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ブログを毎日書くことのデメリット(3)社内の評価

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サラリーマンである限り、ブログを書く際には社内のことを気にしなければなりません。実名を出さないでプライベートで書いている限りは特に個人の自由で社内のことを気にする必要はあまりありませんが、実名を出して、勤務する企業名まで出しているとそれなりに責任を持って書かなければならないでしょう。

私の場合は、さすがに、企業名は出す勇気がありませんでしたが、実名を出している限りは、自分自身で書いたことに対して企業人として、責任をとっていかなければなりません。  

私自身、ブログを書いてから2年がもうすぐでたとうとしています、今となっては、部内の60名の社員の方は、ほぼ100%の方が私のブログの存在を知っています。もちろん、最初から知っている人はほとんどおらず、会社からは目立たないところでブログを書いていました。ブログを書くということが会社から評価されることはまずなく、もしブログを毎日書いているのであれば、しっかり仕事をしているのだろうか、と思う上司も多いのではないでしょうか。つまり、同じ仕事の業務量をしていても、たとえ、会社の外でブログを書いていたとしても、仕事量が少ないのではと思われることもあるかもしれません。

ブログを書いていることは、基本的には、仕事の評価にはプラスには働きません(と感じています)。同じ仕事内容であれば、ブログを書いていない人のほうがが評価をされ、書いている人はむしろ、会社以外に関心事が移っていると解釈され、マイナス評価になってしまうこともあるでしょう。  

もちろん、ブロガーとして会社から高く評価されている場合も多くあります。特に外資系大手IT企業の場合は、部長クラスの方が自らブログを書いているケースも多く、他の社員のお手本となっているケースが多いのも事実です。しかし、日系の大手企業の多くは、そうではないと感じています。

実際にオルタナティブ・ブログのブロガーの中にも日系企業に勤めている人も多くいますが、その多くは管理職ではない人が多く、企業名も出せないといった環境の方が多くを占めています。ITmediaにブログを書いている人は、先ほどお話したように外資系大手IT企業の部長以上のクラス、もしくはベンチャー企業の社長などといった比率が多いと思います。その一方、日系企業は20代、30代が中心となっています。よく日系企業の20代、30代のブロガーの中で話題となるのが、社内でどこまで知られているか、ということです。なかなかオープンにできないのが現状のところかと思います。仮に今の上司が認めてくれたとしても、次の異動先の上司がそうであるとは限りません。日本の企業の多くはブログへの理解が様々で、かつIBMさんやオラクルさんなどと異なり、会社の具体的なブログに対するルールが存在しないないのです。日本の多くの従業員を占める大手企業の比率が少ないのは残念ですが、現状は、これからも厳しい環境であると認識しています。  

ブログ自体は評価されないとしても、ブログがきっかけとなって得られる成果についてはもちろん評価はされるでしょう。私自身もブログがきっかけとなって、会社名を出し、講演をする機会も増えてきました。このように講演をするといった人材であることは、社内からも高く評価されるケースもあるでしょう。ブログは評価されることは少ないのですが、ブログからきっかけで得られた成果や活動については、当たり前かもしれませんが、会社は評価をしてくれるということです。

しかし、そこまでに持っていくには、それなりの壁を突きやぶっていかなければなりません。私の場合は、1年以上毎日ITのことばかりを書き続けてようやく、多くの機会を得ることができるようになりました。少なくとも1年間は我慢の期間が必要となるでしょう。ほかの方が読んでみて、声をかけてみたいと思うぐらいに情報の質量ともに充実させて、パーソナリティーを伝えていかなければ、声をかけていただく可能性は低いと思います。 

おそらく、そういう事例は少ないと思いますので、会社側がなんらかの後押しをしなければ、日本の企業からブロガー、特に管理職クラスの企業名を出したブロガーが出てくるのは、可能性の低い状況だと思っています。景気が低迷する中、社員一人ひとりが、リスクを背負って、冒険をすることは危険かもしれません。

ということで、社内から早急に評価をもらうために、ブログを書くという目的で書くことはおすすめできません。おそらく、ブログを書いていれば、社内よりも、最初に社外からの評価が先にくると思います。ITmediaのようなアクセスの多いブログに実名と企業名を出す場合には、社内の評価の視点で考えてみると、非常にハイリスク、ハイリターンの行動であるといえるのかもしれません。

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