iPhoneの国内投入時期は最適だったのだろうか?
iPhoneがいよいよ日本でも7月11日に発売されます。週刊アスキー(7/22)には「7月11日にiPhoneを手にいれる方法はコレだ!!」というiPhone購入の特集が組まれており、雑誌やIT系ニュースサイトも大きなトピックとして取り上げています。
iPhone上陸で変化するビジネスモデル
iPhoneの投入は、ガラパゴス現象と呼ばれる日本の携帯市場に、一石を投じることになり、携帯事業のオープン化などビジネスモデルの変革を求められるようになるかもしれません。逆にソフトウエア会社等は、Apple Storeを通じて日本だけでなく世界中にアプリケーションを提供できるようになり、ビジネスのチャンスは拡大していくことになるでしょう。
携帯電話の空前のヒット商品となるか?
携帯電話の販売台数が100万越えることがこの数年間ほとんどありませんでしたが、リサーチ会社などでは、120万台以上という試算をしているところもあり、予想だけ見ると、空前のヒット商品となる可能性が考えられます。
ユーザはどのような購買反応を示すか?
世界的に見ると、携帯電話のオープン化が進み携帯メーカが主導権を握っており、iPhoneの投入はこれまでの海外での成功したノウハウをもとに展開してくるでしょう。しかし、パラダイス鎖国に慣れてしまった日本にとっては、7月11日のiPhoneの発売日にどのような購買反応を示すことになるのでしょうか?
ITmediaに「まずは様子見?――iPhoneを“発売後、すぐに購入したい”人は3%」という記事がありました。一番多い回答は、「今後の状況を見て決めたい」というのが35%となっています。iPhoneの購入を考えるのは、「料金が安くなったら」38%で1位。続いて「利用者の反応が良かったら」が31%、そして「新機能追加」が28%と続いています。
iPhoneを購入しない理由も興味深い結果です。「現在の携帯会社を変えたくない」というのが41%と一番多く、「お財布ケータイやワンセグなどの既存の機能が使えない」というのに不満をもっているユーザが30%、「一般の携帯サイトを見ることができない」が26%を占めています。
iPhone購買を様子見するユーザ
iPhoneを使うことは一見、先進的なように見えます。しかし、これまで日本に一般的に普及した携帯電話の機能が一部できなく利用できなくなるということにもなり、ユーザは、持つことの優越感を味わう半面、不便さを感じることになるかもしれません。そのため、iPhoneを購入することを躊躇し、少し様子を見てみようという意識があるのも当然でしょう。
この様子見のユーザの動向が注目です。そのままiPhoneに流れていくのか、それとも日本メーカがタッチパネル機能搭載など魅力のある端末で対抗し、様子見ユーザを食い止めることができるのでしょうか?
垂直統合モデルから水平分散型モデルの移行期に
日本の携帯電話事業者もグーグルのAndroidの採用を表明しており、これまでの垂直統合モデルから水平分散型のモデルに移行することが予想されています。しかし、日本においては、まだまだ垂直統合モデルが一般的な状況になっています。
iPhoneの上陸は黒船の到来など、日本の携帯市場のビジネスモデルに大きなインパクトを与えることになると多くの専門家は指摘していますが、ユーザ側は日本国内において今購入することにメリットがあるのかないのか、冷静に見ているように見受けられます。
iPhoneの投入は日本の鎖国状態を考慮すると、適切だったのでしょうか? もちろん一定の販売が見込まれると思いますし、ドコモもiPhoneを販売し追随してくるかもしれません。iPhoneの投入がタイミング的に最適だったのか? 7月11日以降の購買動向は今後の日本の携帯市場の動向を大きく占うことになるかもしれません。