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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

”麻辣”に目がない

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疲れて頭が発酵している状態なので、辛いものの話を書きます。

けっきょく辛いもの好きなわけです。仕事場界隈で食べられる麻婆豆腐のめぼしいのは大体試して、密かにランク付けをします。

赤坂に詰めていた時は、四川料理の店なんかもあったけれど、辛さと旨さとコクでもって、陳麻婆豆腐がダントツ1位でした。ここは電車賃をかけて行って食べる価値はあります。店名にうたうぐらいだからやはり自信はあるわけですね。複数の発酵系調味料が複雑に絡み合った味がして、あるコンサルタントの方などは「ボルドーワインのようだ」と評しました。なるほど言われてみると深くて複雑な味がします。それでもって辛くて旨い。
11時30分ぐらいから人が並び始めるので、できればその前に行くか、かなりずらして2時近くに行くのがいいと思います。

2番目は龍坊です(いまは孫という名前に変わりました)。あの素敵な高品位の中華を出す龍坊。龍坊の麻婆豆腐は2~3人で食べる単品料理なのですが、昼時は麻婆豆腐丼というのを出します。乗っかっているのは同じ麻婆豆腐なんでしょう。そう思って食べています。
これもですね。感激してしまう辛さと旨さです。陳麻婆豆腐の辛さも花椒(ホアジャオ)の辛さが主体であり、ぴりっと来て舌が少し痺れる感じがあるのですが、龍坊の辛さも同じ花椒がたっぷり使ってあって、いい感じです。

ちなみに本店にあたる赤坂の「孫」は麻婆豆腐以外の品を2回試しましたが(チャーハンと煮込み麺)、あまり感心しませんでした。すみません。赤坂の店のほうがはるかに上手だと思ったな。

3番目は火鍋屋ですね。ここは四川料理を本気でやっているように思える店で、それも重慶の庶民的なストリートにありそうな味を再現しているように思えます。主力の火鍋は、以前、上海に通っていた時に下町チックな火鍋屋で食べたやつに近い感じです。野性味があります(ただし昼時のものは価格を落としているので食材の質は自ずと限りがあります)。
ここで麻婆豆腐の四川本場風というのを頼むと、手加減しない辛さのやつが出てきます。でかい包丁でぶった切った赤唐辛子がそこらじゅうに散りばめられているというやつです。これはこれで捨てがたいものがあります。もちろん赤唐辛子を除けたりしないで、きちんとおなかに収めます。辛いもの好きの人でないとその本意はおわかりいただけないと思う。

現在詰めている六本木のミッドタウン界隈では、いまだそうした魅力的な麻婆豆腐には出会いませんね。ひそかに食の不毛地帯だと思っていたり。。。していたのですが、陰の方を歩くとなかなか渋い店があるということが最近わかってきました。ミッドタウンと六本木ヒルズの間に広がる裏路地が狙い目ですね。

昨日、三番町で[pepoz] のミーティングをやった帰り、麹町ですごい麻婆豆腐に遭遇してしまいました。「ばんちゃんの酒房」という店です。「ばん」は難しい字なのでたぶん日本語入力環境では出ないのではないか、というより出し方を知らない…。それはよいとして、ここは刀削麺を前面に出しているのですが、店内のメニューを見ると上海料理と四川料理が半々です。

つまみのリストに「麻辣ガツ」というのがあったので、試してみました。「麻辣」の二文字にはひどく弱いです。
これが行けました。四川育ちでないと作れない味なのではないかと思える、辛さとワイルドさと酸っぱさとコクとが混じり合った不思議が味がしました。辛いもの好きとしてはこれで「行ける」と判断しました。
そこで辛さの本領が発揮されるであろう麻婆豆腐に切り込みました。辛さが3段階ぐらいあったように記憶しています。もちろん激辛を注文しました。

出てきたのはすごい!石鍋(石焼ビビンパ用のやつ)の中でぐつぐつ煮えたぎっていました。
中国の人がつくる中華料理の特徴は、油をけちらないということですね。同じ煮るにしても油で煮る。そういう感じです。そして、そのけちらない油をそのまま皿や鉢などに盛る。それが中国の人の油さばき作法だと理解しています。
ばんちゃんの酒房の麻婆豆腐も、石鍋のなかでぐつぐつ煮えたぎっているのは、油で半ば埋まった状態にある麻婆豆腐です。むろん熱い。昨晩は寒かったので、からだが温まって非常によかった。旨さ辛さの度合いはどうかというと、この石鍋あぶら煮えたぎり風麻婆豆腐がほかでは食べられないという意味で旨いし、辛い。そういう感じです。
麻婆豆腐の本体を掬って少しずつ食べていくと、もともとそこにあった油が層状になって目で見えるようになります。その層になった油が赤唐辛子でもって真っ赤になっている。そういう状況。すごいんです。真っ赤な油(もちろんそれを飲むことはしませんが)。辛いものが好きで、本場中国風の油をけちらない調理法に抵抗感がなければものすごーく旨いと思える、そういう麻婆豆腐でしたね。

主人が上海出身とのことで、上海の「麻辣湯」が懐かしくなってしまったのだけれど、そこまで書き切れないので、今回はこのへんで。

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