坂本史郎の【朝メール】より:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 坂本史郎の【朝メール】より

ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

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2010年8月6日の投稿

2010年8月7日 »

おはようございます。

当たり前のことですが、西の方は夜明けが遅いです。29階の窓から差し込む朝日を見ながらの【朝メール】です。

今朝は、製品開発のコツというものについて考えてます。

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■大里さんからの質問

「B2Bでストック型の製品開発をするときのコツって何でしょうか?」

先日、マリコ駆ける!の大里さんが弊社にやってこられて、聞かれたことの一つです。大里さんとは、大企業スタートのバックグランドといい、MBAといい、妙な共通点が多いと、話が盛り上がりました。

「製品開発のコツなんてものが果たしてあるのだろうか。」内心そう思ったのですが、改めて考えてみると、明らかに何らかの手法はありそうです。そしてそれは、コツなどという簡単なものではなさそうなのですが、考え方としてありそうです。

答えは「お客様からヒントをもらう」というところにあると思います。

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■コンセプトを絵に描く

B2Bに限った経験で恐縮です。東レで繊維素材を使った製品開発をしていたときでも、今、ITサービスを開発していたときでも、同じ考えが当てはまります。意識して外の人と相談するということが必要だと考えています。

思いついた製品について、内部で「ああだこうだ」と議論することは大切です。しかし、もっと大切なのは、そのコンセプトを絵として外部に持ち出して、それについていろいろと意見をもらうことなのです。

当然のことながら、肯定的な意見もありますし、いまいちな反応ということもあります。それらの反応は重要です。その情報を元に新たにコンセプトを進化させ、再び絵に描きます。「これではどうでしょう?」と、また持ち出します。いわゆる「外脳」の利用です。

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■プロトタイプはいつ作るか?

お見せするのは同じ人である必要はありません。新たな人でもいいのです。それを見せながらぐるぐるとまずは20社、あるいは20人くらいに実際に聞いて回ると、「これなら売れそうかな」というコンセプトにまで煮詰まります。

そのコンセプトから、プロトタイプを開発します。いわゆる試作品です。

プロトタイプを開発することはとても効果があると思います。お客様にもよりイメージがつかみ易いものになるからです。すぐ試作品を作ってしまうのではなく、最低20人の「外脳」からのアドバイスでたたかれたコンセプトをベースにすべきです。

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■本格製品はどう育つか?

プロトタイプを元に200社程度にまで回った後に、本格版を開発する。たぶん半年がかりのプロジェクトになります。それでようやく製品開発の途につく。そんな感じでしょうか。(創立10周年を迎えることができました(2)に少し記載してあります。)

さらに、製品を世に出した後は、継続的改善をどこまでも続ける覚悟が必要です。出して終わりなのではなく、出して、問題を起こして、それを解決して、と、泥沼とも思えるプロセスに踏み出します。

その製品が立派に親孝行をするまで、うまくいって3年。うまく行かなくて、ずっと親孝行ができない。そんな製品も多数あるのが実態でしょう。永井さんのエントリーにもあります。

日本では、1年間で新発売される清涼飲料水は、2000種類以上あるそうです。

どれも、清涼飲料メーカーにいる精鋭のマーケティング担当者が、徹底的に議論を重ねてバリュープロポジションを定義し、世の中に出した商品ばかり。それだけやっても、生き残るのはごく少数。「清涼飲料水は毎年2000種類出てくる」というショッキングなお話もあるのです。記憶に残らない清涼飲料水だって、誰かの情熱と一緒にデビューしたのですから。

分野は異なれど、製品開発って、こういうものかと思います。真剣勝負、かつ大いなる賭けでもあります。決して、ポッと出のものが成功しているのではないと実感しています。

Shiro Sakamoto

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坂本 史郎

坂本 史郎

e-Janネットワークス株式会社 代表取締役。
東レ、バージニア大学MBA、IT企業創業とユニークな経歴。コミュニケーションデバイスと組織の理想形を追い求める。

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