「スクール・ニューディール」構想
2009年度の補正予算が成立しました。総額13兆9256億円にものぼります。いろいろとりあげてみたいテーマはあるのですが、個人的に教育に関心があるので、文部科学省の補正予算(PDF)について少し取り上げてみたいと思います。
文部科学省は、「スクール・ニューディール」構想(学校施設における耐震化・エコ化・ICT化等)をかかげ、総額1兆3,174億円を計上しています。その中で学校ICT環境整備が2,087億円をかけています。
内訳は、地上デジタルテレビ(電子黒板を含む)の整備に667億円をかけ、デジタルテレビの整備(43.5万台)、電子黒板:各学校1台(小・中) などがあげられています。地デジ化が急がれる中、デジタルテレビの整備は急がれるところです。注目されるのは、電子黒板が各学校に1台設置されることが明記されているところです。各学校で電子黒板を使った授業が行われることを意味し、これまで実験的な意味合いが強かったのですが、本格的に電子黒板の普及が進むことになりそうです。電子黒板を使い、どのような授業を進めていくのかが大変興味深いところです。
また、学校のコンピューター、校内LANの整備(公立学校) では1,420億円を計上し、内訳は、教育用・校務用コンピュータの整備(195.6万台)と校内LANの整備(17.2万室)となっています。校務用とあるように、校務システムのICT化が今後進むものと予想されます。校務の作業を効率化し、子どもたちの教育に避ける時間を増やしていくことが期待されます。教育用ではネットブックを用意し、できるだけ多くの子どもたちがコンピュータに触れる機会があればと感じています。タッチパネルの端末もあるといいですね。
ICT環境整備ということで、ハードウエア(つまり、はこもの)が大半を占めており、コンテンツの部分や運用面がどうなるのかというのが気になるところです。学校に足を運ぶとコンピュータがほこりをかぶっているケースも何度か目にしてきました。ポイントはいかにICT環境を使いこなしていけるかにあるでしょう。
補正予算によって「スクール・ニューディール」構想がどこまで浸透するのか、ばらまき予算と批判される部分もある中、その取り組みが注目されるところです。