「WILLCOM D4」と「iPhone」の同時発売による購買動向の行方は?
アップルが6月9日にiPhone 3Gの発表し、日本では7月11日と予想以上に早い発売日に少なからず驚いた人もいることでしょう。iPhoneの登場は、黒船来襲とか、いやいや津波だとか、ガラパゴス現象を変えるとか、様々な表現で日本の携帯市場におけるインパクトを与えています。
価格も北米のケースでは、16Gバイト版が299ドル、8Gバイト版が199ドルという情報が広まっている以上、日本でも同等規模の価格が予想されます。そう考えると、その他の携帯電話よりも安価であり、GPSやワンセグ等を搭載した日本の携帯電話は、価格競争においては不利な状況に追い込まれ、ビジネスモデルにおいても転換を余儀なくされるかもしれません。
さらに驚いたのは、ウィルコムが「WILLCOM D4」を「iPhone」と同じ日の7月11日に発売すると発表したことです。ウィルコムは「たまたま重なっただけ」というようですが、何か意図が見え隠れしているように感じます。
アスキーメディアワークスが6月9日に「iPhone」の購買に関するアンケート調査を実施したところ、携帯電話事業者の変更が不要な場合は,51%が購入に「前向きに検討」,9%が「購入すると思う」と答えています。ソフトバンクモバイルの携帯のシェアはあまり高くないとは言え、ソフトバンクの利用ユーザの半分以上は少なからず検討し、auやドコモのユーザも、半分とは言わないまでも多くの人は買い替えの検討の選択肢にいれてくるでしょう。
では、「WILLCOM D4」の場合はどうでしょうか?「WILLCOM D4」は多くの方がご存知のようにOSはWindows Vistaを搭載しており、UMPC(ウルトラモバイルPC)のカテゴリに入ります。「iPhone」と比べると、D4は一括購入の場合は、12万8600円とかなり割高です。この価格差はどう出てくるでしょうか? 「WILLCOM D4」はパソコンとして考えると割安ですので、どの程度セカンド端末として市民権を獲得できるのか注目です。
「WILLCOM D4」と「iPhone」はターゲットが異なるので、購入検討ユーザの多くは、7月11日以降に購入するものは決めていることでしょう。発売日は一気に盛り上がり、「WILLCOM D4」購入ユーザと「iPhone」ユーザ双方がブログ等で体験記が盛り上がっているのではないでしょうか。
「iPhone」と「WILLCOM D4」同時発売によるユーザの購買動向は、今後の日本のモバイル市場を大きく占う日になるのではないかと感じています。