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世界市場と産業構造変化(2):電子書籍編

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1回のスマートフォンに続き、経済産業省が2011年8月11日に公表した「産業構造審議会情報経済分科会中間とりまとめ」をもとに電子書籍に関して整理をします。

本中間とりまとめでは、電子書籍について以下のとおりまとめています。

○これまでの書籍ビジネスは、流通を担う、出版社・取次事業が、ビジネスの中核的事業となっていた。
○電子書籍端末の投入により、携帯電話と同様にコンテンツストアとデバイスの組み合わせに競争の基軸が変化。こうした中、
①従来の出版社以外のアマゾン、ソニー等の新規プレーヤーによる競争が激化.。
②本という物理的な制約を超越して世界100ヶ国以上で電子書籍端末が販売され世界市場の絵が塗り替えられつつある。日本企業も参戦するもコンテンツの収集・管理・提供の機能強化に大きな課題

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電子書籍の市場は世界規模で市場が成長しており、EPUBに代表される電子書籍のフォーマットやHTML5、そして、多くの電子書籍端末も登場しています。この分野で市場の優位にたっているのは、Amazonに代表されるプラットフォームで市場のシェアを確保している事業者です。また、電子書籍市場においては、日本は縦書きやルビの問題など、日本語独特の対応や規制などの問題もあり、世界市場においては、十分に戦えていない状況です。

本中間とりまとめでは、新規創出マーケットやITとコンテンツ融合領域で日本発の新規ビジネスを展開できる電子書籍ビジネスなども重点分野と位置づけており、書籍のデジタル化の推進やコンテンツ管理、資産評価のあり方の検討をする必要があるとしています。また、コンテンツ・ファンドを活用した新興国等へのグローバル市場への展開も視野にいれています。クラウド型視聴サービスなどに係わるルール整備も中長期的なプランとして掲げています。

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国内において電子書籍市場が予想以上に伸びていない要因には、異なるフォーマットなどサービス間や事業者間の連携ができておらず、ユーザの利便性を損なっている点があげられます。世界市場を見据えながら、日本特有の環境への対応、2つの異なる成長市場の環境の中で、日本の電子書籍ビジネスの今後の展開が注目されます。

 

 

※担当キュレーター「わんとぴ

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