2015年までにスマート・グリッド・プロジェクトの30%がクラウドへ
調査会社ガートナーが「IT部門のコントロール力や予算、コストなどに影響与える要因に関した予測レポート」を公表しました(関連記事)。
アナリストのキンバリー・ハリス・フェランテ氏は、本予測にあたって
ユーザーが常時接続のデジタル・ライフスタイルを積極的に取り入れる傾向が続くため、業界のビジネス・モデルは2015年にかけてさまざまな試練に見舞われるだろう。(中略)クラウド・コンピューティングとソーシャル・メディアは今後も業界と顧客とのコミュニケーションや結びつきを深める端緒となり、収入を増加させるとともに、持続的な相互作用をもたらしてくれる
と、コメントされています。
スマートデバイスによる常時接続環境が整い、そしてクラウドとソーシャルメディアが、今後のコミュニケーションやワークスタイルを変え、ビジネスモデルそのものの創造的破壊がもたらせると考えられます。
ガートナーの業界予測の中で、最も注目しているのは、以下の予測です。
・2015年までに、スマート・グリッド・プロジェクトの30%がクラウド・サービスを利用し、コンバージング・テクノロジーのビジネス・データを処理するようになる
今後、スマートグリッドおよびスマートシティ関連の市場は大きく成長すると予想されます。
日経BPクリーンテック研究所(2011.12.14)の「スマートシティ市場、累計で4000兆円に迫る」の記事には、スマートシティ関連市場は、2030年までの累積で4000兆円に迫ると予測しています。
また、IDC Japanの「2012年 国内IT市場の主要10項目」には、
全世界で2012年に3兆1,000億円以上がスマートシティ向けソリューションの構築に技術投資され、年間のIT投資額は2014年までに4兆 4,000億円に上ると予測する。国内では2012年スマートシティ関連のIT市場は3,460億円と前年比21.6%増で成長し、さらに2014年には 5,008億円に上ると予測。
と書かれています。IDC Japanが2011年6月に発表した国内クラウド市場は2015年には2557億円と予測していますが、それと比べても、スマートシティのIT関連市場は高い数字となっています(関連記事)。
さらに、IDCの資料には、
次世代の最初の10万のスマートシティソリューションは「第3のITプラットフォーム」上に構築される
と書かれており、モビリティ、クラウド、ソーシャルネットワークが社会のトランスフォーメーションを促す土台になると予測しています。
スマートシティが本格的に普及するようになれば、スマートメターやEV(電気自動車)など、様々なデータが蓄積されるようになり、それらのデータの処理分析などビジネスへの活用がポイントとなってきます。いわゆるビッグデータの流れの一つであり、クラウドが社会基盤を作る大きな役割を示すことになるでしょう。
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