ウィーンの有名なホールで高尚にオペラ鑑賞といういきさつ(1)
おはようございます。
昨日からオーストリアに来ています。現地時間では朝なので「おはようございます」で。
昨晩は何とか現地時間の夜中12時まで起きていたのですが、やはり目が覚めたら3時台でした。。
(と、書いたときは朝だったのですが、ネットの接続が不安定で、一仕事終えたのですでに午後3時。)
===ほぼ毎朝エッセー===
昨日はヨーロッパ出張のために朝7時台のたまプラーザ発高速バスに乗って成田空港へ。
10時前、飛行場に着くと出国ゲートは長蛇の列になっていました。若い人が多い。
「そうか、卒業旅行の季節だからか」
平日だからすいていると踏んでいた自分の読みの甘さをちょっと後悔。
平日だと飛行機運賃が少し安い。ゆえに曜日に関係が少ない人たちが殺到する。
セキュリティチェックと出国にかれこれ1時間ほどかかったのち、
やり残した連絡事項の作業をしているとアッという間に搭乗時間になっていました。
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飛行機で自分が乗る席にビジネスクラスを選ぶより、会社として一人でも多く、
一回でも多く、海外へのアプローチをしたいと思っています。
いつも飛行機を手配するときには自分でHISで格安航空券を準備しているのです。
実際にお任せエージェントを使うより簡単に数十万円程度変わってきます。
ところが、HISで取るエコノミーはよほど安いのか、いつもかなり最後尾です。
今回は卒業旅行のツアーと思われる団体の中に座ります。
「でも、そろそろちゃんとビジネスクラスでいけるようにしなければなぁ」と、
実際にエコノミーで窮屈な思いをすると、そんなことを毎回思うのです。
「さぁ、このあたりのルールも考えなければいけないな…」
会社が成長するときにこそ、しっかりと汎用性があるルールを創る必要があります。
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さて、成田をお昼すぎに出発、ウィーンへは11時間半の旅程でした。
地図で見るとウィーンはヨーロッパでもかなり東。日本にだいぶ近いわけですね。
飛行場に到着したのが現地時間の16時前。早く感じます。
アメリカでの入国審査は、指紋を取られたり、じろりと睨まれたり。
なんだか殺伐とした理不尽な思いをするのですが、ヨーロッパでの入国審査は楽です。
入国審査を済ませるとちょうど16時。
日本時間の日付が変わったのでdocomoの国際データローミングをオンにします。
パケット通信の一日使い放題の起算は日本時間での0時ですから。
最近はfacebookやメーラーとかが勝手に通信をしてしまうので、データローミングを
オンにしたら、一日の上限約3000円を覚悟しないといけません。
どどっと入ってくる日報や決裁申請の通知をするSPモードメールたち。
CACHATTOをつないでみると、3G回線の品質はアメリカよりもかなりいいです。
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ここのところの自分の海外出張は手荷物だけです。
荷物を待つ必要がないので楽です。"nothing to declare"通関し、さっさと外。
慣れてしまうとやめられません。
さて、ウィーンではグランドホテルというところをネットで予約してあったのですが、
行く方向がよくわかりません。インフォメーションでホテルへの行き方を聞いてみます。
するとどうやら選択肢は3つ。
ローカル鉄道を使うか、ノンストップ鉄道CATを使うか、タクシーを使うか。
せっかくなので、ノンストップのCATを選ぶことにしました。
タクシーだと感覚がつかみづらいですから。
切符をクレジットカードで買って、特に改札もなく乗り込んで。
スルスルっとアナウンスも無く走り出した列車で雪の残る景色を眺めつつ20分弱。
ウィーンのターミナル駅に着きます。そしてU4という地下鉄に乗り換えです。
ホテル最寄りの駅、Karlsplatzに到着してからは、スマホのGoogle Mapをオン。
空の見えるところで現在地を衛星から出させて、ホテルまでの徒歩経路を表示させて歩く。
徒歩約5分、夕方17時過ぎには何事もなくホテルに到着。
実に便利な世界になりました。
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さて、ここで一安心してはいけません。
早々とリラックスしてしまうと、寝てしまう。するといつまでも時差が取れません。
せめて現地時間の23時くらいまでは起きていたいと、強く思います。
日本時間の朝7時なのでそこまで徹夜する感じですね。
そこで、知り合いのソプラノ歌手さんから教わったところに行くことにします。
彼女は昨年イタリアにオペラを勉強に行っていた際、ウィーンのホールに行って、
それが良かったのでお勧めだというメッセージをfacebookでくれていました。
『もしウイーンに寄れて、お時間が作れそうな時は是非っ楽友協会という
ホールでコンサートを聴かれてくださいっっ!!!
世界三大ホールの1つで内装が金ピカで有名なのですが、なにしろ音が良いのですっ。
こればかりは現地でないと体験出来ないですからねぇ^^;
あの場所で音楽を聴くと身体中の細胞が目覚めますっ』と。
そこまで言われて、時間もありそう。「行ってみるか」と、早速、探索に出かけます。
これもスマホ地図頼り。楽友協会ホールのドイツ語名を調べて、Musikvereinと。
それをマップで表示させるとホテルから結構近いところにありました。
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現地に行くと、案内は殆どがドイツ語。
その夜、何が上演されるのかは全くわかりません。
切符売場に行ってみます。夜の演奏会、数席空いているとのことです。
席は110ユーロです。開演は19:30で終了は22時40分くらいとのこと。
「えぃっ!」クレジットカードで買いました。
ものは試し。身体中の細胞を目覚めさせたいじゃないですか。
さて、まだ18時20分です。若干時間があります。若干空腹感もあります。
腹ごしらえをするのに近所のマックに入ります。
出てきた分量は多すぎ。適当に食べて、片づけをしてホールに出向きます。
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19時前、ホールには待ち合わせの人たちなどが多数集まっています。
如何にも高尚な趣味の紳士淑女たち。こういう時に一人なのは若干寂しいもの。
でも知らないことを探索するのは楽しいです。
チケットを見せて、コートを着たままホールのフロアに行こうとすると叱られます。
「手持ちでもダメか」と聞いても「ダメだ」と言われます。
しぶしぶ0.85ユーロのクロークに並んで預け、再度入ります。今度はOK。
200年前に建てられたホール、はい。中は金ぴかです。
何が始まるのか。よくわからないままにいるのですが、どうも周りのみなさん、
白いパンフレットみたいなものを持っています。自分もほしくなり探します。
すると、それを渡している女性を見つけました。聞くと4.5ユーロと。買います。
パンフレットを見てみると、顔写真がある人が5名ほど。あとはドイツ語の羅列。
一体なにが始まるのか。妙な緊張感を覚えました。
オーケストラの団員さんたちが入ってきます。40人はいるでしょうか。
さらに、歌を歌う人たちが男女合わせてこれも40人ほど入ったでしょうか。
大人数の舞台ができあがりまりました。観客もざっと数えて1000名以上入っています。
さきほどパンフレットを売っていた女性が前に出てきます。
何やら説明を始めています。笑い声が何度か聞こえます。言葉がわからないストレス。
でも、音楽は共通なはず。
「細胞を目覚めさす」目的の自分には不要な笑いと強がってみます。
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さて、一瞬の緊張の静寂のあと、始まりました。
オーケストラの「ジャ~ン♪」
「あれ、思ったより迫力ないか?」
普段、電子音ばかりに慣れていて、かつヘッドフォンで12時間過ごした
自分としてはちょっと拍子抜けでした。
ところが、しばらく聴いていると、実にきれいに、適度な音量です。
繊細な楽器の和音や旋律が本当にホールと一緒になって音楽を奏でています。
「これが細胞が目覚める感覚ね」などと、たぶんあのホールでただ一人こんなことを
思っていたのでしょう。するとおもむろに人がでてきて歌います。
「あれ、オペラなんだ」
唐突な感想。なんとも間の抜けた話ですね。きっとこれもただ一人の感想。
完全なる不勉強飛び込み状態だった自分としては、たぶん人生初のオペラを
こんな形で体験することになったのです。
以下次号・・