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Second Life(セカンドライフ)が企業のコミュニケーションを進化させる日

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書店に行くとSecond Lifeに関する書籍が多く並んでいます。ITmediaの「Second Life3度目の正直をかける企業、従来型メディア、代理店」という記事にもあるように、過去ブログやSNSの動きに乗り遅れた企業が敗者復活をかけて、続々と参入してきています。

 
Second Life
のユーザは現在700万人規模、そして常時接続しているユーザは数万規模にも関わらず、企業参入が初の試みでメディアに取り上げられることを目論み、また新たなビジネスチャンスを拡大をしていこうという意気込みが見え隠れしています。

 
現在企業の多くは、プロモーションやマーケティング効果を狙って、Second Lifeを活用し始めていますが、企業(特に社内)のコミュニケーションには生かすことができないのでしょうか?

 
欧米では、企業のコミュニケーションとして活用し、検討をすすめてきているところも出てきているようです。いくつか事例を交えながら企業のコミュニケーションのあり方を少し考えていきたいと思います。

 
遠隔地ミーティングに活用する

現在、遠隔地のミーティングを実施する際に、テレビ会議やテレビ電話システム等を活用し、時には文書を共有しながら会議をすすめていくのが一般的です。「テレプレゼンス」と言われるキーワードも出てきており、高精細の映像により遠隔地にいる相手があたかも目の前に座ってミーティングを行えるようなシステムも出てきています。

一方、お互いに映像で見るよりもアバターを使いSecond Life内で議論をしたほうが感情移入もでき、よりリアルではないか?という議論も欧米では盛んになっているようです。実際に、IBMでは全豪のマネージャー会議をSecond Life内で行う等のケースも出てきています。

 
eラーニングと集合研修を補完する

eラーニングは効率的に知識を習得する意味で非常に便利なツールではあるのですが、eラーニングを受講する時は自分との戦いであり、モチベーションの維持がなかなか困難です。また、集合研修は、講師の話を直接聞き参加者とコミュニケーションをとりながら研修を受講できるので効果が高いのですが、交通費や時間の制約などが課題となっています。

一方、Second Lifeで研修を受けるという選択肢はどうでしょうか?集合研修で受講生同士が会った時と近い効果を得られるのかもしれません。また、eラーニングで孤独に受講するよりも、メタバースに集まって講義を受講するほうが、モチベーションを維持できてより高い効果が得られることも考えられます。

 
相談窓口として利用する

企業では法律相談や健康相談等様々な窓口が設置されています。相談方法としては、電話やメールの相談そして直接会って相談をするケース等あります。しかし、実際相談窓口がよく活用されているかと言うとそうでもない企業が多いようです。メンタルヘルス対象の社員は毎年増加傾向にあり、社員が早めにかつ気軽に相談ができ、早期に対策のうてる環境をつくっておくことが重要になってきています。

実際に、Second Life内に法律家が弁護士事務所を設置し、Second Lifeに関わる相談だけでなくリアルな場の相談も受け付け、法律ビジネスを拡大しているケースもあります。またBMWはウイークデーの1時間半のみSecond Life内に相談窓口を設置するケースも出てきています。

 
まとめ

海外では既にSecond Lifeを活用した企業のコミュニケーションのあり方が模索されはじめています。ブログやSNSが消費者の間でブレークし、その後、社内SNSやイントラブログ等に飛び火しました。同じようにSecond Lifeを活用し、感情やエクスペリエンスを共有しあう等、企業のコミュニケーションを進化させていく方法を、そろそろ検討していく時期にきているのかもしれません。

 

【参考文献】
月刊ascii Aug.2007 特集2 「セカンドライフの異常事態」


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