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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

「クラウド商戦」は、しばらく曇りという話

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日経ヴェリタスの5月31日に『「クラウド商戦」は、しばらく曇り?中期的にはゲーム家電などに追い風も』というタイトルで特集が組まれていました。

話のポイントは「クラウド」のブームがあり、ITベンダ各社もクラウドに対する事業戦略やサービス開発やサービス提供を始めていますが、業界全体で利益の出るビジネスであるか、また収益貢献が不透明等、クラウド事業への期待から株価が上昇している銘柄は見当たらないという指摘をしています。むしろ、クラウドが進むことによって単発のシステム開発や構築機会が減少し、かつ、米国勢や大手の寡占化で市場は淘汰されるのではないかという懸念も指摘されています。

先日、あるオンプレミス型のシステムを提案している企業の方と情報交換をする機会がありましたが、同様に、今後、ITの市場が縮小していくのではないかという危機感を述べられている方もいらっしゃいました。

ある調査会社のリサーチャーの方のコメントによると、将来的には大幅にIT業界の人材が必要なくなるのではないかという指摘もあり、クラウドの普及に伴い、業界自体が淘汰され、縮小してしまう可能性も考えられます。つまり、クラウド事業はIT業界にとってマイナスで、しばらくは曇りが続くのではないかという見解は的を得ているのではないかと思われます。

では、「クラウド商戦」を晴れの状態にしていくためにはどのようにしていけばいいのでしょうか? 各々の置かれている立場によって異なるかと思いますが、オンプレミス型中心のIT企業であれば、クラウドへの領域へも参入することによって、個別対応型、パッケージ型、そしてSaaS型のいくつかのパターン化によって、ユーザの要望に応じてサービス提供やシステム構築をしていくといった戦略が考えられます。

また、新規にクラウド事業に参入しているIT企業にとっては、まず、薄利ながらも多売でユーザを獲得し、収益をあげていくということが考えられるでしょう。通信業界はネットワークの延長としてアプリケーションもサービスをして提供していくシナリオを描いているのではないかと思います。ネットブックや携帯電話事業者も端末価格が下落傾向にあるなか、クラウドからの収益を獲得する動きが加速化していくことになるでしょう。

以上のように、各々のIT企業か自らの得意領域を持ちながら、クラウド事業に参入することによって、一時は価格破壊や淘汰の波が押し寄せることになるかもしれません。創造的破壊という言葉があるように、クラウド上のスカイコンピューティング戦争が起こり、既存市場は一度崩壊に近い動きを見せる可能性も考えられます。創造的破壊の後の、新たな晴れの市場が出てくることが期待されるところですが、将来のクラウド市場は、しばらく曇りのままなのか、雨が降ってくるのか、晴れ間が見えるのか、今後のIT業界の戦略的な動きによって、その市場の天気は大きく変わっていくのではないかと感じています。

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