感じています。
お客様への最大の礼儀
私は属人化をなくすことは、お客様への最大の礼儀だと考えています。
- 「あの担当者が辞めたので、今は対応できません」
- 「あの人しか分からないので、しばらく待ってください」
こうした状況は、お客様から見れば企業側の事情です。
企業側の責任であり、属人化をした人の責任でもあります。
本来、お客様には関係ありません。
- 担当者が変わっても品質が変わらない
- 誰が対応しても一定水準以上の価値を提供できる
そうした状態こそが、本当の意味で信頼される企業だと思います。
良い会社は、ヒーローを作らない
もちろん問題のない組織など存在しません。
どの会社にも課題はあります。
しかし、「良い職場環境」と「悪い職場環境」の違いは存在します。
その差は何でしょうか?
・・・
私は「個人への依存を減らそうとしているかどうか」だと思います。
優秀な人を増やすことは大切です。
しかし、それ以上に重要なのは、その人の知識や経験をチームの資産に変えることです。
ヒーローを作るのではなく、誰もが活躍できる仕組みを作る。
それが結果として、お客様の満足につながり、社員の幸せにつながり、企業の持続的な成長につながるのではないでしょうか。
そして、そういった仕組みを作った人がもっと評価されるようになると、日本の生産性も向上し働きやすい組織が増えてくるのではないか、
と思っています。
最後に
今回取り上げた属人化の話ですが、問題は「属人的な価値」ではなく、
「属人的な価値しか存在しない状態」
だと思います。
つまり、
❌ あの人が辞めたら終わる
ではなく、
⭕ あの人は特別な価値を持っているが、組織は回り続ける
が理想です。
AI時代は特にこの差が大きくなると思います。
優秀な人がAIを使ってさらに成果を出す一方で、その知見をナレッジ化・標準化できる組織が最終的に強くなる。
だから属人化対策は単なる業務改善ではなく、経営戦略そのものだと思います。
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